早朝からLさん家の穴窯の実測をした。
窯の中は真っ暗。煙道からわずかに光が差し込む。天井は高いところで70?しかないので這いつくばって作業するしかない。
マスクをし、懐中電灯を1個持って2人1時間30分ほどかかりなんとか測り終えた。でてくると衣服や鼻の中は真っ黒、マスクは気休めに過ぎなかった。測り終えるのを待つかのように窯詰めが始まった。Lさんの兄のSさん家族総出で作業にあたる。しばらく見ていたが、こちらのスタッフも全員加勢してバケツリレー方式で一気に製品を詰めた。
窯の中は、Sさんと長女が積み上げ、弟の娘が手元として二人に製品を渡す。ほんとに子供たちも無駄のない動きで仕事を熟知しているようにみえる。
この窯はハイが300個ほど入るもので3基の中では小型の部類だ。Iさんの窯は370個入るという。
驚いたのは、連日窯を焚いているのに、床面に湿気があることだ。特に奥壁際の床面と側壁基部は明らかにぬれている。窯づめの際にはここにトタンを置いて製品を積んだ。
古代の須恵器でも、地下式窖窯の湿気対策が施されたり、焼き台が必要な理由がよくわかる。
午後からは窯焚きが始まった。
いまは注文によって赤焼きと黒焼き(還元雰囲気焼き締め)を焼き分けているそうだ。Sさんは赤焼きの場合は薪100本、タイヤ5〜6本。黒焼きの場合は薪200本、タイやは使わないという。今日明日の焼成は後者だ。
私とTさん二人はLさんの宅地兼工房の敷地の平板測量をした。Lさんも興味深かそうに伝ってくれた。