今頃、「今年の阪神はいけるでぇ!」と叫ぶ声が日本中(どちらかというと近畿地方中心)にあふれているのだろうか。確かに先発ピッチャーがメッセンジャー、藤浪、能見、岩田、藤川、岩崎…とコマがそろい、抑えもマテオが入ったことで何とか成立するのかもしれない。野手も、高山や横田などフレッシュな顔ぶれがスタメンを飾るようになっている。何より監督がアニキである。「超変革」というかっこいいのか判断がつきかねるスローガンを掲げるぐらいには従来と違うようだ。それでも実際に変化が起きているようにメディアを通じて受け取ることができる。
フレッシュさというのは阪神だけではなくセリーグの監督が多く入れ替わり、そして若手になったことによるイメージ刷新による相乗効果が大きいであろう。特に現役時代を知っていると、選手ではなく監督業に従事しているという不自然さとともに、そのギャップを感じ取っている自分自身の年寄り臭さに閉口してしまう。何とも複雑である。どちらにせよ、私自身はオリックス・バファローズファンなのでご心配なく。いつも通り。あ、でも高山、4安打はすごいと思う。
監督がかわるだけで、こうも変わるというのは往々にしてありうることで、大学に関しては新しく入学した新入生がそれにあたる。この週末は入学式、保護者懇談会、教職員総会、教職員懇親会、1年生ガイダンス、2年生ガイダンス、3年生ガイダンス、4年生ガイダンスを連続してこなしていた。休みというものがなく、切れ目のない連続的な波状攻撃をくらっている気分である。同じ話を4回する身にもなってくれ、と言うわけにはいかない。
新しいフレッシュな1年生には「がんばって友達を作ろうとするな」と言おうと思っていた。ほかの大学の状況を今は知ることが出来ないから判然としないが、スクールカーストとそれに伴うキャラ設定を大学にまで引き込んでしまっている新入生が少なからずいるような気がしてならない。もちろん、そこから脱却しようとして、それはそれで失敗する者もいるのであろう。でも、蛭子能収の『ひとりぼっちを笑うな』でもいいし、森博嗣の『孤独の価値』でもいいが、そこらへんを読んで欲しい。結局、そんなに周囲のことを気にしていては生きていけないぜ。
などという言葉を新入生に送るわけではなく、『あさが来た』の田村宣のメガネの話から入ってしまった。想定外である。事前に喋ることを考えようなどと思ってはいけない。失敗した。しかし、のぶちゃんのモデルは、のちに日本女子大の学長になる井上秀である。女性が学問を修めるということ自体が大変であった時代にアメリカ、ヨーロッパと留学をし、母校に帰り教鞭をとるという、私には想定できないであろう困難を乗り越えてきた人物である。そののぶちゃんが作中でこのように喋っている。
「大学校は、ほんまに勉強したい人が入るとこです。必ず学んだこと身につけて、何かの役に立つようなるて、そないな覚悟持ったもんだけが入るとこなんやさかい、そんな中途半端な気持ちで入ったら、うち許さへん」
さすがだ。メガネが素晴らしいだけはある。もうメガネが喋っているのではないか。学科の雰囲気は教員だけで作り上げることはできない。新入生が切磋琢磨して自然と出来上がっていくものである。のぶちゃんのようになれとは言わないが、皆さんに大いに期待している。
BGM:LINDBERG「every little thing every precious thing」