歴史遺産学科

歴史/考古/民俗・人類
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2011-12-10

雪の高畠町を歩く−第7回まちあるき


 早朝に降った雪であたりはうっすら雪化粧。空気はひんやりとし、足元は冷たかったが、時折日が差す比較的穏やかな日となった。

 今回は、10月のまちあるきが高畠石利用の本丸にさしかかり、各班とも未完となったため、その延長戦として実施した。1年生4名のほか美術科2年生など、6名の学生が初参加した。ベテランの3・4年生も加え、大学からは11名、石の会、教委から4名、あわせて15名が参加した。

 今回訪ねたのはかつて大地主だった旧家があるエリアである。それぞれ山をもち、多くの石工がそこで働いた。石工の多くは農地解放後、農業の傍ら石切り作業にも従事し、地域の近代化に貢献するとともに、自立していった。石切り、酪農、養蚕、果樹・・・。聞き取りで見えてくるのは高畠の近代産業の歴史そのものだった。

 そんな生々しい日本の近代化の歴史を住民の声から、民家の建築(母屋・蔵・牛舎など)や石製品から、大切にしまってあるアルバムの古写真から、地域の人々とともに辿る時間は、机上のどんな勉強にも代えがたい。

 6月から歩き始めたこのプロジェクトは地元の方々の全面的な協力のおかげで7回を数えた。6月、初夏の日差しを浴び、7月、8月炎天下の中をもくもくと歩いた。月1回のペースを守り、気が付くと雪の季節となっていた。地域の人々の協力を得ながら、亀の歩みではあるが、立ち止まらずゆっくり前へ進んでいきたい。



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