【「戦略」調査報告】「第23回マタギサミットin遠野」への参加
去る6月30日、岩手県遠野市で23回目となる「マタギサミット」が開催されました。そのシンポジウムに学生たちと参加しました。
この「ブナ林と狩人の会:マタギサミット」は、東日本や極東ロシアを中心として狩猟文化研究に取り組まれてこられた田口洋美氏(東北芸術工科大学教授)の発案のもと、毎年開催されてきた狩猟者(マタギ)やその関係者たちの交流会です。サミットでは例年、狩猟をとりまく社会文化的な問題や野生動物の保全管理に関する問題について情報交換がなされたり、議論がおこなわれたりします。
今回のサミット(シンポジウム)では、田口氏による「放射能汚染と東北の狩猟」という発表のあと、マタギの方々が登壇され「今年、クマの大量出没は起こるのか?」というテーマのもとパネルディスカッションがおこなわれました(写真参考)。クマの大量出没の可能性や対策の課題などについて、各地での森林や狩猟の状況をふまえ話し合われました。
「戦略」での調査活動の一つに、学生を主体とした東北地方の集落調査がありますが、秋田県北秋田市の阿仁や、山形県小国町など、このサミットへ参加された猟師さんたちの集落もその対象地としています。今回参加した学生たちは、シンポジウムや交流会を通し、狩猟をはじめとした生業や村での暮らしについて様々なお話を猟師さんたちから聞かせてもらうことができました。
(蛯原 一平)