【公開講座】空からみた東北―動く森、動く集落―
日時 平成25年1月9日(水) 18:00-19:30(開場17:30)
場所 東北芸術工科大学本館2階207講義室
入場料 無料(※事前のお申込みが必要です。)
企画・申込先 東北芸術工科大学東北文化研究センター(図書館2F、電話023-627-2168)
【開催にあたり】
近年、深刻化しているクマやサル、イノシシ、シカなど野生動物の出没問題。東北地方の中山間地集落における人と自然との関係は危うくなってきている。これらの問題は過疎化や廃村化に拍車をかけ、集落あるいは地域社会の再生にも大きな影響を及ぼしうるものである。その背景要因を考える上で、動物の生態や自然環境の変化だけでなく、自然を利用する生業活動や暮らしの変化という人間社会側の問題にも十分注意する必要がある。かつて集落の周囲でおこなわれていた様々な自然利用、人為は急速に減退し、自然の力が集落へ押し寄せてきている。森も、そして集落も動いているのである。それら動的なプロセスを検証し、問題の根を探っていくことはこれからの地域社会の再編のありかたを考える手がかりとなるにちがいない。
集落の周りに広がる景観にはそのような人びとの営みが刻まれている。本公開講座では、景観を俯瞰して把握できる空中写真に注目し、「空」から東北地方の各集落でみられる暮らしの変化を読みとることを試みる。年代の異なる、あるいは撮影対象の異なる様々な空中写真にもとづき景観の変化パターンの地域性と普遍性を明らかにし、それらの社会的な背景について考えたい。
東北芸術工科大学東北文化研究センター所長・歴史遺産学科教授
田口洋美