戸塚山の現場は14日も二人の卒業生が訪ねてくれた。のどを潤す差し入れを持参して・・・もくもくと働く後輩たちを見守る温かい目が印象的だった。それぞれのあつい夏を思い出したことだろう。
夜中に群馬の高崎に降り立った。駅前の温度計29℃、予想通り暑い!
下仁田の畑は特産のネギの移植が終わり、こんにゃくいもが元気に葉を広げていた。
先ごろ日本がユネスコに世界遺産登録の推薦書を提出した「富岡製糸場と絹産業遺産群」。その構成資産の一つ「史跡・荒船風穴」にやってきた。
上信国境の内山峠近くにあるこの遺跡。外気温は30℃超と真夏だが、風穴はひんやり。涼を求めて観光客がたくさんきている。
来るたびに少しずつ整備が進む。蚕種(種紙)を貯蔵した上屋はもうないが、在りし日の古写真を印刷した透明のアクリル板。文字情報が多い解説版より安価で環境になじむ。
真夏でも風穴上部で24℃、中に下りるとひんやり。1.6℃。石積みの内部はー1.1℃。石の隙間には氷がきらきらひかる。数字ではなく、理屈抜きで冷風を体感できるところがいい。
明治末~大正期、年間一定の冷温を保つ風穴に隣接して3つの石室を造り、上部に小屋掛けした。石積みは裏込めを持つ本格的なものだが、冷気を室内に取り込むため背面構造に工夫が凝らされている。全国から受託した蚕種を貯蔵管理、適宜出荷して絹糸の生産量の向上に寄与した。
山形県とのかかわりも深い。庄内藩士族の授産施設として造られた鶴岡市「松ヶ岡開墾場」。男はこの下仁田で養蚕を学び、女は富岡製糸場で製糸を学んで帰った。
この秋にイコモスの調査が入る。周辺整備に多々課題を残すが、自然を利用する生業の知恵が生み出したこの傑作は大方の共感をよぶことだろう。
風穴のあとに、日本最初の洋式牧場として明治20年に設立された「神津牧場」にいった。北海道の広大な牧場と違って、谷が入り組む自然地形をそのまま利用した環境に優しい牧場だ。牛は牧草地を移動しながら放牧されているため、どこにいるのかわからない。道路には変な看板が・・・・牛の行列が通る時間が表示されていた。創業以来一貫して濃厚なミルクや黄金バターができるジャージー種のみを飼育しているという。
ソフトクリームが有名だ。
世界遺産に登録されようとしている史跡がひっそりとあるのと対照的に、こちらは元気な親子連れでにぎわっていた。http://www.kouzubokujyo.or.jp/