『文芸ラジオ』8号が発売になります。

『文芸ラジオ』8号が6月1日に発売となります。お近くの本屋またはネット書店にてお買い求めください。また5月29日(日)のオープンキャンパスで先行販売をいたします。

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【メディア情報】
2022年6月1日の毎日新聞山形版の朝刊にてお取り上げいただきました。
2022年7月3日に放送されたYBCラジオの「re:にじぽり」にてお取り上げいただきました。

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【お詫びと訂正:2022年6月3日】

私どもより刊行いたしました『文芸ラジオ』8号第一刷(2022年6月1日発行)におきまして、表紙・目次掲載の著者名に誤りがありましたので、下記の通り訂正いたします。ご本人様ならびに、関係者の皆さま、読者の皆さまに不快な思いをさせてしまいましたことを深くお詫び申し上げます。

誤:宇山圭佑

正:宇山佳佑

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〇Guest Talk

植田圭輔「演じるキャラクターを愛し、自分らしさも追求する。」

〇特集 待つ恋、読む愛。

Interview 天沢夏月「使うツールは変わっても、恋愛の感情は変わらない」
Interview 仲谷鳰「恋愛はそんなに人類共通のものではない」
Interview 千早茜「気持ちが通じ合う瞬間を大事に想い続ける」
Interview サンキュータツオ「恋愛は宿命的にコスパの悪いもの。だからこそ達成された時の恋は素晴らしい」
Interview 猿渡かざみ「みんな、後ろめたくない恋愛がしたい」
Interview 大森美佐「「お金」より「心」を消費したくない、現代若者のリアル恋愛」

若者242人に聞いたコスパ的恋愛思考
必見!「コスパ恋愛」の結論
同性同士だってコスパがある! コスパ的BL漫画
あなたのタイプと、気に入る本がわかる! 「待つ恋」タイプ チャート診断
私の胸を射止めたシーン あるある胸キュンランキング
ラブコメって結局、何? ラブコメ全力調査隊
恋愛で右も左もわからない人はこれを見ろ! 映像作品から学ぶ、恋愛の乗り越え方

〇特集 ラブレターは渡せない

宇山佳佑
TAKU INOUE
夏川椎菜
春ねむり
樋口美沙緒
眉村ちあき
雪見撫子
小林私「渡せないラブレターに関する推論」

〇小説・散文・漫画

竹岡葉月「卵が六個も割れたから」
秋吉理香子「ユートピア」
十文字青「愛はたまらなく恋しい」
涼暮皐「鍵をあける」
峰守ひろかず「アマビエを探しに」
芦花公園「禁足地」
堀内公太郎「不在証明には向かない夜」
長尾彩子「後部座席の妖怪」

湯木うめる「だからさよなら」
佐桃うい「透明な僕のひだり」
カミン木瓜「翠雨に問う」
ハトムギ「ゴルゴタの丘」
佐久間このみ「嘘つきの舟」
秋川緑「おとんぼ」
雲居明志「ぬん」
渥美ヒトデ「未熟蛹に羽を」
永尾天晴「朔」
小林唯人「ふたりぐらし、うそがたり」
鈴木龍「かんなづき」

文芸ラジオ8号
出版社:メタブレーン
発売日:2022年6月1日
販売価格:1100円(税込)
単行本:328ページ
ISBN-10:491054612X
ISBN-13:978-4910546124

第1回「絵と言葉のチカラ展」にて門間夕星さん(文芸学科4年)が入選。

第1回「絵と言葉のチカラ展」にて文芸学科4年生の門間夕星さんが入選いたしました。展示が4月13日(火)から19日(火)まで開催されています。お近くのかたはぜひ足をお運びください。

第1回「絵と言葉のチカラ展」
会期 4月13日(水)〜19日(火)
会場 松坂屋上野店 本館7階 美術画廊、アートギャラリー

https://www.nobuko-art.com/

文芸学科の卒業制作展(2021年度)が始まっております。

2月8日(火)から2月13日(日)まで卒業制作展が開催されます。ぜひとも図書館2階の文芸学科スペースにお越しください。11日(金)・12日(土)・13日(日)は予約をされた方のみの来場となっており、現在(2月8日)は予約が終了しております。8日(火)から10日(木)は予約なしで来場が可能です。

詳細はこちらの卒展サイトでご確認ください。

https://www.tuad.ac.jp/sotsuten/

また学生が運営している文芸学科卒展のInstagramtwitterもご覧ください。文芸学科自体のInstagramも随時更新しています。

卒業制作のうち優秀賞・部門賞を受賞した作品に関する講評は下記にアップしておりますので、ぜひご覧ください。

・卒業制作 優秀賞講評会

・卒業制作 現代文学部門賞講評会

・卒業制作 エンターテインメント部門賞講評会

卒制作品だけではなく、長岡ゼミ制作の「おじさん構文ポーカー」、野上ゼミ制作の「ジャンゴ写真集」も販売中です。「おじさん構文ポーカー」は大人気なので、在庫が少なくなっています。お早めにお願いします。また文芸学科と版画コースがコラボした画文集展も併催しております。

冬のストーリー創作講座開催のお知らせ(2022年2月12日)

冬のストーリー創作講座が開催されます。ご興味ある方はぜひご参加ください。

 

日時:2月12日(土)10時半-15時
場所:東北芸術工科大学(山形)
参加費:無料(要参加登録)
申込締切:2月8日(火)まで(下記のサイトからお願いします!)

当日の講義は玉井がしゃべりますが、石川先生とトミヤマ先生が優しく講評してくれます(玉井も講評には参加します)。

https://www.tuad.ac.jp/oc/winter/

webオープンキャンパスにて公開された動画(尾崎世界観さんトークショー/総合型選抜入試[専願体験型]模擬体験授業)

9月11日にwebオープンキャンパスが開催されました。ご参加いただいた皆様、まことにありがとうございました。その日からいくつかの動画が公開されております。文芸学科と関係あるものとしては以下の2つになります。

  • 【東北芸術工科大学・夏のオープンキャンパス】尾崎世界観さん × 文芸学科トークライブ

2021年7月31日の「夏のオープンキャンパス」にて行われました尾崎世界観さんのトークショーです。当初は9月14日までの期間限定公開でしたが、好評でしたので9月29日(水)までに延長されました。

  • 文芸学科『総合型選抜入試[専願体験型]模擬体験授業』

こちらも「夏のオープンキャンパス」で行われました入試模擬体験授業の様子を解説しています。単なる模擬授業紹介だと面白くないので、採点ポイントや試験対策まで踏み込んで話しています。入試を検討されている方はぜひ視聴してください。こちらの動画も9月14日までの公開でしたが、延長されまして10月8日(金)までとなりました。なお入試に関してはこちらのサイトをご覧ください。総合型選抜入試[専願体験型]の出願締切は9月29日です。

夏のオープンキャンパスの文芸学科イベント(7月31日・8月1日)

7月31日(土)・8月1日(日)に夏のオープンキャンパスが開催されます。参加される方はこちらよりお申込みください。文芸学科では以下のイベントを行います(場所はすべて図書館2階)。

〇小説『母影』などを上梓した尾崎世界観さん(リモート参加)と文芸学科教員によるトークイベント

日時:7/31(土)のみ 12:45-13:45

小説『母影』が第164回芥川賞候補作にノミネートされるなど、ミュージシャンとしてだけでなく執筆活動でも活躍する尾崎世界観さんがリモート参加し、文芸学科教員で、文芸評論家の池上冬樹先生、石川忠司先生と鼎談します。

※会場およびコロナ対策の関係上、入場を制限させていただく場合がございます。予めご了承ください。
※参加は受験生・高校生に限らせていただきます。
(会場の都合により、保護者・引率者の皆さまはご参加いただけません)
※鼎談のみで、歌唱・演奏はありません。
※鼎談の様子は、後日行われる本学イベントにおいて、限定配信する予定です。

〇『塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い』著者で文芸学科卒業生の 猿渡かざみさんトークイベント

日時:8/1(日)のみ 12:45-13:45

文芸学科の卒業生で、『塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い』(小学館「ガガガ文庫」)などが大ヒット中の作家・猿渡かざみさんに、在学生がインタビューします。在学中に猿渡さんが考えていたことやプロデビューしてからの苦労話など、文芸学科入学から作家になるまでのキャリアパスを在学生が聞き出します。

〇総合型選抜入試[専願体験型]模擬体験

日時:両日とも11:15-12:00、14:00-14:45

総合型選抜入試[専願体験型]で行われるグループワーク「昔話のリライト」を誰よりも早く体験できます。実際の入試のスタイルで、昔話を読み、仲間と話し合いながら、物語の再構築案をつくっていきます。在学生もサポートしますので、受験生はもちろん、高校1・2年生もぜひ参加してください。

入試個別相談、持ち込み原稿講評などは随時行っております。お気軽にご参加ください。

『文芸ラジオ』7号が発売になります。

『文芸ラジオ』7号が6月1日に発売となります。お近くの本屋またはネット書店にてお買い求めください。また5月22日・23日のオープンキャンパスで先行販売をいたします。

【メディア情報】

コミックナタリーさんにてお取り上げいただきました。
2021年5月24日(月)放送のFM山形「WAVE4 yamagata」にてお取り上げいただきました。
2021年6月6日(日)放送のYBCラジオ「re:にじぽり」にてお取り上げいただきました。

目次
〇Guest Talk

伊藤美来「あまり飾らないで、背伸びをしすぎず、自然体で表現する」

〇特集 陰キャのすすめ

Interview 桜井のりお「変化していく関係性の中でも、変わることができないもの」
Interview 尾崎世界観「まだ言葉になっていない気持ちをずっと探している」
Interview 清田隆之(桃山商事代表)「陰キャの自己認識はアドバンテージになる」
Interview 酒井順子「大人として生きていくというのは、キャラクターを被らないと成立しない」

陰キャが恋愛に向いていないってホント? 陰キャの恋愛を大調査
対談 陽キャ vs. 陰キャの初対面“恋バナ” 陰キャに恋愛はできるのか
陽キャ? 陰キャ? あなたのキャラと、気に入る本がわかる! 陰陽キャラクターチャート診断
評論集 陰キャのための処世術

〇特集 虚構旅行 行ったことのない場所に行ったつもりで紀行文を書いてみた

森田季節「東邦電鉄岩割線」
猿渡かざみ「クロガザミを求めて」
黒木あるじ「Mの王国」
餅井アンナ「バイトのできないサトゥルヌス」
小林希「神寄島」

〇小説・散文

市川拓司「隣のうちの少女」
二宮敦人「あなたへ」
天沢夏月「世界で一番美しい名前」
有間カオル「人を呪わば穴二つ……で足りるだろうか?」
みかみてれん「全自動的な女同士の恋の行方」
門田充宏「社会的舞踏(ソシアル・ダンス)」
櫻木みわ「セヴンデイズ」
星野舞夜「夏の終わりの空は」

小林唯人「褪せた写真に身を焦がす」
佐久間このみ「紅茶を飲む、手紙を書く」
鈴木龍「ルタキハレカ」
竹永上葉「靴のにおいを嗅ぐ女」
永尾天晴「双眸」

〇Book in Book 再録 文芸ラジオPetit Vol.03

 

文芸ラジオ7号
発売日:2021年6月1日
販売価格:1100円(税込)
出版社 : メタブレーン
ISBN-10 : 4905239990
ISBN-13 : 978-4905239994

オープンキャンパスにおける文芸学科イベント(5月22日・23日)

5月22日(土)・23日(日)にオープンキャンパスがあります。参加される場合は登録が必要になりますので、こちらにてお願いいたします。文芸学科(図書館2階)では、以下のイベントを予定しております。

〇『ラスト・サバイバル』シリーズ著者で文芸学科卒業生の大久保開さんトークイベント

日時:5/22(土) 12:45-13:30

文芸学科卒業生で「ラストサバイバル」シリーズや『絶滅世界』でお馴染みの大久保開さんをお迎えして、トークイベントを行います。在学中からの取り組みや卒業後、仕事をしながらの執筆などさまざまな点をお聞きします。またこちらで最新インタビューをご覧いただけます。

〇『スライム倒して300年、気づけばレベルMAXになってました』著者・森田季節さんトークイベント

日時:5/23(日) 12:45-13:30

ただいま『スライム倒して300年~』のアニメが放送中の森田季節さんをお迎えして、創作活動についてお聞きいたします。具体的な作品執筆の裏側だけではなく、コミカライズやアニメ化など幅広く活動されている森田さんならではのお話になるかと思います。

〇総合型選抜入試[専願体験型]模擬体験

日時:11:15-12:00、14:00-14:45(両日とも2回)

総合型選抜入試[専願体験型]で行われるグループワークを実際に取り組むことができます。1日2回開催しますので、都合の良い時間にご参加ください。受験を検討している方だけではなく体験してみたい1年生・2年生の参加も大歓迎です。

〇そのほか

面談や持ち込み作品の講評などを随時行っています。

文芸論5と文献リスト(2019年度)

2019年度の文芸論5のまとめを2020年度が終わりそうな2021年3月に書いている。この授業がスタートするまでは、一度も批評文や学術論文を読んだ経験もないのに「論文とか簡単に書けると思うので、研究者になれると思うんですよね」と学生から面と向かって言われる状況であったため、池田先生から授業を引き継いだときにまずは読む授業をやろうと思ったのである。

当然のごとくいきなり論考を執筆するのは無理なので、読んで接すること、内容を整理し、様々な考えや理論があること、最後に自分自身で書いてみること、この点を授業として取り組んでみたのである。

1:阿部純「好きなものを好きなように、どこまでも過剰により愉しく 自主制作メディアにおける「図像」の結び方」(『ユリイカ 特集 図鑑の世界』50巻14号、2018年)

私が赴任したときは学生たちの同人誌制作が活発で文フリへの参加も当然のように行われていたが、いつの間にかに外に出なくなっている気がする。自主制作という点ではZINEも同人誌も同じ枠組みなのだが、それぞれで認識の差異は存在しており、考えうるべきポイントだなと思っている。

2:田島悠来「越境・多層化する「アイドル」:人・物・場所の「アイドル」メディア論」(岡本健・松井広志編『ポスト情報メディア論』ナカニシヤ出版、2018年)

毎年のようにアイドル論を取り上げているが、アイドル自体に興味はない。けれどもなぜかアイドルをめぐる議論は面白く読んでいる。

3:西兼志「ライブ時代のアイドル/コミュニケーション・コミュニティ」(『アイドル/メディア論講義』東京大学出版会、2017年)

続けてのアイドル論である。メディアやコミュニケーションの問題に踏み込んで考えている。

4:柴那典「過圧縮ポップの誕生――「ジャンルの混在」と「八九秒の制約」から生まれた日本独自のポップミュージック形式」(高馬京子・松本健太郎編『越境する文化・コンテンツ・想像力』ナカニシヤ出版、2018年)

音楽の論考は実際に聞かないと始まらないだろうと流してみた。かけた曲は以下の通り。

斉藤由貴/卒業
AKB48/桜の花びらたち
BABYMETAL/ギミチョコ!!
THE MAD CAPSULE MARKETS/PULSE
聖飢魔II/蝋人形の館
MAKE-UP/ペガサス幻想
泉こなた……/もってけ!セーラーふく
どうぶつビスケッツ・PPP/ようこそジャパリパークへ
影山ヒロノブ/CHA-LA HEAD-CHA-LA
小沢健二/ラブリー
Betty Wright/Clean Up Woman
電気グルーヴ/Shangri-La
Bebu Silvetti/Spring Rain
TM NETWORK/Get Wild
JUDY AND MARY/そばかす
川本真琴 1/2
電気グルーヴ/ポケット カウボーイ

5:松井広志「メイルゲーム/ネットゲームのコミュニケーションと文化 ―多元的なゲーム史、ゲーム研究へ―」(松井広志・井口貴紀・大石真澄・秦美香子編『多元化するゲーム文化と社会』ニューゲームズオーダー、2019年)

ゲーム研究の流れを把握しつつ、メイルゲーム(手紙などで行われるPBM)を取り上げている。受講生の皆さんには昔のゲーム形態(しかもデジタルゲームではない)は馴染みのない様子であった。

6:加藤裕康「ゲーム実況イベント──ゲームセンターにおける実況の成立を手がかりに」(飯田豊・立石祥子編『現代メディア・イベント論』勁草書房、2017年)

ゲーム実況というとプレイ動画が喋りとともに配信されているイメージだが、ゲームセンターで行われる現象を取り上げている論考である。実際に見ないとわからないかもしれないと思い、複数のゲーム実況動画を流してみた。

7:嵯峨景子「吉屋信子から氷室冴子へ 少女小説と「誇り」の系譜」(『ユリイカ 特集 百合文化の現在』46巻15号、2014年)

少女小説研究を牽引している嵯峨さんの論考である。さておき受講生のなかには、これを読んで初めて少女小説というジャンルを知ったという人もいたので、それも一つの出会いである。

8:倉田容子「男装少女のポリティクス―一九七〇年代から八〇年代にかけての〈少女を愛する少女〉表象の転換」(西田谷洋編『文学研究から現代日本の批評を考える』ひつじ書房、2017年)

少しジェンダーを考えようとなった。現在進行形の百合ではなく、男装女性に含まれる様々な論点が迫ってくる論考である。

9:久米依子「トラブルとしてのセクシュアリティ――〈男の娘〉表象と少女コミュニティ志向」(一柳廣孝・久米依子編『ライトノベル・スタディーズ』青弓社、2013年)

男装女性を取り上げたので、男の娘を取り上げてみた。学生からのレポートも痛快な内容が書かれるなど、論点が複数把握されて面白い回となった。

10:石原千秋「読者にできる仕事」(『読者はどこにいるのか』河出書房新社、2009年)

作品自体を考えるのはもちろん重要だが、どう受け取られているのかという受容論も考えるべき点である。

11:小山昌弘「『風の谷のナウシカ』―物語の系譜マンガとアニメの相違点」(『宮崎駿マンガ論―『風の谷のナウシカ』精読』現代書館、2009年)

数年前にナウシカの論考を別の授業で取り上げて、ふとナウシカを見ているかどうか確認したら、数名しか見ていなかった事実を目の当たりにしたというのに、私はまた取り上げている。論考は物語論だけにとどまらず、マンガとアニメそれぞれを踏まえて考察されており、深い内容となっている。

12:小池隆太「物語構造論(ナラトロジー)―アニメ作品の物語構造とその特徴について」(小山昌宏・須川亜紀子編『アニメ研究入門 応用編』現代書館、2018年)

物語構造は文芸学科の必修授業で取り組んでいるので、復習と捉えている。物語構造論の流れを学ぶことができ、よくまとまった論考である。

13:河野真太郎「無縁な者たちの共同体――『おおかみこどもの雨と雪』と貧困の隠蔽」(『戦う姫、働く少女』堀之内出版、2017年)

毎年、最後の数回は具体的な作品論や作家論を取り上げるようにしている。最終課題では作品や作家を取り上げるのもOKにしているので、その先行事例としてである。この論考は貧困や労働の観点から作品を切り取っており、非常に興味深い。

14:泉政文「〈世界〉と〈恋愛〉―新海誠の作品をめぐって」(黒沢清・吉見俊哉・四方田犬彦・李鳳宇編『アニメは越境する』岩波書店、2010年)

ここで驚いたのは新海作品の認識度合いが高く、かなりの数のレポートで作品を踏まえたうえで論考批判を行っていたことである。具体的な作品内容を踏まえて語るのは必要な基礎能力である。

15:受講生の最終課題講評

毎年のように受講生の皆さんが書いた最終課題を検討していったのである。

〇過去の文芸論5
文芸論5と文献リスト(2017年度)
文芸論5と文献リスト(2018年度)
文芸論5と文献リスト(2020年度)