歴史遺産学科

歴史/考古/民俗・人類
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2014-05-14

映像学科と合同授業ー日向洞窟と写真撮影ー

このたび、日向洞窟の資料を使って、2日間に渡って映像学科屋代ゼミと歴史遺産学科長井ゼミの合同ゼミをやりました。

学科間のコラボによる学生交流を目的として、考古資料を題材とした映像実習を計画しました。

 

考古学では発掘現場の様子や出土資料を撮影して、1次情報を記録した発掘調査報告書を作ります。考古学といえども、一定の写真撮影の技術が必要となります。そこで今回は、日向洞窟遺跡の現地と出土資料を題材として、写真撮影の技術を2日間学びました。

 

1日目は「風景撮り」実習です。まずは長井先生が映像学科の屋代先生を発掘現場に案内。途中、鳥上坂で白竜湖を撮影しました。それから、日向洞窟の周辺で撮影スポットを探します。快晴に恵まれて、光の按配も申し分なし。映像学科が所有する広角レンズを使って日向洞窟周辺の地形を広く撮影しました。学生たちは、三脚の立て方に始まり、カメラ操作の基礎から様々なことを教わりました。今回撮影したデータの一部はphotoshopでパノラマ画像に変更する予定です。次は撮影した写真の編集についてのゼミが企画されるかもしれません。

 

2日目は「物撮り」実習です。こちらは昨年発掘した土器や石器を撮影するというものです。長井ゼミの歴史遺産研究の授業の一環として行いました。3・4年生中心です。講師には、屋代先生の配慮により、プロのフォトグラファーである藤山武先生をお招きしました。屋代先生とゼミ生たちは初めて見る縄文時代の土器や石器に興奮のもよう。映像学科のゼミ生たちには長井先生が遺物の説明をしました。歴史遺産学科の学生たちには藤山先生がカメラ台セッティングの手法について説明、その後全員で出土遺物を撮影をしました。

 

初めての考古遺物の撮影にプロの藤山先生もやや動揺。しかし、さすがにプロの技術。素晴らしい写真を次々と撮影されました。最後には、撮影が難しいとされる黒曜石の有舌尖頭器(こちらは長井先生作のレプリカ)にも挑戦していただきました。黒曜石は天然ガラスともいわれます。光沢が目立つためにライティングの高度な技術が求められます。これには藤山先生もやや手こずった様子でしたが、藤山先生の技には参加者から感嘆の声も。

 

私たちも初めて入るスタジオで少し緊張しましたが、機材の扱い方や照明の当て方など詳しいところまで教えていただくことが出来ました。

 

学生一同、今後、教えていただいた技術を自分たちのものにし、後輩にも伝えていけるようにがんばりたいと思います。

 

<映像学科のブログでもこの講義の様子が紹介されました。>

→ 映像学科ブログ 5月13日の写真演習の様子 

 

2014-05-13

1年次、はじめての研修旅行

先週の土日は1年生の研修旅行がありました。

4月に入学して以来、泊りがけでのフィールドワークは初めての経験です。

 

今回の行先は茨城県。

2日間かけ、「茨城県自然博物館」「筑波山」「ひたちなか市埋蔵文化財調査センター(虎塚古墳・十五郎穴)」「茨城県立歴史館」を回りました。

 

さすがに移動時間も長く、バスの中ではなんとなく眠そう。

 

しかし見学地に着けば、各々自分の興味のあるものを見つけ、熱心にメモを取っていました。

 

 

個人的に一番おもしろかったのは筑波山です。展望台から見下ろす平野はとても壮大でした。

 

どのあたりが古い集落なのだろうか?

あの集落はどういった人々が住んでいるのだろうか?

あの場所はどういった経緯で造られたのだろうか?

 

風土が違えば、歴史や住む人々も違ってきます。

 

 

遠く、霞んではいますが、霞ヶ浦と思しき湖(?)も見ることができました。

先生方は霞んで見えるから霞ヶ浦なんじゃないか、なんておっしゃっていて、それにもなんとなく納得してしまうような風景。

実際のところ、霞ヶ浦の名前の由来ははっきりしていないようです。

 

ちなみに山形市内にある霞城(=山形城。現在は霞城公園となっている)ですが、これは上杉勢が山形に攻めてきたとき、市内の西にある富神山あたりから城の様子をうががうも、霞によって山形城の位置がわからなかったとされることが由来とされています。

富神山(とかみやま)も、山に登って山形城を伺ってみたが、霧が晴れず、十日登ってみても見えない、十日見(とおかみ)山から来ているらしいとか。

 

機会があれば山形の山々にも登ってみてくださいね。

 

 

ちょっと脱線しました。

 

ともかく、なかなか濃い2日間でしたね。

座学とはまた違い、自分で歩き、見て、聞くことで、自分なりの「問い」が発見できたのではないでしょうか。

どんな「問い」を見つけたのか、「問い」にどのような答えを見つけるのか、楽しみに思います。

 

1年生、2日間おつかれさまでした。

 

準備室からでした。

 

2014-05-02

国見石の里をあるく

一山越えて国見石(福島県伊達郡国見町)の里を訪ねました。

ゼミの学生二人と某女子大のO先生が一緒でした。

 

まず役場で職員から福島県産石材のレクチャーを受け、それから車で町内を案内していただきました。国見石は近代の史料のなんと多いことか。羨ましい限りです。

 

私たちの車の中は異様な興奮に包まれました。石蔵や石塀がそこらじゅうにあったからです。一番驚いたのは同乗していた役場の人たちだったかもしれません。小坂では戦前と戦後の蔵が仲良く並んでいました。

 

 

ある石屋さんのお宅には大正6年建造の石蔵や図面が残っていました。栃木県の大谷から昭和40年ごろに導入した整形用の機械が今も現役で活躍。表面加工のローラーは2種類あって、それぞれ見たことのある痕跡だったので、「これだったのか!」と納得しました。

これに乗って削れられる石の気持ちになると、身が細る思いです。機械導入によって石の表情が一変しました。年代の基準になるので石蔵の時期を知るのに役立ちます。

 

石の町にもそれぞれ個性があって興味がそそられます。国見がなぜこれほど蔵が多いのか。国見は大谷の影響を色濃く受けているのに、なぜ高畠はほとんど受け入れなかったのか?

2年間高畠をあるいてきた学生たちが比較する「定点」を持っていることは強みです。

 

 

中国産間知石。こうやって入ってくるんだ~

2014-05-01

山寺へ行きました

 4月29日火曜日にゼミの時間を使って、佐藤先生と佐藤ゼミの3・4年生とで山寺に行きました。

この日は天気が良かったのですが、風が強く少し寒かったです。今回は石段を登って妙法堂まで行ってきたのですが、修行者の参道ということもあり、山道を登って行くのは大変でした。

 

山寺に着いて一番始めに対面石を見ました。この石の上で山寺を開いた慈覚大師とこの地域を支配していた磐司磐三郎が対面したとされるそうです。

 

 

 

 

 

 

登っていくと修業の岩場がありました。この危険な岩場を通ることによって、お釈迦様のみもとにいたるという行場だそうです。

こんなに高いところには怖くていけないですよね。

 

 

 

 

今回、山寺に行き様々な歴史を感じるものを見ることができ、良い経験をすることができたと思いました。

 

 

 

 

2014-04-29

石碑調査 ~瀧山神社にて~

こんにちは、石碑調査チュートリアルです。4/25(金)に佐藤ゼミ3・4年生を中心に、瀧山神社で石碑の調査を行いました。
3年生はこの日初めての調査で、不慣れな部分もありましたが、我らが佐藤先生や優しい優しい(?)4年生の先輩方に教えていただき、少しずつ慣れてきたかなと思います。
中身はどのようなものかというと、石碑の位置をGPSで計測して、メジャーで寸法を測り、他に何か特徴があるか(例えば文字が刻まれているなど)を記録用紙にまとめるというものでした。(少し大雑把に言ってます)
そこから面白い発見もあり、文字が刻まれている石碑からは、いつ・誰が・どのような目的でその石碑を建てたかが分かるものもあり、歴史を紐解くという点でなかなか楽しい1日でした。

2014-04-20

考古学研究会第60回総会・研究集会でのポスターセッション

 


ポスターセッション会場の様子

ポスターセッション会場の様子


 

「考古学野外演習」では、3日間遺跡の発掘に参加する。何気なしに参加した演習だったが、非常に面白く、私は考古学の虜になってしまった。その発掘中に任された仕事が、「水洗選別」だった。水洗選別は、微細遺物(石器や土器、動物の骨など)の回収を目的に、発掘中に出た土を持ち帰りふるいにかける作業のことだ。

 

その水洗選別による中間的成果を、4月19・20日と岡山大学で開催された考古学研究会第60回総会・研究集会のポスターセッションで発表してきた。タイトルは「日向洞窟遺跡における水洗選別資料の分析と堆積構造の検討」。発掘の成果の中に、自分が行った作業の成果を加えて貰うことが出きて、とても嬉しかった。ポスターセッションの発表代表者は長井謙治先生である。学生は自由参加であったが、同行した私も説明する機会を得た。はじめての経験だったがなんとか自分の言葉で説明することができた。また、期間中に第一線で活躍している研究者の皆さんから様々なことを聞くことができ、とても参考になった。

 

考古学の楽しさを、今一度感じた2日間だった。今回の経験を、今後の研究に活かしていきたいと思う。

 

発表の風景

発表の風景

会場となった岡山大学構内

会場となった岡山大学構内

 

2014-04-16

瀧山郷土史研究会

こんにちは、石碑調査チュートリアルです。

4/5に、瀧山郷土史研究会にお邪魔させていただきました。

手持ちの資料からでは分からないことを、研究会の方からお聞きすることができました。

慣れない場所で学生も緊張していましたが、周りの皆さんが優しく声をかけてくださりました。

知りたかったこと全て…とはいきませんでしたが、参考になるお話をたくさんお聞きすることができました。

瀧山郷土史研究会の皆様、今回はありがとうございました。

 

 

 

2014-04-15

授業風景-日本列島の地図、描けますか?

14日から授業も始まり、大学は朝からにぎやかです。

春休み中の静けさが嘘のようですね。

 

今回はまだぎこちない表情をした1年生の、演習の様子を少しだけお届けいたします。

 

 

真剣な表情で描いているのは…

 

 日本地図です。

 

見慣れているはずの日本地図。いざ描こうとなると、意外と描けないようですね。

半島が消えていたり、島がなくなっていたりと苦戦している模様です。

 

 

先生はさすがの一言です。誰がどう見ても北海道!

 

歴史遺産の勉強には地理も不可欠です。

1年生も卒業までにはうまく描けるようになるのでしょうか…。

 

準備室からお届けしました。

2014-03-24

卒業おめでとうございます

3月21日は芸工大の平成25年度卒業式でした。

天気はくもり。時折みぞれ雪も降る生憎の天気でしたが、それを補って余りあるくらい卒業生の表情は晴れやかでした。

 

 

卒業するみなさんのますますの活躍と、健康を準備室から祈っております。

大学にも遊びに来てくださいね。

 

卒業、本当におめでとうございます!

 

2014-02-14

【卒展】各賞の受賞者が決定!

歴史遺産学科の優秀賞ほか各賞の受賞者が決定しました!

 

歴史遺産学科には以下のような賞があります。

・最優秀賞(1名)・優秀賞(2名)

 …大学から表彰される賞。学科の代表として学外にも誇れるような研究に贈られる。

・研究奨励賞(2~4名)

 …学科独自の賞。下級生のお手本となるような研究に贈られる。

・学生が選ぶポスター賞(1名)

 …学科の学生による投票で選出される。投票基準は「自分がお手本にしたいと思うポスター」。

以上、順にご紹介します。

 

 

最優秀賞

鈴木達彦 『原子力災害における住民の移動と拡散について』

 

 

優秀賞

 藤原夏織 『『ビスカイノ金銀島探検報告』の史料的価値 ―「大使」ビスカイノの側面―』

 

関野葵 『瓦の布目圧痕からみる古代の布 ―織り・縫い―』

 

 

研究奨励賞

櫛引理沙 『山形県における区有文書の研究』

 

青木眸 『米沢藩・御徒組の家督と養子相続 ―先祖の記録を辿って―』

 

小柳飛鳥 『サウンドスケープの視点からみる地域の変遷 ―新潟県新発田市上三光集落を事例に―』

 

 

学生が選ぶポスター賞

関野葵 『瓦の布目圧痕からみる古代の布 ―織り・縫い―』(優秀賞も獲得)

 

以上6名が今年度の受賞者になります。

4年生のみなさん、口頭発表会おつかれさまでした。

 

惜しくも受賞は逃したものの、4年間の集大成と言える素晴らしい研究作品がまだまだあります!

口頭発表会は終わりましたが、ポスター等の展示は2月16日(日)まで行っていますので、ぜひ足をお運びください!

 

本館1階の展示スペースには論文の簡易紹介ポスターを、

本館4階409講義室には論文を解説したポスター及び論文現物を展示しております。

 

また、学生による解説も行っておりますので、お越しの際には会場にいる学生にどうぞお声掛けください。

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