昨年夏ごろからずっと携わっていた本についてご紹介します。
【東工大サイエンステクノの理系脳を育てる工作教室』
がっつり文系の私がなぜかこのような本を編集してしまいました。
これは東京工業大学の学生サークル「サイエンステクノ」が、小学生向けに教えている工作をまとめた本です。
100人以上もいるサイエンステクノさんは、年に70回くらい工作教室を行っているそうです。
この本はもともと、サイエンステクノの学生の親御さんが編集者で、その方が企画し、主婦の友社が発行したというものです。私の会社であるCRAZYが編集制作を担当しました。
写真で工作の手順を解説しているのですが、なんせ撮影が大変。
工作とはいえほとんどが動くものなので、細部のバランスなどもきちんとしないと、思い通りに動いてくれません。
さらに、動くモノの撮影というのも非常に苦戦しました。
動きを写真で表現するのは難しいのです。
当初から、子どもに親しみやすい本にしよう、というコンセプトだったので、表紙にも登場している「サイテくん」や「コウサクくん」「リカちゃん」というオリジナルキャラクターのイラストをつくり、ワイワイと楽しく工作ができるような誌面づくりを目指しました。
子ども向けの本のデザインには、いくつかセオリーがあります。
・おしゃれなデザインよりもごちゃごちゃガチャガチャした表紙デザイン
・角をとがらせず丸みを帯びた誌面デザイン
・多くの色を使う
編集的にも、キャラクターをつくる以外にも、ルビを入れる、文字を大きくする、写真をはっきりさせる、想定読者と同世代の子どもを出すなど、子ども向けならではの工夫があります。
読者層によってさまざまに考え尽くしてつくること。
これが編集の基本です。
そんなことを再考させてくれたお仕事でした。