佐渡に来た。佐渡も甲子園で盛り上がっている。佐渡高校が21世紀枠で春の甲子園に出る。波佐見に続いて、変な縁を感じる。
佐渡相川の海岸部には金山の鉱石を挽く石臼の石切り場がある。かねてから見たいと思っていた現場だった。
上臼は吹上海岸の流紋岩を、下臼は片辺鹿野浦海岸の花崗岩塊を含む角礫岩を切りだした。それぞれの石切り場が現在でも風化侵食に耐えて残っている。いずれも波が打ち付ける磯の岩盤だ。
慶長〜元和期には節理をみながら矢穴で切り、近世後期ごろからはノミで溝を掘って矢ではぎ取る技法に変わったようだ。
鉱石を砕く叩き石には玄武岩質の真っ黒の石が使われている。円礫で沢や海岸で拾って来たものか。
春日崎では凝灰岩の溝切り丁場も残っている。
島にある多様な岩石を調べつくし、道具に応じて使い分けたのだろう。
鉱山には石にまつわる知恵と技術が結晶している。