歴史遺産学科

歴史/考古/民俗・人類
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2011-08-20

発掘3日目


今日の現場

前庭部から周溝が検出されました。
羨道入り口との接合部がどうなっているのか。今後の課題です。

今年も「尺ちゃん」(尺取り虫)が元気です。大小、毎日体についてきます。今日はラーメン屋に一匹置き去りにしてきました。

2011-08-19

金曜日は何の日?


金曜日といえばカツカレー。考古ゼミのソウルフード。いわずと知れた「赤鬼」の金曜ランチだ。盛りは半端でない。

卒業生もみんなこれを食べて発掘を頑張った。今年はどんなドラマが待っているのか。


羨道部と前庭部にトレンチを設定し、掘り下げを進める。
須恵器や土師器片が出土しだした。やはり、羨道の天井石はすべて取り外され持ち出されていた。

米沢市教委の一行が朝から支援に来てくださった。草刈り機、チェンソーで倒木、下草が綺麗に刈り払われた。ありがとうございました。

2011-08-18

2011戸塚山古墳群発掘調査はじまる


例年、いまごろは現地説明会に向けて昼夜の作業が続く頃である。

お盆が過ぎた今日、ようやく発掘調査が始まった。
暑さは昨日で峠を越えたように思えたが、今日の現場は異常に湿度が高かった。汗が頭皮からも噴き出し、瞼につたって目が痛い。

今年は昨年度測量した106号墳の前庭部と羨道部を調査する予定だ。初日、4人で羨道部の調査を開始した。羨道の天井石がすでに持ち去られ、側壁が大きく傾いていることが判明した。天井石がないのは調査しやすいので一安心。ただし、側壁は崩壊の危険性が高いので要注意。

周囲の雑木林ではナラ枯れがまた広がった。クリなどほかの樹種にも上部が枯れてしまっているものがある。薪炭林を伐採していた時代と違い、人の手が入らない森は明らかに弱っている。

2011-08-17

駒籠楯跡


最上川河畔にある古代水駅想定地の発掘調査。
スイカの収穫を待って今年も県教委が調査を進めている。

過去3次の調査で遺跡が予想以上に広範囲におよぶことが判明した。今年は全体計画の折り返しの年。

関係者が集まって検討会を開いた。

一つのトレンチに注目が集まった。なにやら核心に迫っているような期待が・・・・

2011-08-14

大汗をかいたあとは


実習二日目。

入道雲がもくもくとわきあがり、気温がどんどんあがっていく。今日も暑い一日だった。
お昼休憩で立ち寄る「賜の湯」の冷水足湯が一時の涼。

4班に分かれて実施した2基の古墳の測量が無事終わった。2日間ご苦労様でした。
3・4・院生+福田先生班は、お昼休憩のあと炎天のなかを戸塚山山頂へ登山した。こちらもお疲れ様。

2011-08-13

夏はどこへ


考古学応用演習(2年生)の授業で古墳の測量実習に行きました。4年生や院生の先輩も自主的に応援に駆けつけてくれました。実に後輩思いの先輩たちです(拍手!)。

場所は米沢市戸塚山古墳群。昨年から考古学研究室がフィールドにしている遺跡です。

学内での実習ではミスの連発だったのに、ここではスムーズにいくのはなぜ?本番に強い?緊張感のせい?いずれにしても技術を身につけるには本物の遺跡を測るのが一番。

屋外の作業で汗びっしょり、大量の蚊に悩まされながらの作業でした。しかし、昨年、ちょうど今頃に調査に参加した学生からは今年の夏は比較的しのぎやすいとの声も。
確かに乾燥しており、「蚊」と「ぶよ」が半々・・・

もう8月も半ば。大学はまだ夏休みではないけれど、現場の自然は敏感に夏の終わりを感じさせつつあります。









2011-08-12

卒業論文中間発表会のお知らせ

 こんにちは、準備室です。
 例年より1ヶ月遅くなりましたが、下記日程で卒業論文中間発表会および、卒業論文口頭研究発表会を開催します。

■卒業論文中間発表会・卒業論文口頭研究発表会
 日 時:8月26日(金) 9:00〜11:00 14:10〜16:30
 場 所:本館409講義室
 発表者:中間発表会   19名
     口頭研究発表会  1名

■卒業論文中間発表会別日程
 日 時:9月1日(木) 15:00〜
 場 所:本館405講義室
 発表者:10名

 中間発表会の発表時間は発表7分、質疑応答3分の計10分間です。口頭研究発表会では発表10分、質疑応答5分の計15分間になります。発表会の後には韓国に留学した3年生の報告会もあります。
 歴史遺産学科2年生以上の学生は後学のためにもぜひ参加してください。3年生は卒論のテーマや研究方法、2年生は専攻およびゼミ選びの参考になるはずです。また、1年生も参加可能なので興味がある方は先輩方の発表を聴きに来てくださいね。

 中間発表会の質疑応答では、例外はありますがそれほど厳しい内容の質問はされません。貴重な意見なども伺うことができるので4年生の皆さんは恐れずに堂々と発表してください。
 3年生の皆さんは、当日の会場準備や進行などのお手伝いよろしくお願いします。

2011-08-11

杭を打つ


3年生が戸塚山古墳測量のために基準杭を設置しました。
光波の使い方もサマになってきました。
かけやも上手に使えるようになりました。
いまどきの考古女子です。

2011-08-10

鳩山の窯


今日の鳩山の最高気温は37.4度だった。熊谷だけではない、ここもかなり暑いぞ!

埼玉県鳩山町は人口1万5千人余りの小さな町。しかし、ここには東日本最大規模の古代窯業遺跡があり、考古学者ならたいていは知っている。近畿の陶邑窯、東海の猿投窯、九州の牛頸窯。そして、関東はここ鳩山の南比企窯跡群である。
いま、町では国の史跡指定を目指し、国庫補助を得ながら窯跡の範囲確認調査を行っている。ここでは須恵器だけでなく武蔵国分寺等の瓦も大量に生産している。瓦専業の工房と、在地須恵器工房での生産と2本立てになっているところが興味深い。

大規模な須恵器窯業地は、政治社会的な人文的要因と地形・地質、植生などの自然的要因が重なるところに形成される。南比企窯跡群のある丘陵地は須恵器窯業地の典型的地形、教科書的な立地をなす。これからの調査でその全貌が明らかにされていくことが期待されている。

作業に当たられているみなさん。この暑さの中、本当にご苦労様です。この前、現場でいただいた朝もぎのキュウリ、みずみずしくてとってもおいしかったです。

2011-08-06

高畠石をあるく


第3回高畠まちあるき−町並み編−開催

9:00「ふるかわ」の駐車場に集合。まず、芸工大の長田さんが大きなパネルを使って第1回の成果と本日の予定を説明。午後から雷雨の予報が出るなか、雲行きを心配しながらのスタートとなった。歩いたのは前回やり残した安久津二区〜鳥居町の西側。開始とともに気温が上昇、今回も炎天下での作業となった。15:30終了とともにスコールがやってきた。古川邸で乾いたのどを潤しながら、調査のとりまとめと成果発表会を行い、17:30ごろに解散となった。

今回は町議選前日であったのと諸行事が重なり、地元勢は遠藤さん、古川さんのお2人。これに芸工大メンバーが加わり、14名が3班に分かれて調査に入った。学生は歴史遺産学科と建築環境デザイン学科の2年〜大学院生が参加した。

安久津二区、下有無川のほとりに小さな社地がある。鳥居や社殿がないので車だとつい通りすぎてしまうが、高畠石の石祠や石塔、旗竿石などが並んでおり以前から気になっていた。このたび、社地の隣に住む森さんから「お天王様の境内」という高畠町文化財保護会の会報のコピーをいただいた。これはかつて神社のお向かいに住んでおられた山口留雄さんが一つ一つの石祠、石塔の由来を丹念に調べあげて書いたものである。これによれば、お天王様(祭神は素戔嗚尊)は木造のお堂だったが、大正15年に現在の石のお堂に作りかえられたという。隣の石祠は火伏の神−秋葉山、その隣は湧水の豊富な安久津にふさわしい水神様。さらに庚申塔、酬恩碑、灯籠の由来等が書かれている。半分に折れた日月の石塔は有無橋上流の護岸工事の際に発見されたものを有志が持ち込んで建てたという。前回の青龍寺でも屋代川に流れてきた馬頭観音碑を大事に祀っていた。高畠の人々は無縁の石塔も大切に扱ってきたのである。これらは自然を畏れ敬い、感謝しつつ五穀豊穣、無病息災を願って生きてきた住民の想いを映し出している。お天王様に初なりのキュウリを供えてお参りする習慣は今も続いている(写真)。

Oさんはもと山石工。3年前に高齢のためやめた。この方のお宅はこれまで調査した中では最多の高畠石を記録した。特筆されるのは今では町内でも数少なくなったサイロが現存することだ。下部は切石を円筒形に組み、上部に方形の木造小屋をのせる。トウモロコシ飼料などをいれたそうだ。向かいには藁小屋に隣接して角石を方形に積んだ堆肥置き場がある。現在はぶどう栽培に係る堆肥場として利用されている。大正期に始まった酪農は、稲作と結びついて有機農業の里−高畠の顔となった。高畠石で造られたサイロと堆肥置き場は、近代の高畠の人々が自然を有効に利用しながら地域に根ざした生業を営んできたあかしであり、「高畠らしさ」を代表する遺産ではなかろうか。

そして「まちあるき通信」第1号でも紹介された「石臼置き」。今回も出会いました。Tさん宅では庭へつながる園路で2列に敷いた切石に混じり、ぽつんと一つ石臼が埋め込まれていた。「石臼置き」は姫路城や佐渡相川・米原市曲谷(石臼産地)、東本願寺別邸庭園など各地に例があり、近世には広く石積みの意匠として用いられるようになった。これらはそれぞれに象徴的な意味を付与されているそうだが、現代の高畠の人々はどんな想いで石臼を置いているのだろうか。そういえば、私の実家(石川県)でもまったく同じようにして使わなくなった石臼を家の角に置いている・・・・・はて?

次回のまちあるき−町並み編は、このまま二井宿街道を東にのぼり、10月8日(土)に実施します。

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