歴史遺産学科

歴史/考古/民俗・人類
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2010-08-09

出会い、そして同じ釜の飯をたべること。


調査は中盤戦に突入。朝8時30分ボクシーに荷物満載で大学を出発。
すでに山形から電車でかけつけた先発組と、福島・郡山から車できた福島大勢が駐車場で待っていた。

今日から4泊5日で調査に集中する。芸工大は2〜4年生12名、福島大は3〜院2年7名、合わせて19名。これまでも東北大や山形大、専修大など他大学の学生が加わって調査をしたことはあったが、これだけの人数で合同調査するのは初めての経験だ。不安がないわけではなかったが、それよりも出会いを通して生まれる「何か」への期待のほうが大きかった。

初対面同士の学生たちが簡単なミーティングを済ませてそれぞれの現場に分かれた。駐車場から群集墳の中を5分ほど歩くと106号墳につく。さらに10分ほど歩き、山を登ると中腹に176号墳がある。登り口は急で、手すり用のロープを伝って山道をいく。途中の湿地にはオオウバユリ、カナムグラ、ドクダミなどが群生し、ハグロトンボが乱舞する。

先週と違って湿気が弱まった。暑さは相変わらずだが、106号墳では蚊が少しだけ減った。そのかわりブヨが大量発生した。南斜面にある176号は木が少なく日照がきつい。

106号墳は芸工大4年の高橋里江が主任、石室実測3名、平板測量7名。176号墳は福島大院2年の大栗行貴が主任、石室実測2名、平板7名。両大学の学生が入り混じって班を組んだ。
3人ひと組で行う平板測量は、コミニュケーションと意思疎通が肝要となる。しばらく作業の様子をながめてみる・・・・。私の心配はまったくの杞憂だった。
平板の立て方、スタッフの扱い方ひとつとっても両大生が習った方法が違う。

発掘現場のスキルには原理原則はあるが、大事なことは多様な現場環境や遺跡の内容、緊急度などに応じて臨機応変に対応できることである。随所で想像力とアイデアが要請される。マニュアル人間でいては、したたかな遺跡にほんろうされるだけだ。
遺跡調査のスキルを習得するにはたくさんの現場を経験することと、そのことを通してたくさんの人と出会うのがいい。

昼食はおばちゃんたちがまっててくれる赤鬼へ。
役場の人たちが「また来たね」と声をかけ、会釈してくれる。写真立てに入った毎年の記念写真はもう置き場がないくらいたまった。寄せ書きのTシャツも額に入れて飾ってある。考古ゼミ生の思い出の場所のひとつだ。

満腹感いっぱいで午後の作業にいざ!

夕方、1日の作業を終えて、宿舎となるゆうきの里・民俗資料館へ。

食当の丹精込めた夕食を食べ終わると、班ごとに図面整理をし、一日の仕事を振り返る。そして、翌日の作業計画をたてる。それから「賜の湯」で一日の汗を流す。その間、日誌をつけ、洗濯をするのが一日の日課だ。この日は1週間でいちばんの星空だった。ここは有機農業のふるさと。まわりの田んぼにはホタルが飛ぶ。
この日は夜10:00ごろからヤノマミ劇場版をみた。長いので後半は翌日。

福島大の考古学研究室も毎年福島県内で合宿し、古墳の調査をしている。宿舎での過ごし方は、細かい違いはあれ、お互いに慣れている。初対面の学生たちに、最初から壁はほとんどないようにみえた。


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