仙台城では市教委によって清水門前にあった造酒屋敷の発掘調査(第3次)が行われている。
「土砂降り」の中、調査指導委員会の先生方とともに見学させてもらった。
政宗がわざわざ大和から酒作りの名人を連れてきて、御用酒蔵を置いた場所である。清水門の名のとおり、ここからいい水が出たからだろうか。
それにしても城の中に酒蔵をおくとは、それも大手道にあたる登城路の脇だ。さぞ、酒の匂いがぷんぷんしたことだろう。政宗時代は庭園空間(東の丸)に隣接しており、ここから酒を調達して一献やりながら風流を楽しんだのかもしれない。政宗没後は二ノ丸に本拠が移るが、そのときには東の丸(三ノ丸)には米蔵が置かれたので、酒米の調達に便利だったろう。
発掘では昨年に続いて酒作り関係の建物跡や遺物がでており、現在年代や遺構の性格など詳細な検討が行われている。