赤坂憲雄著『旅学的な文体』
赤坂憲雄著『旅学的な文体』(五柳書院 2,100円[税込])
それにしても、もはや旅は水平方向に展開されるものばかりではない。
垂直の方向に、たとえば精神の内なる未踏の領域へと降り立つこともまた、あらたな旅の、旅学のスタイルとして再発見されるべきなのかもしれない。
秘境はは、すでに外界には存在せず、われわれ自身の精神の内なる辺境にこそ見いだされる。
あきらかに、旅学の方位は大いなる転換の季節を迎えているのである。
(「はじめにー愉しい旅学のために」から)