歴史遺産学科

歴史/考古/民俗・人類
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2012-10-16

石とお酒と石塀と


こんにちわ、あべちゃんです。
考古学分野、記念すべき500番目のブログです!
500番目をまちあるきで飾れる喜び!思わずパソコンの前で奇声をあげてしまいました。先生奪ってしまってごめんなさい!

さてさて、10月のまちあるき。ついに目標であった某酒造までたどり着きました。

前回のまちあるきのブログで紹介した、水のタンク、工場内の麹室をはじめ、たくさんの高畠石と出会うことができました。板塀の支え、水受け、中にはお化けのような灯篭の傘も!ふと目を上げると、煙突の熱から壁を守るカバーも高畠石でした。古いものは100年以上前にさかのぼるものもあり、酒蔵の長い歴史を高畠石もひっそり見守ってきたようです。

11代目の会長のご厚意で、工場の中も見学させていただきました。仕込などをする蔵の入り口、廊下の境界、タンクを置くための台石、など内部でも多くのところに高畠石が使われていました。台石は転用ではなく、台石として使うために持ってきたそうです。これらは、石の産地ならではの姿なのかもしれません。

石でできた麹室の中は板張りになっており、天井には空気穴が2つ。こちらのような麹室はなかなか珍しいそうです。外観も黄色と白のコントラストが非常に綺麗でした。

こちらの酒造のお抱えの石工さんはご近所に住んでいたOさんのお家。水のタンクや麹室などを手掛けた方はJさんといい、会長も幼いころ遊んでもらったことがあるとか。

Oさんに話をお聞きすると、Oさんの家では古くから専業で石切りの仕事をしていて、昭和の初めころまで二井宿の石切り場を使っていたそうです。ソリにつけて遠くまで運んでいくこともあったとか。酒蔵の中で見つけた、比較的古い建物の基礎石、瓜割や沢福等とも違う白い大きなサイズでとられた石は、二井宿石なのでしょうか。Oさんは板が入っている素敵な石塀のこともよくご存じで、これは道路の拡張前、6尺以上もあったそうです。なにを隠そう、この石塀を手掛けたのもOさんのお家なのです。

まちを歩いていると、思わぬところで繋がりが見えてきます。最後にはまちの方と道端で井戸端会議ならぬ石塀会議が始まりました。石の由来、また、それを巡る関係が見えてくると、より一層その石が特別に見えてきます。

次回のまちあるきは11月18日。初めての方でも大歓迎です。二井宿の丁場にも行ってみなければなりませんね。

以上、あべちゃんがお送りしました。






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