この石垣と対面するのは4度目になる。震災で大きな被害を受けた白河の小峰城。近世以降、かつて誰も経験したことのない未曾有の石垣崩壊が眼前にある。市ではこれから長い復旧事業にとりくむため、その準備を進めている。
どんな被害があったのか。なぜ、崩れたのか、崩れなかったのか。現状把握と原因の究明からスタートする。
今回の「文化財の修復」は我々に様々な問題を問いかける。スピード感も大切だが、関係者とともに粘り強く議論を続けたい。
国の3次補正予算が通り、これから調査、工事が本格化する。人間は自然とどう向き合うのか。この姿をしっかり目に焼き付けておきたい。
白河の市街地を流れる谷津田川の流域には米を搗く水車が多数存在した。この河川は度重なる水害対策のため近年改修されたが、その際に発掘された遺構(石臼・水路)の一部が復元され、展示されていた。
河川改修では河床を掘り下げ、流量を確保しつつ、護岸には風景になじむ割り石が積まれている。流れの中に置かれた飛び石や堰も白河石だ。味気ないコンクリの三方張りよりははるかにいい。復元された水車小屋はふと町の歴史を思い起こさせる。
白河藩墓所。
藩祖丹羽長重廟や松平結城家などの墓所がある。震災で灯篭や墓石が多数倒壊し、修理が進められている。白河石で作られた石造物はどれもすばらしい。ここは山形同様、譜代や親藩の大名が次から次と入れ替わり、共通する大名もいる。