歴史遺産学科

歴史/考古/民俗・人類
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2011-10-16

紅葉真っ盛りの六十里越街道


 土、日曜日、考古学ゼミ3〜4年生9名と六十里越街道の測量調査に行って来た。1泊2日の短期決戦だ。

 土曜日朝8:30大学を出発。金曜日に続いて月山路を走る。朝から雨がざあざあ降ってきて・・・・9:40西川町弓張平公園に到着。雨の中での調査は慣れたもの。ブルーシートとトラロープを持って準備OK。

 早速4班に分かれて調査開始。弓張茶屋平板チームと石畳Aチーム、石畳Bチーム、石畳平板チーム。午後から雨が上がり、紅葉真っ盛りの落ち葉を掻き分けながら実測は進む。夏に石室の実測でいやほど石を描いた後では、簡単なもの、といわんばかりに実測のスピードは上がる。予想外の進捗。

 江戸時代の絵図にも描かれた弓張茶屋跡。溝で区画された平坦面があり、地表に礎石らしき石材が数個露出している。土中にピンポールを刺しながらその位置を探っていくと、180?間隔で綺麗に並んでいる。桁行(6尺)7間、梁間(8尺)2間に1間の庇がつく礎石建物だ。道路を挟んだ向かい側には石積みがあり、ここにも平坦面がある。茶屋中心部の遺構の残りはよいが、周辺が未調査のまま公園造成で失われてしまったのは惜しい。

 コテージが建ち並ぶ公園の一角から、沢に下りていくと角材4本を渡しただけの木橋がある。ここを渡ると湯殿山碑があり、坂を登っていくと大きく道が右にカーブする。石畳Aチームの実測場所。自然石のみを敷き並べる。両側に大きめの石を置いて縁を決め、内部を中小の位置で埋める。目地には粘土が張られ、石が動かないようになっている。
 さらに300m坂を登ると、Bチームの実測場所につく。ここは、割り面を表に向けた大型の敷き石を並べる。石垣石のように矢穴列があり、ノミ加工している。
 このように石畳は場所によって施工方法が異なっている。時期差なのか、割普請によるものなのか興味深い。
 
 夕方、あたりが暗くなって調査終了。月山湖から大井沢を抜けて大江町へ入る。峠のトンネルを越えるとそこは柳川温泉。暗闇でなかなかスリルのある道だった。

 学生たちにとっては、夕食準備も慣れたもの。図面チェックをしているとご飯ですよ!の声。久しぶりに腹いっぱい食った。夏の調査でみんな胃袋が大きくなっているのがよくわかる。いったい何合炊いたの?町教委から地ビールの差し入れ、ありがとうございました。

 朝食も、夕食に負けずおとらずよく食べた。高畠でもらった元気米。オリンピック選手らが食べた「集中力が高まる」お米である。戸塚山のときも不思議と効いた気がする。
 
 日曜日は天気がよく紅葉がひときわ綺麗だった。予定した調査が終わり、夕方5時、一本締めて現場を後にする。

 宿といい、現場といいカメムシが大量発生していた。今年も雪は多そうだ。 

 ひと夏過ぎて、学生たちは確実に変わった。
 自分の役割を理解し、人のこと、チームのことを考えて動くようになった。
 現場は人を育てる。充実した二日間、疲れはあるがすがすがしい。

 もうひとつ変わったこと。カメラ目線の笑顔(*^。^*)








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