今日の考古学基礎演習(1年生)では、大江町からあおそ復活夢見隊の村上弘子さんと木村勝子さんをお招きして、復活した伝統の青苧糸作りを体験しました。授業で「あおそ(からむし)」「あかそ」「かなむぐら」などの植物から、古代の糸作りに挑戦しているグループが菊地和博先生に相談に行ったのがきっかけで、今日の企画が実現しました。
菊地先生によるアオソ栽培や上布(高級麻織物)に関するミニ講義のあと、大江町でのアオソ復活の活動を紹介したビデオをみました(とても若作りの「菊地先生に良く似た人」が解説している某テレビ局取材の番組)。
そして、いよいよ苧績みの体験です。苧引き(茎皮から繊維をとる)して乾燥した繊維の束から細く取り分けた糸を丁寧に繋ぎ、紡錘車で撚りをかけていきます。手取り、足取りの指導で糸作りの苦労を実感した様子でした。
今日は、美術科工芸コース(テキスタイル)の学生20人が辻・山崎両先生とともに参加しました。アートを志す学生にとっても、自然素材や伝統のワザを学ぶことは、ものづくりの本質として欠かせないことだそうです。研究テーマやプロセス、表現手法は異なりますが、伝統を見つめる学生たちの眼差しには共通したものを感じてました。
飛鳥時代の窯跡から出土した古代の瓦には布目の圧痕が一面についています。工芸の学生たちは細かい織り目に驚いていました。古代の布そのものが出土することはほとんどありませんが、このような遺物を通して古代の紡織技術を知ることができます。