【「戦略」調査報告】島守調査(八戸市南郷区大字島守)
今回の調査は、水田関係、宗教関係(墓地)の現地聞き取りを行った。参加者は、入間田宣夫・古里淳(学外)、佐藤健治・竹原万雄・中村只吾(学内)である。
18日午後から八戸市南郷区島守地区に入る。この日は巻集落の水田の一角にあった旧墓地と裏山の一角にある巻集落の墓地を調査し、葬送関係について地元の方々から聞き取り調査を行った。これにより墓地の新旧の位置を確認し、土葬から火葬への葬送の方法の変化につき、伺うことができた。
19日は、一日、島守地区の巻集落および沢代集落にて、水田関係の聞き取り調査を行った。巻集落の田については、地権者の方々から聞き取りを行った。これによりこの集落の田については、一部区画整理をせずに以前からの田が残っていること、それらが湧水からの水がかりで耕作していることなどが明らかとなった。
20日は、沢代集落・荒谷集落にて聞き取り調査、および区画整理されていない田やその跡を視察した。沢代集落では地元の方に聞き取り調査を行い、沢代の田の水がかり状況について、また荒谷集落でも地元の方から聞き取り調査を行い、荒谷の湧水での田の現状および区画整理前の田の状況などについて、知ることができた。その後、龍興山神社のふもとにある現在ほたる池となっている田の跡、および鴨子沢地区の棚田跡とそのための湧水ため池などを確認することができた。
今回の調査では、事前に準備していた公図をもとに田1枚1枚について、所有者やその水がかり状況の大要を確認することが出来た。これにより、巻集落の田の一部は、小区画水田が手つかずで残り、しかも湧水の水がかりであることが判明した。今後さらに調査を進め、島守地区の水田景観の復元やその歴史的変遷について、明らかにしていきたい。
(佐藤健治)