8月8日・9日に、歴史遺産学科・東北文化研究センター主催の「高校生のための地域学ゼミナールin肘折 火の民俗と文化」が大蔵村肘折温泉のつたや肘折ホテルを会場に開催されました。
山形県・宮城県から10名の高校生、4名の高校の先生方、3名の保護者・一般の方が参加され、芸工大教員、学生も合わせて総勢28名が参加しました。
8日の昼間は、赤坂憲雄先生がイントロダクションとして、宮崎アニメにみる火の問題についてお話ししました。やはり世代は違っても、結構高校生のみなさんは宮崎さんのアニメを見ているので興味深そうに聞いていました。
その後は、六車と東北文化研究センターのイー・ヘヨン先生とで、日本と韓国との火の民俗についてお話しました。予想以上に、日本と韓国の民俗が類似していることに、私自身も改めて驚かされました。たとえば、小正月におこなわれるオサイトウや火振りなどは、ほとんど同じものが韓国でも行われているんですよ。
夜は、肘折ホテルの柿崎さんにご案内いただきながら、夜の温泉街を灯す「ひじおりの灯」の見学。帰ってきてからは、「牛房野のカノカブ」という学生たちが7年前に制作した焼畑の映画を上映。社会では習ったことがあるけれど、はじめて焼畑を見た!という高校生がほとんどで、その作業の大変さとおいしそうなカブに、映像に釘付け?になっていました。
夜は、高校の先生方と、「ほんと」の夜語り。現在の教育事情についていろいろと考えさせられることがあります。
翌9日は、森繁哉先生に案内していただいて、肘折温泉周辺の民俗ツアーを行いました。肘折温泉全体を見渡すことができる高台からは、ここがカルデラ跡であることが本当によくわかりました。草木に埋もれた銅の鉱山跡も、日本の近代史を象徴するようでとても興味深いものでした。
というわけで、まだまだいろいろおもしろいことがありましたが、1泊2日のゼミナールは無事に終了しました。高校生や高校の先生方と、こんな身近にお話する機会はなかなかないので、私たちも勉強になりましたし、何よりも楽しかった。
今回の参加者のなかで、地域文化や民俗文化に少しでも興味をもってくれる生徒さんが増えれば、とてもうれしいですね。
この企画はとても好評だったので、また来年も開きたい!と個人的には思っています。 MUGU