今年度の発掘調査で出土した土器の保存処理について、文化財保存修復学科米村ゼミと歴史遺産学科長井ゼミの合同ゼミを行いました。5月には、映像学科の屋代先生のゼミと合同ゼミを行っています。その時の様子は、コチラを御覧ください。
遺跡を発掘して出てくるものには、脆弱なものも多く、そのままの状態で長く保存することは出来ません。そのようなものには、保存処理が不可欠です。今回出土した土器も、そのように脆いものが多く、保存処理を施す必要があります。そこで保存処理をするにあたり、より良い保存の方法を探るため、考古学からの知識だけでなく、保存修復の先生や学生と協力して行おうということで合同ゼミを行うに至りました。
今回の合同ゼミでは、実際の遺物を目の前にしてどのようにすればよりよい方法で保存できるのか、両ゼミの学生と先生を交えてディスカッションを行いました。検討の末実際の遺物に処理を行いましたが、初めて見る方法にドキドキでした。今回施した処理は、数日乾燥させないとどのようになるかわからないそうですが、処理直後の状態は良好でした。
映像学科との合同ゼミの時も感じましたが、他分野の意見を聞いたり、方法を生で見るのはとても刺激的で勉強になります。今後も、両ゼミの学生同士で作業を続けていく予定ですので、お互いに学び合えるように頑張って行きたいと思います。
鶴岡市での発掘が終わるとすぐ、学生たち6人とともに福島県の南東部-棚倉町に出かけた。寛永2年に丹羽長重が築いた棚倉城跡というお城の石垣調査のためである。
9月8日~12日まで4泊5日。町教委のお世話で「棚倉田舎(でんしゃ)倶楽部」という温泉付のゴルフ場ロッジに泊まりながらの調査だった。我々にしては贅沢な、そんな宿とは裏腹に調査は毎朝8:30から夕方17:00まで、石垣の前に張り付いて1石1石、寸法を測り、加工範囲を記録し、岩石種を同定する。単調で孤独な作業の繰り返し。石の数は最終的に約2,000石にもなった。
石垣は中学校のグラウンドの上にある。中学校の教室からは我々は丸見えでいつも監視されているような感じだ。音楽室からはピアノの音と先生の澄んだ歌声が時折聞こえてくる。チャイムが鳴るたび授業が終わってざわつく生徒の声が石垣に跳ね返る。そんな環境での調査だった。
文化財の調査とは往々にしてこんな単調な作業の繰り返しだ。小さな調査記録の積み上げが最後は大きな成果に結びつく。集めたデータはこれから整理し、分析していくが、このような一連の作業をこれから卒論を書く2年生や3年生が体験できたことは幸せだったと思う。
最終日は久慈川の上流にいって石材環境調査をした。ハンミョウが飛び交う清流で、少年たちは虫を追い、石投げをし、そして童心に帰った。ここは分水嶺の町で久慈川は茨城県にぬけて太平洋にそそぐ。岩石も阿武隈山系と八溝山系では岩石種が大きく異なり、地質構造的に興味深い地域である。お城の石垣石をどこで採取したか。ここで観察記録したデータはこのことを考える材料となろう。
前の週までの発掘では毎日自炊だったが、ここではお昼と夜は外食。これをチャンスとばかりに土地の食べ物を食べ歩いた。そして、毎晩宿に帰る前にヨークに立ち寄った。定時に来る7人組の変な集団と思われたに違いない。最終日は町教委の人たちが懇親会をセットしてくれ夜中まで学生たちと語っていた。これからも「茶」や「香道」や「山城の縄張り調査」で交流が続くらしい。ありがたい経験をさせてもらった。
この調査、地元のNHK福島が取材してくれその日の夕方の「はまなかあいづ」で流れた。調査する学生たち5人が映像に登場したが1人だけ映らなかった。教訓は普段から身なりはきれいにしておこう、ということだ。また最終日には福島民報、民友などの地元紙も取材にきてくれた。学生たちの地道な調査が広く町民や県民に知られるところとなった。
部屋の窓の下はすぐグリーンだ。早朝からパット練習するゴルファー
石垣石の表面に残る虫の芸術
9月3日、佐藤ゼミは広島へ4泊5日のゼミ旅行に出発しました。
まず最初に仙台空港に集合し、手荷物検査を行った後に空港内のレストランで昼食をとりました。
昼食をとった後は飛行機に搭乗し、約1時間半のフライトをしました。
そして…
広島空港へ到着!!
その後、空港で呉市行の高速バスに乗り呉駅へ向かいました。
呉駅の目の前にある呉阪急ホテル。本日はこのホテルに宿泊しました。
ホテル付近の公園には、あの史上最大の戦艦である大和の錨が展示されていました。
実は呉は大和が建造された土地なのです。呉には、これ以外にも大和や、かつての日本海軍に関するモノが数多くあります。
大和の錨を見た後は、晩御飯を食べに行きました。
広島と言えば広島風お好み焼き!!
ということでお好み焼きを食べました。
本日の活動はここまでです。明日からは様々な場所を巡ります。
明日9月20日(土)・明後日21日(日)は芸工祭!
芸工祭の前日である今日は準備をする学生たちでなかなかの賑わいです。
今朝は8時頃から学生が校内を歩き回り、忙しなく準備を進めていく姿が見受けられました。
副手としては、授業日もこのくらいやる気を出して来てくれるといいのになあと思ったりします。
天気も悪くはなさそうですし、出店する学生も、見に来てくれたお客さんも楽しめる芸工祭になるといいですね。
歴史遺産学科では2年生が主体となって学科の紹介展示・ワークショップをしてくれています。
体育館にブースがありますので、歴産に興味のある方はぜひお立ち寄りください。
また、歴産の学生が主体となっている「文化財サッカー部」出店の『餃子屋鈴木』(※餃子は売っていません。焼きそば屋です)など、学科学生が関わっているブースもたくさんあります。
ぜひぜひ、芸工祭に遊びにきてくださいね。
準備室からでした。
芸工祭について詳しくは下記URLをチェック!
http://www.tuad.ac.jp/2014/09/40222/
いよいよフィールドワーク演習も最終日の4日目となりました。
今回も南原町公民館で前田村文書の撮影などを行いました。
私の班では初めて絵図の撮影を行いました。絵図の撮影はホワイトボードに張り付けて行うのですが、カメラのピントを合わせたり、絵図を張るのが難しいと感じる1年生もいました。
その一方で、「字がはっきり写っていない」「影が少し入っている」などカメラワークにこだわる人も現れ、一生懸命さが感じられました。撮影にも慣れてきたんだなとも思いました。
後半はそれぞれの班で前田村文書を撮影していて気付いたことなどを発表してもらいました。
1年生からは
「現在の前田地区と同じで江戸時代の古文書にも○○という名字が多い」
「千歳山の「歳」の字が「年」になっている文書があった」
などの意見が出ました。私が気付かないようなことにも気付くようになり、よく見ているなと思いました。
4日間に及んだ今回のフィールドワーク演習でしたが、1年生は古文書の取り扱いや、撮影などに慣れ、成長が感じられました。
3年生にとっても1年生に教えることで古文書の取り扱いや撮影の復習のよい機会となりました。
2003年に考古学研究室が測量調査を行い、一辺15~16mの方墳と推定されました。
今回のトレンチ調査で周溝から壷形土器が出土し、4世紀前葉~中葉頃の築造と判明し、古墳前期の日本海側北限をなす古墳群であることが確認されました。
5日間という短い時間でしたが、3年生を中心に、2年生、4年生がまとまり充実した成果を上げることができました。全日参加してくれた高校生のTさん、昨年に続き参加してくれたO大学のHくん。将来を担う地元出身の若者が調査に参加してくれたことはとても頼もしく感じました。
事前の刈り払いだけでなく、毎日現場に足を運び声をかけてくれた地元の郷土研究サークルの皆さん。埋め戻しまで手伝っていただきありがとうございました。
5日には芋煮会を開いていただき楽しいひと時を過ごしました。不足する器材をお貸しくださった鶴岡市教委。あれこれ差し入れしてくれた宿舎の管理人さん。発掘を承諾いただいた地権者ならびに鷺畑町会の皆様。感謝申し上げます。
懇親会のあと、学生たちは翌日の説明会のために案内看板や模式図作成など夜遅くまで作業をしていました。
6日の現地説明会は晴天に恵まれ、地元の方々を中心に60名ほどの方々が来てくださいました。
学生たちは見学者に囲まれ緊張しながらも一生懸命説明していました。
解説図とピンポールで遺構を指しながら説明する3年生メモを見ながら必死に説明あたりがうす暗くなったころ埋め戻し完了!お疲れ様。
5月9日、石碑チュートリアルのメンバー10人くらいで本格的な登山の前にハイキング程度の登山を行いました。
天気は曇りで雨の降りそうな感じです。
登山口まで着いた時点でひんやりを通り越して寒いと感じました。
西蔵王放牧場入口から登山が始まりました。今回のルートは前滝コースです。
登りはじめてすぐに垢離かけ場で湧水があり、その水を飲むことができます。
登るにつれて寒くなり、防寒対策が足りなかったことを痛感しました。
姥神が祭られている地点や慈覚大師休み石を通り、
最終地点の瀧山川源流碑まで来ました。
源流から水は出ているものの、雪で覆われていて春が始まったばかりという感じでした。
帰りには赤くさびた三百坊鳥居を計測。
事前調査の登山はハイキング程度のものだったはずですが、結構ときつかったと感じました。
本格的に瀧山に登るときは冬用の服装でもいいと考えます。
8月28日、フィールドワーク演習の3日目になります。
この日からは、南原町公民館で前田村文書の撮影を行いました。
前日まで撮影していた文書は明治以降の比較的新しい史料でしたが、前田村の文書はそれよりも古い江戸時代の文書になります。
初めて見るであろうくずし字に1年生は興味津々。
「何書いてあるか全然わかんねー!」という声もちらほら…
何とか解読しようと頑張る姿も見られて感心です。
また、耕地図や番地図など絵図の撮影も行いました。
絵図の中には非常に薄いものもあり、取り扱いには細心の注意を払います。
ホワイトボードに絵図を貼る係になった1年生の中には表情がちょっとかたくなっている人もいましたね。
この日からはまる一日撮影というスケジュールになります。
文書を壊さないように、撮影失敗しないようにと気を張りっぱなしだった1年生
ちょっと疲れてしまった人もいたようですね。
ですが、最後まで気を抜かずとても丁寧に撮影出来ていました。
前日まで撮影していた「家」の文書と今回撮影した「村」の文書
残されているものの内容にはどのような違いがあるのでしょうか。
撮影する、という作業には慣れてきたようなので内容にまで目を配れるようになると良いですね。
次がフィールドワーク演習最終日になります。ご期待ください。