9日目。スペシャル企画「声:言葉の力 ぼくたちの未来宣言」

本館前広場の展示最終日。

白い椅子のある風景も今日が見納めです。

 

レイアウト案は初日と同じ。

こちらは今日のセッティングを行ってくれたcoiceの4人です。

毎日交代でセッティングを行いました。

どうもありがとうございました。

 

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今日はスペシャル企画第1弾。

「声:言葉の力 ぼくたちの未来宣言」

山川健一先生(文芸学科、作家)と、竹内昌義先生(建築・環境デザイン学科、建築家)を

お招きし、おふたりによる対談を行いました。

 

 

3.11以前より「反原発」を唱えていた山川先生は「セイヴ ザ ランド」という本を出版されています。

山川先生は忌野清四郎と交流がありましたが、

残念ながら亡くなった彼は、今では「反原発」のアイコンのような存在となっています。

竹内先生も忌野清四郎から多くのことを学んだそうです。

 

印象的だったのは竹内先生の「ヒーロー不在説」。

「どこかにヒーローがいて、いざと言うときはきっとなんとかしてくれる」

というのは妄想に過ぎず、

実際は「ヒーロー」なんか存在しないし、誰もなんとかしてくれない、ということ。

 

「やっぱり政府は嘘をつく」と再認識した山川先生。

3.11以降は「本物を知ることになった」と語ります。

「ツイッターは新しい文学」ということで、「言葉」を発信し続けています。

これからも正しい情報を伝えていく役割を担っていただきたいと切に思います。

 

竹内先生も、ツイッターを駆使しています。

ツイッターのメディアリテラシーは、古いタイムランから、その人の情報の信憑性をうかがい知るそうです。

そんな姿を知った編集者から依頼され、「本」が生まれました。

それが「原発と建築家」(学芸出版)です。

なお、竹内さんのおススメの本は、孫崎亨「戦後史の正体」だそうです。

みなさん、メモをとりましたか?

 

今日は山川先生から大事なことを3つ伺いました。

1.原発事故はまだ収束してません。汚染物質は海にもれ続けています。特に女の子は、将来子供を産むつもりであれば、内部被曝に注意して、食事に気をつけましょう。外食もできるだけ控えるように。一番、量を摂取する米は産地のわかるものにしましょう。

2.日本の未来を変えるには、政治を変えなければいけません。みなさんの1票が政治を変えることに繋がります。せめて選挙には行きましょう。

3.滅入ってしまわずに、自分の中でバランスをとり、自分流の楽しみ方を見つけましょう。

 

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最後の締めくくりは、参加型ワークショップ。

「言の葉」にメッセージを託すインスタレーションです。

メッセージの内容は、このスペシャル企画にあわせ、山川先生に考えていただきました。

 

「過去の人へ、現在の自分のことを伝えましょう。それがまた過去となり、記憶の一部となることでしょう。」

「言の葉」 を枝につける山川先生。

 

竹内先生も枝につけてくれました。

 

廣瀬先生、渡辺先生も、会場に来てくださいました。

 

文芸の斉藤先生もいらっしゃいました。

 

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最後に記念撮影。

 

「原発問題」に関して真正面から取り組み、言葉にし、そして行動しているのは、

この大学と姉妹校の京都造形芸術大学だけだそうです。

みなさんはこのような幸運な環境にいる、ということを自覚してほしいですね。

ナマの声を交えるこの企画は、本当によかったと思っています。

どうもありがとうございました。

 

和田菜穂子(キュレーター)

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TUAD mixing! 2012 | 記憶の声 Voices of Memory

TUAD mixing! 2012
記憶の声 Voices of Memory

原高史×Responsive Environment
(西澤高男)

会期=10月22日[月]→11月8日[木]
会場=東北芸術工科大学 本館7階ギャラリー/本館前広場
(本館前広場でのインスタレーションは10月31日[水]まで)
休館日=10月28日、11月3日、4日
(日、祝日休)
主催=東北芸術工科大学
企画・お問い合わせ=美術館大学センター 
Tel 023-627-2091
Fax 023-627-2308
E-mail museum@aga.tuad.ac.jp
キュレーター=和田菜穂子

概要はこちら

*日時が変更になりました!

スペシャル企画①「声:言葉のもつ力 ~ぼくたちの未来宣言」
日時=10月31日(水)18:00-20:00(申込不要)
会場=本館7階ギャラリー
別会場=本館408(会場が満席の場合は、別会場にてU-streamで視聴できます)
ゲスト=山川健一(作家、本学文芸学科長)、竹内昌義(建築家、本学建築・環境デザイン学科長)
アーティスト=原高史、西澤高男
司会進行=和田菜穂子
USTREAMはこちらから
音声のみ(全記録)

スペシャル企画②「記憶と風景 ~忘れられない風景について」
日時=11月8日(木曜日) 18:30-20:00(申込不要)
会場=本館7階ギャラリー
別会場=本館201(会場が満席の場合は、別会場にてU-streamで拝聴できます)
ゲスト=五十嵐太郎(建築史家、東北大学教授)、根岸吉太郎(映画監督、本学大学長)
アーティスト=原高史、西澤高男
司会進行=和田菜穂子
USTREAMはこちらから

イベントスケジュール1週目~(10月22日~)
イベントスケジュール2週目~(10月29日~)

展示コンセプト

本館7階ギャラリーを6つの部屋に区切ります。

Room #1 声の灯火  Light with Voices
複数の声が飛び交い、闇の中でほたるのように点滅する小さな灯。消え入りそうなか細い声や、自信に満ち溢れた快活な声。様々な声が交差する異空間が、これから始まる展示空間へと誘います。展覧会「記憶の声」の導入部。西澤高男のインスタレーション。

Room #2 声プロジェクト Introduction of “Coe Project”
今年4月よりスタートした「声プロジェクト」は、ふたりのアーティストと、本学の学生・教員が協力しあい、進めてきたプロジェクトです。今までの経緯と展覧会の概要説明を行います。

Room #3 記憶の風景 Landscape into your Memory
「あなたにとって忘れられない風景は何ですか?」
目を閉じれば、頭の中に思い浮かぶ風景。忘れられないひととき。人生を変えたひと言。インタビューした中から選りすぐりの声を、雲の上にいるような心地で、リラックスしながら体験してもらいます。
*体験型展示(予約制)。

Room #4 追憶の場所 Remembrance
学生と先生が1対1で対話したインタビュー集をじっくり拝聴する空間。7階から山形の風景を眺めながら、先生の声にじっと耳を傾け、追憶の風景をイメージします。

Room #5 記憶の森 Forest into your Memory
人の「記憶」というものは時の経過とともに、おぼろげなもの、不確かなものへと変化していきます。この空間は「記憶の森」です。心の奥底に眠る「記憶の声」を呼び起こし、各人の「記憶の断片」は<言の葉>となって、空間を埋め尽くします。原高史のインスタレーション。

Room #6 小さな物語 A Small Tales - Pocketbook -
溶けだしたキャンドル、横向きもしくは後ろ向きの少女、動物のシルエット。それらひとつひとつは、黒く縁どられた窓の中に<小さな物語>として描かれています。原高史が数年に渡りインタビューを繰り返してきた中で、彼の心のポケットに集められたモチーフたちです。彼独自の世界観が表現されています。新作(平面作品)の展示。

Outside 声の広場 Open Space “Coe”
本館前広場は期間限定で様々な「声」が集い、交差する場に変容します。そこに並べられた「白い椅子」にはQRコードが貼られ、先生や学生のインタビューの声が収められています。「白い椅子」の配置の変化は、インスタレーション作品のひとつとなります。<声の広場>で繰り広げられる、「白い椅子」を使った各種イベントは、人々の心に「新しい風景」として記憶されることでしょう。

Artist

原高史|Takafumi Hara

原高史|Takafumi Hara
現代美術家。東北芸術工科大学デザイン工学部グラフィック学科准教授。1968年東京生まれ。1992多摩美術大学大学院絵画学科油画専攻修了。200-2002年ドイツ・ベルリン滞在。平面作品の他、ワークショップやプロジェクト型のアート活動を国内外で幅広く展開している。歴史的建造物の窓にその土地固有の記憶や、人々の思い出にまつわるパネルを展開していく窓プロジェクト《Signs of Memory》は、人と人との対話から生まれるアートである。今回は7階で平面作品(新作)を出品するほか、白い椅子を使った屋外でのプロジェクト型インスタレーションを展開する。
http://takafumihara.jp/

西澤高男|Takao Nishizawa

西澤高男|Takao Nishizawa
建築家・メディアアーティスト。東北芸術工科大学デザイン工学部 建築・環境デザイン学科准教授。1971年東京生まれ。1995年横浜国立大学大学院工学研究科計画建設学専攻修了。建築設計事務所"buildinglandscape"、及びメディアアートユニット"Responsive Environment" 共同主宰。

Responsive Environment
空間に関わる様々な領域をクロスオーヴァーするコラボレーションにより、空間表現を行うユニットである。1993年の結成以来、様々なパフォーマンス、インスタレーションや建築に関わる作品の制作、プロジェクトの発表を行ってきた。2004年より本学プロダクトデザイン学科専任講師の酒井聡もメンバーとして加入。松島紅葉ライトアップ、車座 -Post Peak Oil Orchestra-(谷川俊太郎/覚和歌子 詩の演出)、東京カテドラル聖マリア大聖堂マルチメディア空間パフォーマンスなど、照明装置を使ったインスタレーション多数。
http://www.responsiveenvironment.com/