歴史遺産学科

歴史/考古/民俗・人類
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2012-02-10

旅行余話

 「早起きは三文の徳」ということわざがある。「徳」は「得」に通じる。

 もう10年あまり前の話だが、石垣研究が面白くなってきたころ、月1ペースで出張する金沢で、決まって朝6時から2時間ほど金沢城の石垣を見て歩いていた。その後も城のある町に泊まると早起きして石垣を見ることにしている。おかげで、朝のすがすがしい空気と石垣はいつもセットで結びついている。

 先週末から3年生の研修旅行で九州に行ってきた。今回、見学先やルート・宿は学生たちが決めた。こっちからは口出ししないように努めていたが、どこかで私の思いを感じ取ってくれたのか、たくさんの城が見学コースに含まれていた。が、しかしである。
 九州は城石垣のメッカ。血が騒ぐのだ・・・・・・山間部を走ると棚田や護岸の石積みが目に飛び込んでくる。「石を積む」ことが生きている世界が垣間見える。
 
 というわけで、いてもたってもいられず朝駆けして宿近くの城をいくつか見て回った。この季節、石垣面の葉っぱが落ちて観察には最高のタイミング。
 「夜討ち」は横穴式石室墳の調査。ここは、もう20年近く前、北部九州の石室墳を「夜討ち」して歩いた思い出の場所。

 夜討ち、朝駆け。こんな時は朝も夜も不思議に眠くはないのである。

 唐津城や熊本城、岡城、古代山城の大野城百間石垣、元寇防塁は学生のレポートにまかせ、まずは早朝の城歩きを紹介したい。


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