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【公開講座】 気候温暖化と縄紋人



【公開講座】 気候温暖化と縄紋人 TUADリンク

日 時:平成24年1月18日(水)18:00−19:45(開場17:30)
会 場:本館2階207講義室
主 催:東北芸術工科大学東北文化研究センター
受講料:一般500円、他大学生・高校生以下・本学学生・本学教職員無料
    ※事前のお申し込みが必要です。
申込先:東北文化研究センター(図書館2階・Tel:023-627-2168)

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【開催にあたり】
 3月11日の東日本大震災に世界中が大きな衝撃を受けました。私たち一人ひとりが何かでき
ることはないかと真摯に考えました。私も例外ではありませんでしたが、被災地にいち早く駆
けつけて活動するいろいろな分野の人たちの姿をテレビの映像で見つづけながら、専門家(考
古学者)として何ができるのか、歯がゆい思いでした。
 6月21日に「自然災害と縄紋人」と題して公開講座を開きました。地震、大津波、原子力発
電所事故について直接触れることはありませんでしたが、急激な寒冷化と火山爆発によって縄
紋人が被った大きな被害と、被害からの回復を目指した縄紋人の取り組みについて話しました。
 原子力発電所の開設の大きな理由に、火力発電所などから出る二酸化炭素の保温効果による、
地球の温暖化問題が挙げられています。 対策を打たずにこのままの状態が続くと、数十年後に
平均気温が2℃ほど上昇して、海面が上昇して沿岸沿いの平地が水没すると言うのです。すでに
その兆候は世界の各地から報告されています。
 ところで、この人為的な気温上昇とは別に、地球自体が温暖化(乾燥化)と寒冷化(湿潤化)
を繰り返しています。 1万1000年ほど前に大変厳しい寒冷期から、地球は急激に温暖化しまし
た。現在はこの温暖期にあります。特に7000年前ころは、現在よりも平均気温で2〜3℃高くな
ったために内陸は森林に覆われ、沿岸では海面が上昇して関東平野などは水没してしまいまし
た(縄紋海進)。 今回は、この急激な温暖化に対して縄紋人はどのように対応していたのか、縄
紋人の居住形態や社会・文化変化を絡めながら話してみたいと思います。
                東北芸術工科大学東北文化研究センター教授 安斎正人