活動報告

【「戦略」調査報告】第2回下北半島現地調査

 

森林で広く覆われた下北半島中央部のなかに、野平(のたい)という場所があります。ここでは現在、夏期を中心に牛の放牧や野菜の栽培がおこなわれています。しかし、この地の森林が拓かれ、入植が始まったのは昭和25年(1950年)頃のことです。そして、その後、開墾がすすめられたものの川内ダム建設に伴い移転を余儀なくされ、昭和56年(1981年)、村の歴史は幕を閉じました。現在、町内の別所に移り住んだ住民たちが、通ったり、短期間寝泊まりしたりする形で牛の放牧や野菜の栽培がなされています。民俗・人類班では、戦後開拓および移転集落の事例として、この野平に注目しその変遷過程と生活誌を明らかにすることを研究テーマの一つとしています。
今回は、昨年(2012年)9月におこなった現地調査に続き2回目となります。2月2日から5日にかけ、むつ市川内町内の移転先集落を訪れ、野平の写真などを見せていただきながら、在りし日の野平での暮らしについてお話を聞かせていただきました。また、図書館等を訪れ、開拓に関する文献資料の収集もおこないました。

(蛯原 一平)