今日もたくさんの人たちと「石」談議に花が咲いた。
ここでは「石」といえば、いわずもがな高畠石だ。
かつて石を切っていた職人たちはみな80歳前後。出稼ぎと夏場の石切りの苦しい二重生活を語りながらも、その表情には腕一本で角石を切り出した自負がにじみ出る。
ある美容院の奥さんは改築にあたり、石が好きなので外装に古材を再生して利用した。
サイロのある荒れた土地を買って、これを保存しつつ周辺環境を整備しようとしている人もいる。
新築に際し、全く石を使わない家がある一方で、上記のように地元の石を愛し、これを持続的に利用しつづける人が大勢いたことが、二井宿街道のこの独特の景観を形成してきた。
生活環境が変化し、不要になった石製品に別の機能を付与し、再利用する。石臼や火鉢(ロブチ)、手水鉢、ナツカワなど。庭に見ることが多い。住宅の基礎石は改築すると宅地や庭の境界石・土留め石に早変わり。端材は材木置場の土台にしたり、敷地の傍示にする。余ったら集積し、次なる需要に備える。
気障にいうと「再生の美学」とでも言いたくなるが、住民にとってそれはあまりにも当たり前のことなのだ。
金原や駄子町ではクマ・サルの被害があいつぐ。
サルの群れが旧家の大棟に乗って遊んでいて破風を落下させたという話は笑えない。