あれから、もうだいぶ時間がたった。
昨年の暮れにチュートリをあげて大きな土器をたくさん作った。
6月25日公開、浅丘ルリ子主演の映画「デンデラ」の撮影に使う小道具だった。デンデラは山形では庄内映画村ロケ作ということで結構注目されている。草笛光子、倍賞美津子、山本陽子、山口果林ら、女優陣もそうそうたるメンバーだ。『楢山節考』の今村昌平の息子(天願大介)さんが撮っているのと、そのストーリーから「姥捨て山のその後」とも言われる。
http://www.youtube.com/watch?v=59JTgQxK1bk
ちなみに、デンデラのポスターはババアたちの「目力(めぢから)」ゆえ、書店での万引き防止ポスターに採用されている。
原作は佐藤友哉の同名小説で、当時学生たちとみんなで回し読みした。
今日、ようやく映画を見てきた。
スクリーンの大画面に土器が大写しになるたび、あれは誰の作だっけ?と思い出しながらみてしまった。
原作では鍋やお椀は土器ではないが、映画ではふんだんに使われている。学生たちの作る土器をみて当初映画のコンセプトに合うのか不安だったが、スクリーンに映るその姿はなかなかいい味を出していた。手前味噌かもしれないが、夜の村に松明が燃えるシーンは特によかった。あの受皿(火床)の土器はみな学生たちの作だ。
エンドロールに土器を作った学生10人の名前が誇らしく刻まれていた。お世話になった助監督さん、スタッフのみなさんありがとうございました。