【「戦略」調査報告】雲南省第2回現地調査:2013年9月1日-12日
今年の春(2月)に行った苦聡人集落の調査に続き、今月、2回目の雲南調査を実施しました。しかし今回は、雨季に道路が崩壊したため予定調査地(南科)に行くことができず、やむなく調査地を急遽変更し紅河県の中心都市である迤薩(イサ)へと向かうことにしました。
イサはかつての貿易拠点として知られる町で、現在は多くのハニ族が住んでいます。今回は、現地駐在の紅河州博物館研究員の李坤肆氏に協力をいただいて、ハニ族の定住集落(甲寅郷作夫村、楽育郷、宝華郷)や棚田(桂東棚田、甲寅宝華棚田)へ行き、伝統的な集落の景観観察を行い、ハニ族の長期定住生活が営まれてきた少数民族集落の状況を調査しました。
イサ市に到着した翌日、市内で李氏の出身村の方の葬儀が営まれたため、遺族の方々の許可を得て、朝から一連の葬送儀礼や墓地にて埋葬儀礼に立ち会わせていただき、聞き取りし、映像記録を行いました。これらの村では、葬送をはじめ人生儀礼の多くは、単に一家族のみの問題ではなく集落の構成員全体に関わることが多く、そのあり方は集落の維持基盤を考える上できわめて重要な要素と言えるのです。
(謝 黎)