【「戦略」調査報告】ブックレット制作に向けた第6回本寺地区現地調査
2013年10月5~6日、岩手県一関市厳美町本寺地区に調査に行ってきました。今回は、一関市博物館で開催されている企画展「地を量る─描かれた国、町、村」の見学、須川温泉の実地踏査、「骨寺村荘園遺跡稲刈体験交流会」への参加が目的です。
まず、10月5日は博物館の企画展で展示されている「磐井郡西磐井郷全図(写)」を確認しました。この絵図は、本寺地区の江戸時代の景観が描かれた貴重なものであり、ブックレットでも分析対象としています。今回は原物を実見し、小さな文字の判読を行うとともに、絵図に描かれている内容もひとつひとつ精査しました。
続いて、かつて本寺地区の人たちの生業の場であった須川温泉を実地踏査しました。須川温泉の大まかな景観を確認するとともに、「須川高原温泉」(旅館・浴場)に掲示されていた文化2(1805)年の須川温泉の様子を描いた絵図や「栗駒国定公園須川高原マップ」等の資料を収集することができました。
6日は毎年実施される本寺地区の稲刈り体験交流会に参加しました。中尊寺大長寿院住職の祈禱のあと、地元の方々と共に稲刈りをし、続いて地元中学生による神楽の見学や昼食会を経て、骨寺村荘園遺跡の実地見学に参加しました。一連の行事を通して地元の方々との交流を深めるとともに、実地見学ではこれまで調査ができていなかった水利についての話を聞くことができました。
今回の調査では、主に江戸時代の景観を想像し得る情報が収集できたこと、今後の調査を進めるにあたって地元の方々にお話を聞く準備が整えられたことが大きな収穫でした。
(竹原 万雄)