歴史遺産学科

歴史/考古/民俗・人類
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2012-04-15

S村の土器作り


7;20にホテルを出る。今日はC村と同じO族のS村。
8:00セーコン川の渡しに着いた。丸木船に乗って対岸に渡る。
ここもモン・クメール系族に広がる「Cタイプ」伸ばし技法の土器作り。C村と違うのは底部を押し出してから叩くことだ。粘土を積みたすことはない。
この村は事情があって今日のみ。なんとしても野焼きを見たいとのことでその開始を待った。風が吹いていてこのままじゃ焼けないという。
夕方5時、陽が山の端に沈もうとする時ふと周りの山をみるとあちこちの斜面に火が灯る。山焼きの季節らしい。日が沈むにつれてその明るさが増す。生命再生の火がここでは息づいている。森を焼くと大変と思うが、立木を残し、下草をうまく焼くのだ。
ぎりぎりまで待っていたら、夜6;00あたりが暗くなったころ、いまからやるという。延焼を防ぐため、周りの刈り残しの株をいっせいに引きぬく。まだ風があり一気に火が回った。
 電気のない村は夜7:00、あたりは真っ暗だ。ここには道はない。田んぼの中や歩いた畔が道となる。とても我々では船着き場まで40分の道のりを帰れない。村人に先導されて真っ暗の田を歩き、山の中を歩いて船着き場を目指した。幻想的な空間と時間だった。
 
 いまでも耳に残る。暗闇の中、1列にあるく我々の周りから聞こえてくるのは、コロン♪コロン♪と軽やかな音を立てるカウベルの音だけ。我々には見えないが、水牛たちが田のあちこちにいるのだ。

 足もとの悪い森を抜けるとようやく船着き場に着いた。もちろん船はいない。夜の船は危険なので夕方6:00までと聞いていた。今日はここで夜を明かすのかと不安になる。しかし、スタッフがあらかじめ船頭さんの携帯電話の番号を聞いておいてくれたのだ。しばらくして懐中電灯を光らせた船がこちらにやってきた。ほっとした。が、真っ暗の船はやはりちょっとこわかった。









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