【「戦略」調査報告】雲南省第1回現地調査:2013年2月19日-28日
連綿とつらなる山の奥に点在する中国雲南省の苦聡人集落を尋ねたのは2013年2月23日のことでした。苦聡人が住むこの地域は、雲南省の紅河ハニ族イ族自治州が管轄する金平ミョオ族ヤオ族タイ族自治県(略称:金平県)に属し、ベトナムの国境に隣接しています。
苦聡人は森から平地へ定住する以前には、年間の半分は原生林で焼き畑を開墾し、トウモロコシやアワを作り、半分移動しながら狩猟採集の生活をしていました。1949年、新しい中国の建設後、政府の定住政策が打ち出され、徐々に山から下りてきて、定住するようになりました。
今回は、現地の社会状況に詳しい紅河州博物館の李朝春先生から紅河州の民族事情を聞き、また、村の長老である王正忠さんや村人から定住前の暮らしや、かつて使っていた狩猟道具と生業活動、移住後の暮らしの変化などについて聞き取り調査を行いました。
狩猟から定住へ、急速な生活様式の変化は苦聡人社会にどのような影響を与えていたのか、これからも続けて調査していきます。
(謝 黎)