歴史遺産学科

歴史/考古/民俗・人類
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2008-12-29

夜討ち朝駆け


朝5時20分、黄色のポロシャツ(月曜日は王様の誕生色―黄色を着る日)を着て宿を出た。外はまだ真っ暗。6時に村につくと、ようやく空が白んできた。
長い一日のはじまりだった。

ポター(土器つくりの女性)の朝は早い。着くなり、4人がアシスタントとともに村に散った。Nさんの家をたずねると待ってましたとばかりに粘土を踏み出す(一晩水浸けした生粘土にシャモットを混ぜる)。
それから、夕方6時過ぎまで、一人のポターに一日つきっ切りだった。ポターが休憩したのはわずか20分ほど。こっちはその間も道具の実測があるので忙しい。いいとこ見せようと張り切ってくれているのかもしれないが、重労働である。とはいえ、通りかかった人と大声で話しながら愉しそうに仕事をする。正月でバンコクから帰ってきた息子たちと話をしたり、時折現われては奥さんの仕事の手伝いをしていく夫と会話する。こっちもつられて暑いなか一滴の水も飲まず、トイレに行くのも忘れていた。朝ごはんと昼ごはんはタイ式の弁当を買ってもらい、5分たらずで食べ干した。おやつはだんなさんが差し入れてくれたマンゴーとみかん(家の前を通ったみかん売りをつかまえて水甕1個と3kgのみかんを交換)。

奥さんは20個の土器を素地作りから高台付けまで一日でやってしまう。熱帯モンスーンのタイならではだ。
朝から晩まで4器種20点の土器づくりをじっくり観察、記録した。昨日までの生業調査もスリリングだったが、やはり本命の土器作りには嬉々としてしまうわが性(さが)を改めて顧みることができた。

明日は土器調理の調査だ。そして明後日からはラオスへ。
またどんな出会いがあるのかわくわくしてしまう。

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