活動報告

【「戦略」調査報告】第4回唐桑半島調査

 

10月3日から5日まで、宮城県気仙沼市の唐桑半島にある鮪立で現地調査を実施しました。今回の調査には、本研究プロジェクト共同研究員の川島秀一氏(東北大学災害科学国際研究所)にもご参加いただき、6月の公開講座での特別ゲスト鈴木伸太郎氏ほか、地元の方々からの聞き取りなどを行いました。伸太郎氏からは、唐桑の信仰に関することや、旧家の役割について伺いました。古くから日常的に使われ続けてきて、遡れば天保の飢饉、最近では東日本大震災といった災害時にも活躍してきた大釜なども拝見しました。別のお宅では、かつての半農半漁であった鮪立の暮らしについてお話を聞かせていただきました。
また、調査最終日は偶然にも、唐桑半島の人々から信仰を集める、早馬神社での例祭「神幸祭」の日にあたりました。震災の津波で損傷したみこしが修復を終えて初のお披露目。それを担いで町内を練り歩きながら、仮設住宅や早馬山の麓を祈祷してまわり、その後、神社のある宿浦の漁港から、みこしを漁船に乗せ、鮪立、小鯖漁港などを巡って、大漁や家内安全を祈願しました。我々も地元の方のご好意で随行する漁船に乗せていただくことができ、海から神事の模様を見るという、大変に貴重な体験をさせていただきました。
今後は、江戸時代から現代にかけての鮪立における旧家の役割、生業のあり方、信仰などについて、引き続き、聞き取りや古文書分析などを内容とした調査を進めていこうと考えています。

(佐藤未希)