こんにちは!
だいぶ涼しくなってきましたね。
皆様、この夏はどのようにお過ごしでしょうか?
夏休み中の歴史遺産研究室はとても静か。
なぜなら夏はフィールドに出ていく季節です!
4年生は就職や進学の準備をしながらも、卒論を深める良い機会。
1~3年生は選択した分野ごとに様々な場所に出向きます。
そんな夏の学生の様子を覗いてきました!
というわけで、お盆明けのフィールドワークの様子をお伝えします。
2年生は発掘調査のため高畠へ行きました。
~1日目~
なんと景色を撮り忘れましたが、赤湯の13号沿いを少し登ったところから見ることができます。
その後は高畠洞窟めぐり。
田園地帯に入り、車を停め、山を少し登ると洞窟があります。
誰が作ったのでしょう。
いつから・・・なぜここに・・・
おもしろいですね。
おかげでなかなか奥に入れず・・・しばらく観察しました。
ここでも洞窟の写真を撮り忘れる失態。
高畠には3つの洞窟があるそう。 そのうち2種類の洞窟をじっくり堪能したあと、うきたむ資料館へ向かいました。
展示品の縄文の女神(レプリカ)を出してもらい、手に持って観察。本物と重さが一緒です。
みんな我が子のように抱いております。
写真はNGでしたが、この後資料館の裏側で貴重な遺物を見せていただけることになりました。
学生も先生も大興奮の時間でした^^
その後みんなで夕ご飯の買い出しへ。
泊りがけのフィールドワークでは学生が協力しあって料理をします。
こういうとき、日頃料理しているかどうかがばれます。
この夜のチームはなかなか手際が良い!てきぱき動いております。
みんなよく食べてて良いな~
美味しいカレーをいただいて、しばし談笑しながら楽しい夜を過ごしました。
~2日目~
なかなか良い光景ですね。
講義のあとは外に出て道具の使い方を学びました。
残念ながら写真はここまで・・・
この後私は大学へ帰宅。。
最後まで見ることができず残念でしたが、度重なるアクシデントを学生に励まされながら、素敵な時間を過ごさせていただきました。 いろいろ頑張ります!
3日目はついに発掘体験。 そして花火とスイカ割りをしたという噂も・・・
このときの記事は学生にお願いしようかな?
副手
8月10日に南陽市の大野平遺跡にて長井先生と二、三年生で竪穴住居の復元を行いました。大野平遺跡とは主に縄文時代早期から中期に営まれた集落跡で、東北南部における縄文時代前半の様相を明らかにするうえで貴重な遺跡とされています。
この竪穴住居の復元は南陽市の教育委員会とタッグを組んで行われたもので、より多くの人にこの遺跡を知ってもらうために始まったプロジェクトです。遺跡の知名度の促進とともに芸工大としては当時の道具を使用した竪穴住居の復元を目的にプロジェクトを行いました。それに伴って製作した道具が下の写真です。
石器時代のヨーロッパで使用されていたシカの角のツルハシや木の鋤などの堀具を製作しました。特に石器の一つである石斧の製作には最も重点を置きました。石斧は地面を掘るための道具として考えられている石器で、今回の機会を利用して、授業で行った実験考古学の応用として、石斧で地面を掘ったときの使用した痕跡を調べることを目的の一つにしました。これらを使って地面を掘り、竪穴住居の復元を行います。
まず、現地に到着してすぐに私たちは竪穴住居の柱に使う木の皮を、石器を使って剥ぎました。
昔の人はこのような掻器と呼ばれる石器を使って木の皮や動物の皮を剥いでいたようです。
実際に使ってみると意外と剥げるものです。
次に地面の掘削を行いました。地面を掘削する際、南陽市の教育委員会と私たちの掘る範囲を分け、教育委員会の方々にはスコップなどの現代の道具を使って掘っていただき、私たちは当時の道具を使って掘削しました。
製作した道具で地面を掘っている様子です。最初は探り探りやっていましたが、だんだんと道具の扱いにも、慣れて掘り方もさまになってきました。
地面の掘削が終了しました!写真を見ての通り、深く掘り下げることができ、約50cm程度掘ることができました。当時の道具でもしっかりと地面を掘ることができました。
掘削した後、竪穴住居の柱を入れる穴を作りました。深さは約70㎝でその穴に先ほど皮を剥いた木を差し込み、柱にします。
穴に柱を入れる作業は重量や形の違いがあるため、協力しても理想的な位置に建てることがなかなかできませんでしたが、やっとの思いで完成させました。
今回の作業はここまでで、残りは秋に行います。作業を振り返って思ったことは当時の道具を使ってここまで掘れるとは思っておらず、現代の道具にも負けていないと感じました。
秋の作業は建物の屋根となる部分の材料となる萱を刈る予定です。それに向けて萱刈りの道具を製作しています。完成は来年度を予定しています。
文・歴産2年 永井秀都
ご無沙汰してます、副手です!
さて、今回の授業紹介はまたもや2年生の考古学。
前半の授業では土器作りの様子をお伝えしましたが、後半では石器作りに取り組んでおります。
皆で軍手をはめ、鹿の角を器用に使いながら黒曜石を削っていきます。
なかなか繊細なお仕事。美しい形にするためには、熟練の技術が必要なようです・・・!
長井先生のお手本をじっくり観察!
隣では、砕いた際に飛び散った破片を分類しています。
こまかいです。
石器作りが上手な人、苦手な人。
飛び散る破片の大きさに違いはでるのか?
様々な条件を用意し、実験を行っているようです。
こちらでは升目をつくり、破片の飛び散る場所を図っています。
う~ん、なかなか見ているだけでは理解するのが難しい!
体験してみて初めて理解が深まります。
授業中にも関わらず質問してくる副手に、皆丁寧に答えてくれました。 ありがとう!
6月6日芸工大のグラウンドにてソフトボール大会が開かれました。
当日は雨が降っていたためか人数は少なめだったのですが、歴産の3年生が中心となって準備は進められました。
人数は少なめでしたが、先生方の参戦もあったためかテンションは高めでスタートしました。
グラウンドは濡れております。この上を走り回るという現実に恐れをいだきました。
始まって理解したこと。それは経験者の戦力が著しく高いということでした。
「野球をやっていましたが」なんて人間がバッターになると、守備側に戦慄がはしります。
特に参加した中で唯一の1年生男子の怖さと言ったら、山よりも高いものでした。
画像に見られるのは、北野先生、長井先生です。
上の画像にあるように考古の先生のお二人が参加してくださいました。
失礼ながら、さすがに経験者ほど恐れることもなかろう。という姿勢でかまえていました。
そうしてお二人に打たれた球はぶっ飛んで行きました。自分の認識の愚かさを再確認させられました。
また守備がいないような場所にも飛んでいきました。これは先生方からの一種のメッセージなのかもしれません。
楽しげな表情であり、カメラ目線でありながら守備の体制を崩さない長井先生の写真です。
先生方が楽しんでいる姿をみて、学生も自然にソフトボールを喜んでやるようになりました。
ソフトボールは2回やりましたが、結果はあまり気にせず楽しんでソフトボールをすることができました。
ソフトボールを通じてチーム内の人間のみならず、ソフトボールに参加している歴産の人間全員とスポーツを通じてコミュニケーションがとれたと思います。言語や生活習慣の違いを超えて、人間の相互理解のきっかけになるスポーツは世界共通である、とよくいいますがその理由の一端に触れ得たような気がしました。
普段運動をあまりしない人や、運動をする機会がない人にとっては、運動不足を楽しんで解消できる。実益と遊びをかねた素晴らしいソフトボールであったと思います。
終わった後には記念撮影をしました。そして先生方からオロナミンCをいただくことができ、元気になりました。
企画、準備をしてくださった3年生のみなさん、ありがとうございました。とても楽しかったです。
文・釣舟 佑
~考古学はモノの痕跡を読み、記録するところからはじまる学問である~
こんにちは、副手です。
今回は2年生の応用演習(考古分野)の様子をお伝えします。
この授業では、遺物を見極める力を養うことを目的とし、実験考古学の方法を体験的に学びます!
さて、前半は土器づくり。
ここは芸術大学・・・腕が試されます。
紋様付けにもいろいろと駆使します。
貝、植物、縄 etc…
そして
数日後・・・
出来上がりました!
(このあと窯に入れたのですが、写真を撮りそびれてしまいました・・・)
いよいよ次は屋外調理です。
芸工大には野焼き場があります。
授業やチュートリアルなどで使っています。
どんどん活用していきたいですね~ ※火の扱いには注意しましょう
複数の土器で米を炊き、火の通り具合をみます。
果たして味は・・・
固そうです・・・
そして、米以外にもいろいろと調理しています!
本当に色々作っています。
最後は実食!
私もちゃっかりいただいてきました!
ごちそうさま!
土器での調理、癖になりそうですね。
7月も調理実験の第2回があるようです。
おたのしみに~
5月30日・31日に芸術工科大学春のオープンキャンパスが行われました。歴史遺産学科ももちろん参加しております。春であることや多くの学科がひしめく場所であることが少し不安要素で、人がきてくれるのかなと思っていましたが歴史遺産学科ブースもなかなか盛況でした。
特に歴史遺産学科目玉の体験コーナーである「石器作り」は普段なかなか体験できるようなものでもないことからか非常ににぎわっておりました。遊びにきてくれた方々が夢中になって石器作りをしているのを眺めているとなんだかこちらがうれしくなってしまいます。
歴史遺産学科の先輩と触れ合えたこともいい経験ですね。
もちろん先生との交流も。
センターでは学科説明会が開かれており、歴史遺産学科の概要と生徒達の生の声を参加者達は聞くことができました。わたしたち歴史遺産学科の魅力が存分に伝わったのではないでしょうか。
また、先生方と直接お話ができる個人面談も開かれていたので、歴史遺産学科に興味がある参加者の方々にとっては進路を考える上で参考になったのではないでしょうか。
今回のオープンキャンパスでは、3年を中心とし、2年も合同で一丸となって動きました。1つになって動いたことで2・3年の距離もさらに縮まり、また、我々在校生も再度歴史遺産学科を知る機会になったと思います。それよりなにより歴史遺産学科のブースにたくさんの方々が遊びに来てくださったことが非常にうれしく思いました。中には、小学校6年生から毎回オープンキャンパスに参加してくれているという歴史遺産学科のプロがいることに驚きを隠せません。現在高校2年生だそうです。
この2日間学校全体は行き交う人が多く非常に賑わっておりました。こんな賑わいがいつまでも続く楽しい学校・学科でありたいものです。まるで人の海です。身長の差で波打っているかのようでした。もうすぐ夏ですね。草いきれが妙に懐かしい気分にさせる季節がやってきます。と、同時に体調を崩しやすい季節の変わり目です。体調管理には十分ご注意を。
文・佐藤 大夢
こんにちは、歴史遺産学科副手です。
すこし時間が空いてしまいましたが、今回は1年生の研修旅行の様子をお伝えします!
この授業は、歴史遺産学科に入学して初めてのフィールド体験となります。
今年は5/9・10の2日間、福島県を巡りました。
初日は会津若松、鶴ヶ城へ。
鶴ヶ城では地元のガイドの方に話をお聞きしました。みんな真剣にメモを取っています・・・
その後は、各自自由散策です。
外を覗くと・・・
北野先生を発見!
鶴ヶ城のてっぺんで学生を待ち伏せして記念撮影。
良い笑顔!
小学生の修学旅行で訪れたことのある学生も多数いましたが、昔とはまた見える景色が違うという声が聞こえてきました。
昼食後は福島県立博物館へ。
学芸員の方に館内バックヤードを案内していただきました。
様々な時代の遺物が残る中、震災関連の巨大な現物資料が目に入ります。
車の一部分や壊れた看板など、震災当時の生々しい状況がそのままに残っていました。
その後学芸員の方に質疑応答の時間をいただきました。
歴史遺産学科では学芸員を目指す学生も多いため、この出会いは貴重な機会となったのではないでしょうか!
企画展・常設展もしっかり見学。
時代ごと、分野ごと、絵画作品などもあり、各々が自分の興味あるものを見つけては語りあっていました。
この日は悪天候により、予定していた古墳には行けませんでしたが、余った時間で昔遊びの体験コーナーを満喫しました。
衣装を着せてもらっている女子学生たち。
玩具の体験コーナーでも盛り上がっています!
この機会に学生同士の距離も縮まり、良い時間を過ごせたようです。
夜は旅館についてのんびり~
と言いたいところですが、宴会場をお借りして授業を行いました。
レクレーションゲームで盛り上がった後、この日印象に残ったことについて意見を交換し合いました。
一日目を終えて、それぞれ自分なりの疑問点をみつけてきたようです。
2日目は、奥会津の昭和村へ。
昨日とはまた見える景色が違います。
どんどん山奥へ…
2日目のメインである、“からむし織の里”を訪れました。
「からむし」は苧麻とも呼ばれるイラクサ科の多年草で、布用の原材料として栽培されてきたそうです。
ここでも学芸員の方にレクチャーしていただきました。
織の体験をする学生も!
なかなか難しいようですが、貴重な機会となりましたね!
やわらかく、触り心地の良い素晴らしい織物が、たくさん展示・販売していました。
値段もさすが…というかんじですが、いつか手に入れたいですね~
数週間後には土壌を良くするために火入れを行い、今年の栽培が始まるそうです。
是非その時期にふたたび訪れたいですね。
ここで集合写真を一枚!
午後は、喜多方へ。
市の職員の方にご案内していただきました。
その後の自由散策では、古くからの蔵を利用した喫茶店にてひとやすみ。
帰りのバスはぐったりの様子・・・
みんなお疲れさま!
最終日となり一週間にわたる旧石器フェスティバルの余韻が消えぬまま、早朝に韓国を発ち、お昼過ぎには日本へ帰国しました。韓国に何か月もいたかの様にたくさんの事があり、たくさんの事を学び、一週間前に会ったとは思えないくらい親しみを感じる様な人達に出会う事の出来た最高の一週間でした。たとえ文化や言語が違えども考古学・遺跡に対する思いは世界共通であることを実感しました。離れていても同じ想いを持った人がいる、それはこれからの私たちの未来、そして考古学の未来への原動力になると確信しました。(菊池)
韓国に本当に一週間もいたのか疑うようなあっという間の時間でした。毎日が新しい発見の連続で様々なことを学びました。特に、日本と比べ「考古学」という学問についてとても認知されているということが衝撃的でした。ぎっしり並べられたブースに絶えず人が溢れかえる、という光景は中々日本では見られないと思います。そして、日本でもこのような祭りが開催されるようにどのようなことをすればいいのか考えさせられました。また、出会った人たちはどの人も親切でバイタリティに溢れていました。今回の韓国訪問を通して世界の人たちとの繋がりがどれほど素晴らしいものなのかを体感することができました。私たちのような若い者こそ、自分自身の足で世界を歩くことが大切だと感じます。(塚野)
最後にこの場をお借りして、今回招待してくださった諸先生方、移動や宿泊の際に親身に接していただいたスタッフの皆さん、祭りを一緒に盛り上げていただいた韓国スタッフの隊員さんと韓国の学生スタッフ、各国から招待された国際的なメンバーの皆さん、宿泊先の店員さんやレストランの店主さんに心より感謝を申し上げます。
それではみなさん、ここまで読んでくれて・・・カムサハムニダ!!!
最終日もたくさんの人がブースへ足を運んでくれました(上)
孤石亭での集合写真(バックには数十万年かけて自然の川が浸食した玄武岩台地を一望できます)(下)
六日目は旧石器フェスティバル最終日であり、韓国でも日本同様子どもの日であったため、沢山の人が来ました。一緒に体験ブースを担当して3日目、息の合った連携で終わりを迎える事が出来ました。今回、旧石器祭りを通じて感じたのは、言葉が通じなくてもチームとして一体になれる、ということです。韓国スタッフの隊員とは日本語が通じたため、意思疎通を取ることもさほど大変ではありませんでしたが、他の学生とはいっさい言葉が通じず、最初のころは苦労しました。しかし、ジェスチャーをすることで徐々に意思の疎通が取れ、祭りが終わる頃には冗談も交わせるような仲になりました。体験ブースが上手くいったのも彼らとチームとして一体になれたからだと思います。そして、その日の夜には裴基同教授に招かれ各国から招待された国際的なメンバーのメンバーとのパーティーが行われました。とても楽しいひとときを過ごし、最後は裴基同教授より考古学の未来を担う若者へ向けてメッセージをいただき、今年の旧石器祭りも大成功という形を迎えることができました。
今年の石器祭り日本ブーススタッフ
三日目からは漣川郡全谷里に会場を移して、国家史蹟全谷里遺跡公園で第23回・旧石器祭りが始まりました。まず全谷里遺跡公園に入って思った事は、とにかく広く、テントの数も多く、どれも凝ったものばかりでした。前回と同様、日本代表のブースでは黒曜石や山形県の頁岩、九州の安山岩等を使った石器づくりの体験を行いました。また日本への留学経験がある韓国の軍隊の隊員3人と、韓国のスタッフ2人が助っ人として参加してくれました。午前中はまだ息が合わず、上手くいかない時もありましたが、午後にはお互いに意思疎通がとれ始め、スムーズにブースを回すことが出来ました。新石器時代の押圧剥離といった他のブースにはない加工体験や、中国には無い黒曜石が珍しがられ、初日からたくさんの人がブースに来てくれました。色々と質問されましたが、やはり「この石はどこで採れるの?」や「これを使って何ができるの?」といったことが多かったです。また、夜にはオープニングセレモニーということで韓国を代表する多くのアーティストたちが歌や踊りを披露してくれました。
会場となった全谷里先史遺跡公園
体験に来てくれたこどもたちに石器作りを教える私たち二人(上は菊池:歴産3年、下は塚野:同4年)
韓国のアーティスト 韓国国内ではとても有名な人たちらしいです。
四日目の午前中はあいにくの雨模様でした。しかしこの機会を利用して、私たち学生も韓国のスタッフのみんなに石器についての詳しい説明や、石器づくりのレクチャーをする事が出来ました。みんなとても覚えるのが早くてびっくりしました。太陽が見え始めた午後からは人が増え、ブースは体験に来た人でごった返し・・・・・しかし韓国のスタッフのみんなが石器作りを覚えてくれたおかげで、急な体験者の増加にも慌てることなく対応することができました。また、この日からは昨日質問されたことをもとに押圧剥離のほかに、実際に作った石器で木の皮を剥いだり、肉を切ったりといった体験をしてもらいました。そして、長井先生による実演によって、直接打撃をやってみたいといった子どもたちも増えたため、安全には細心の注意を払いながら、実際に直接打撃をしてもらいました。上手く石が割れない子、力が入りすぎて石を大きく割りすぎる子、など色々な子どもがいました。また、時間の合間に他の国のブースを見にも行きました。特に、隣のマレーシアのブースでは実際に全谷里遺跡で出土した石器の素材と同じ、石英岩や玄武岩を利用したハンドアックス(握斧)を作る体験ブースが設けられていました。他にも、火起こし体験やペンダント作りなど、魅力的なブースがありました。
石器作りを教える韓国の学生と日本ブース(芸工大の名前が入っています)
シンガポールのハンドアックス作りの様子(上)と石器作りを教える長井先生(下)
来場者に説明をするスタッフ
立ち並ぶ各国のブース
五日目はブースを韓国スタッフの人たちに任せ、私たち招聘メンバーは、北朝鮮との国境地点にあるDMZ(非武装地帯)とそれに関係する名所を巡るツアーに出かけました。また、その後に全谷里博物館を見学しました。
最初はDMZを見に行きました。検問には銃を構えた兵士が立っており、そこを抜けるとDMZの最前線の場所に着きました。そこで説明してくれた兵士の話では、何度か国境の範囲が変わっているとのことでした。
昼食を取った後、戦争の様子を記録する鉄の三角戦跡館とそのそばにある孤石亭(コソクジョン)に行きました。孤石亭をバックに各国から招待された国際的なメンバーの皆さんと写真を撮りました。その後、戦闘の痕跡を残す労働党舎を見て、白馬高地に行きました。ここでは北朝鮮と韓国との戦闘が行われ、その戦没者を祀る慰霊碑が建てられました。
DMZツアーの後は全谷先史博物館に行きました。ここで全谷先史博物館の説明をしておきます。全谷先史博物館は全谷里遺跡で出土した、北東アジア初のアシューリアン型のハンドアックス(握斧)を初めとして、遺跡出土の遺物や、先史時代に関する資料を展示しています。一階のシアターでは、ハンドアックスの出現などについて、考古学にあまり知識のない人でも楽しませることのできるようなムービーが3Dで上映されています。博物館では1時間ほど観覧しました。日本にはない展示の仕方や工夫が見られ、学芸員を目指している人には是非一度行ってみてほしい場所です。
労働党舎(上)と全谷先史博物館へ向かうメンバー(下)
博物館の展示の様子
館長からの話を聞く招聘された国際的なメンバー