村では20種類あまりのお米が栽培されている。うるちだけでもさまざまな形、硬さ、食味がある。遺伝子の多様性を保持したリスク分散の戦略を目の当たりにした。
日本でも前近代には地域で多様な品種を栽培していたことが知られる。「種子札」という種籾管理を示す木簡はそれが古代までさかのぼることを明らかにした。消えた品種はどれほどあったのか。生産性と食味を過剰に追求したしっぺ返しはこれからくるだろう。