デジタルシネマ時代の小規模映画の上映形式の研究

東北芸術工科大による研究プロジェクト
2014-10-07

03_DCPのデータ・ファイルの構成について

DCPのホルダーの中には、下記の8種類のファイルがある。

分類すると、コンテンツ・ファイルとして1~4の映像・音声・字幕のファイルがあり、その他のファイルはコンテンツ・ファイルを管理するためのものである。

 

1)映像ファイル Picture Track file(.mxf)
DCPにおける映像データは、静止画連番ファイルとしてJPEG2000コーデックで圧縮されたのちMXF形式でラッピングされている。

2)音声ファイル Sound Track file(.mxf)
DCPにおける音声データは、映像と分離されたファイルで、非圧縮の状態でMXF形式でラッピングされている。

3)字幕ファイル Subtitle Track File(.xml)
上映時に映像にかぶせて表示させる字幕についての情報で、タイムコードと表示するテキストデータ及び表示形式を示すメタデータとなっている。

 

※2バイト文字(例:日本語、韓国語、中国語)では、字幕を映像にかぶせて上映する際に問題が発生する場合がある。
※字幕ファイル・字幕用フォントのファイルを用いずに、映像内に字幕を入れ込んで保存した映像ファイルによって字幕版とする場合もある。

(あるいは、字幕を表示させるために<字幕のXMLファイル+字幕用フォント>という方式ではなく、字幕の文字を画像として保存したPNGファイルを字幕用ファイルとして使用するという場合もある)

4)字幕用フォント
字幕を表示するためのフォントのデータ。フォントコンプレッションというソフトウエアで、その映画に必要なフォントのみを抽出したあとDCPに組み込まれる。

5)コンポジション・プレイリスト Composition Play List(CPL.xml)
コンテンツ・ファイルを再生するために、複数の映像・音声・字幕などのMXFファイルの連なりを示すメタデータ。上映時にDCPがサーバー上でスムーズに動作するためには、コンポジション・プレイ・リスト(CPL)が重要になってくる。

また、既存のDCPに他のコンテンツ・ファイル(現地語の字幕・聴覚補助や音声ガイドなど)を付加することも可能で、その場合にはそのバージョンのための新しいCPLを作成して追加する。

6)パッキングリスト Packing List(PKL.xml)
ひとつのDCPは複数のCPL(音声言語や字幕言語の異なるバージョン、予告編など)を持つことができるが、PKLはCPLのハッシュを含んでいて、DCPをサーバーにインジェストする際にデータが破損していないか、または間違っていないかをチェックするために使用される。

7)アセットマップ(ASSETMAP.xml)
DCPに含まれる全ファイル の識別情報をリスト化したメタデータ。

8)ボリュームインデックス(VOLINDEX.xml)
ひとつのDCPが複数のメディアにまたがって収納される場合に、それぞれの容量を示すメタデータのデータ群で構成されている。

※また、セキュリティのためにDCPが暗号化されている場合は、暗号解除するKDMキー(Key Delivery Message Key)も、別途に必要となる。

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