9日目。スペシャル企画「声:言葉の力 ぼくたちの未来宣言」
2012/11/01
本館前広場の展示最終日。
白い椅子のある風景も今日が見納めです。
レイアウト案は初日と同じ。
こちらは今日のセッティングを行ってくれたcoiceの4人です。
毎日交代でセッティングを行いました。
どうもありがとうございました。
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今日はスペシャル企画第1弾。
「声:言葉の力 ぼくたちの未来宣言」
山川健一先生(文芸学科、作家)と、竹内昌義先生(建築・環境デザイン学科、建築家)を
お招きし、おふたりによる対談を行いました。
3.11以前より「反原発」を唱えていた山川先生は「セイヴ ザ ランド」という本を出版されています。
山川先生は忌野清四郎と交流がありましたが、
残念ながら亡くなった彼は、今では「反原発」のアイコンのような存在となっています。
竹内先生も忌野清四郎から多くのことを学んだそうです。
印象的だったのは竹内先生の「ヒーロー不在説」。
「どこかにヒーローがいて、いざと言うときはきっとなんとかしてくれる」
というのは妄想に過ぎず、
実際は「ヒーロー」なんか存在しないし、誰もなんとかしてくれない、ということ。
「やっぱり政府は嘘をつく」と再認識した山川先生。
3.11以降は「本物を知ることになった」と語ります。
「ツイッターは新しい文学」ということで、「言葉」を発信し続けています。
これからも正しい情報を伝えていく役割を担っていただきたいと切に思います。
竹内先生も、ツイッターを駆使しています。
ツイッターのメディアリテラシーは、古いタイムランから、その人の情報の信憑性をうかがい知るそうです。
そんな姿を知った編集者から依頼され、「本」が生まれました。
それが「原発と建築家」(学芸出版)です。
なお、竹内さんのおススメの本は、孫崎亨「戦後史の正体」だそうです。
みなさん、メモをとりましたか?
今日は山川先生から大事なことを3つ伺いました。
1.原発事故はまだ収束してません。汚染物質は海にもれ続けています。特に女の子は、将来子供を産むつもりであれば、内部被曝に注意して、食事に気をつけましょう。外食もできるだけ控えるように。一番、量を摂取する米は産地のわかるものにしましょう。
2.日本の未来を変えるには、政治を変えなければいけません。みなさんの1票が政治を変えることに繋がります。せめて選挙には行きましょう。
3.滅入ってしまわずに、自分の中でバランスをとり、自分流の楽しみ方を見つけましょう。
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最後の締めくくりは、参加型ワークショップ。
「言の葉」にメッセージを託すインスタレーションです。
メッセージの内容は、このスペシャル企画にあわせ、山川先生に考えていただきました。
「過去の人へ、現在の自分のことを伝えましょう。それがまた過去となり、記憶の一部となることでしょう。」
「言の葉」 を枝につける山川先生。
竹内先生も枝につけてくれました。
廣瀬先生、渡辺先生も、会場に来てくださいました。
文芸の斉藤先生もいらっしゃいました。
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最後に記念撮影。
「原発問題」に関して真正面から取り組み、言葉にし、そして行動しているのは、
この大学と姉妹校の京都造形芸術大学だけだそうです。
みなさんはこのような幸運な環境にいる、ということを自覚してほしいですね。
ナマの声を交えるこの企画は、本当によかったと思っています。
どうもありがとうございました。
和田菜穂子(キュレーター)