2日目最初の見学はマタギ資料館。これは1日目の宿泊先である打当温泉マタギの湯のなかにあり、動物のはく製やマタギと呼ばれる人たちが猟で使用していた道具などが展示されています。
ここでは狩猟文化や野生動物の保護管理について研究されている田口先生に展示物やマタギについて解説していただきました。
見学終了後、マタギ資料館近くにあるクマ牧場に向かいました。
クマ牧場ではクマに餌をやることができます。餌を持った学生たちを見かけると立ち上がって餌をおねだりする姿が見れました。その姿はとても可愛らしく学生たちも始終笑顔を浮かべていました。
しかし、いくら飼育されていると言ってもやはり彼らはクマでした。学生が投げ入れた餌を唸り声をあげながら取り合う姿は迫力があり、野生のクマとばったり遭遇したくないなと改めて思いました。
クマ牧場見学終了後、根子集落に向かいます。
集落の入り口にある根子番楽の石碑前で過疎化と伝統芸能の存続について田口先生から説明がありました。
芸能は人の暮らしのなかから生まれ、受け継がれてきました。そのため、人がいなくなると芸能も消えてしまいます。根子番楽の場合、集落に若者が少なくなったため他地域から人を呼び、番楽を続けているそうです。
先生の話を聞き、これからの時代を担っていく学生たちはどのような考えを持ち、思いを抱いたのでしょうか。
最後に集落を背に集合写真をとり、次の見学地である伊勢堂岱遺跡に向かいました。
伊勢堂岱遺跡では北秋田市教育委員会の方に解説をしていただきつつ、遺跡内を見学させていただきました。
この遺跡は大館能代空港へのアクセス道路建設中に発見され、その重要性から保存されることになったそうです。環状列石(ストーンサークル)や様々な祭祀遺物が出土し、大規模な祭祀の場であったとされています。
この遺跡では発見された環状列石の一部を出土されたままの状態で残しているそうです。しかし、露出して展示すると雨風・雪などによって石が劣化してしまいます。劣化を防ぎ、石を保存していくことがこれからの課題ということでした。
伊勢堂岱遺跡を見学した後は、胡桃館遺跡収蔵庫を見学させていただきました。
胡桃館遺跡は野球グラウンド整備中に発見された平安時代の遺跡で、十和田火山の噴火によって埋没した建物がそのままの状態で出土したそうです。遺跡の出土品は国の重要文化財に指定されています。
収蔵庫は学術的な見学以外には開放していないそうです。そんな貴重な機会に、学生たちは熱心に観察しながら解説してくださった教育委員会の方に質問をしていました。
胡桃館遺跡収蔵庫の見学終了後は、伊勢堂岱遺跡・胡桃館遺跡の出土品などを展示している北秋田市文化会館の資料展示室を見学させていただきました。
この展示室には土器や土偶など様々な出土品が展示されています。学生たちには動物形土製品や土偶などが人気のようで、展示物を興味深げに観察し、撮影(許可はいただいています)していました。
資料展示室の見学で研修旅行2日目は終了。暑さと長旅で少し疲れたのか、この日の宿泊先がある秋田市へと向かっている途中、みんなぐっすりと眠りについていました。
―つづく―