【「戦略」公開講座報告】「民俗考古学事始―縄紋人の生活を復元する―」
平成25年6月26日、公開講座「民俗考古学事始―縄紋人の生活を復元する―」を開催しました。講師は本研究センター教授の安斎正人と、民俗考古学者の名久井文明氏です。
名久井氏は、縄紋人の生活の具体像に「民俗考古学」という方法で迫ろうとなさっています。遺物として出土していないモノや、遺物のみでは用途がわかりにくい場合についても、民俗事例を参照することで解明できるのではないか。氏はそのようにおっしゃいます。
ハナ(デンプン)をとり、練って食べるために丸型尖底の土器が生まれた。その後、大型木製容器が登場したことで、ハナをとるという用途が土器に求められなくなり、丸底尖底の形状は消え、平底の土器へと変わっていった。民俗事例を参照することで、たとえば上記のような見解が導き出されるとのこと。
樹皮製容器での煮炊き実験の様子を映した動画の上映もあり、氏の方法論がよくわかる講演内容であったかと思います。
(中村 只吾)
参加者数:52人