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<木>を書いて<森>をつくろう|『キッズアートキャンプ山形2013』終了しました!

〈木〉を書いて〈森〉をつくろう|2013.8.3

東北芸術工科大学のキャンパスに福島のご家族を迎え開校した『<木>を書いて<森>をつくろう』(8/3~4開催)が終了しました。山形は雨の日が続いていましたが、当日はお天気に恵まれ、16組54名のご家族が書家の華雪さんと共に2日間のプログラムを体験しました。

1 日目のレッスンは、木という文字の成り立ちを学び「木」を書き「森」をつくるワークショップ。書きはじめる前に、会場を囲む丘をみんなで散策しました。散策を終えた後、華雪さんの提案で自分自身が書く木のイメージを身体で表現する時間がもうけられました。最初は恥ずかしさや、戸惑いもありましたが、ホスト役の学生サポーターも参加し、全身をつかってそれぞれが思う木を表現しました。この頃になると緊張もほぐれ、子どもたちの筆はどんどん進みます。みんなで森を書き上げる前に、華雪さんのデモンストレーションを見学しました。息を飲むような心奮わされる華雪さんの書き姿は、子どもにとっても、大人にとっても刺激的な瞬間。和紙のはぎれを組み合わせた特注の屏風に、華雪さんは力強く1本の「木」を書き上げました。

緑が生い茂る「悠創の丘」をみんなで散策します。

「木の体操」で心も体もウォーミングアップ

16枚の木を繋ぎ合わせ、大きな〈森〉が完成しました。

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 2日目は「我が家の一行」を屏風に書くワークショップ。事前に家族で1冊の本を選んでもらい、屏風に書く一行を発表しました。1日目は書くことに馴れながら表現を楽しむ時間でしたが、2日目は家族で1つの作品をつくる共同作業。選んだ一行について、大切なポイントや、どんな風に書き上げるのか、華雪さんや学生サポーターと共に家族会議をおこない屏風に書き記していきました。スムーズに話を進めていく家族もあれば、丁度良い着地点を見つけるため、じっくり話し合う家族の姿もありました。当たり前に生活している家族の存在を1つの屏風をはさみながら、改めて見つめ直す時間にもなっていました。

本を囲んで家族会議中。

ほっと一息 ランチタイム。一緒に学生サポーターもまぜていただきました。

昼食をすませ、午後の時間を使って本番の屏風に書き込みました。

華雪さんが選んだ一行は、山形出身の俳人 斎藤茂吉の句「けだものの 暖かさうな 寝すがた 思ひ浮かべて 独り寝にけり」。

最後の記念撮影。19隻の屏風が完成しました!

撮影:志鎌康平(アカオニデザイン

無事に本番の屏風を書き上げ、最後はみんなで記念撮影。気付けば終了時刻の15:00を過ぎていました。帰りのバスに乗り込んだ子どもたちは一生懸命手を振ってくれました。私たちも一生懸命手を振りました。あっという間の時間でしたが別れることがとても名残惜しい気持ちになりました。この2日間は、子どもにとっても大人にとっても、そして私たちスタッフにとっても思い出深い時間になりました。また来年、この場所で会えることを楽しみにしています!3日間ご家族のサポートや、裏方を務めてくれた福興会議メンバー・在学生・卒業生の皆さん、本当にありがとうございました。皆さんのサポートがあるから、このアートキャンプを継続することができています。そして全身全霊を込めて講師を務めてくださった華雪さんにも感謝の気持ちで一杯です。華雪さんの書く姿に、誰もが息をひそめ、じっと見つめるばかりでした。華雪さんの屏風の作品は、現在やまがた藝術学舎で開催されている本学の教員作品展『ギフトオブネ イチャー』で見ることができます。一本の筆で書かれた文字からは様々なイメージが浮かび上がります。お近くにお立ちよりの際はぜひご覧になってみてください。

 役野友美(TRSO事務局)