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2012年度『福しまピクニック』が終了|『福しまピクニック2012を振り返って』

 11/10(土)に2012年度の『福しまピクニック』が晴天の中無事終了を迎えました。2011年8月に東北芸術工科大学で開催された『キッズアートキャンプ山形』のスピンオフ企画として始まった福しまピクニックは、2011年10月から11月に3回実施され、252名(総合参加者数)の方にご参加頂くことができました。

2012年の開催をどうするか考えている頃、有り難いことに参加者の方から「来年も開催してほしい」というお話を頂き、家族の交流の場をつくる支援プログラムとして2012年も引き続き活動することができました。

今年度の福しまピクニックは福興会議メンバーの「千田若菜」さん、「茂和泉かなこ」さん、「大津悠美子」さんの3名が中心になり企画運営を担当しました。福しまピクニックでは主なメニューが毎回決まっています。「食育」として『ガールズ農場』さんの畑で収穫した野菜を使いみんなでつくる料理や、季節の果物を使った『てづくりパンNOUKA』さんのジャムづくり。最後の4回目には特別講師として『自家手焙煎珈琲豆まろ』さんと『大曽根餅つき保存会』の皆さんにもサポート頂きました。

 「ものづくり」では、花農家×花アーティストコミュニティー『floRe:(ふらり)』の木村聡美さんにご協力頂き、アレンジだけに留まらないお花のワークショップを開催して頂きました。日々のお仕事がある中、企画から実施までサポートして頂き本当にありがとうございます。合わせて、福しまピクニックにボランティアとしてお手伝い頂いた皆さまにもこの場をお借りして感謝申し上げます。

 計4回のピクニックの中でそれぞれが新しい気付きを得て、回を増すごとに充実したピクニックを開催できたと思います。今回は福興会議メンバー代表として、陰ながら全体を引っ張ってくれた千田若菜さんの『福しまピクニック2012レポート』を以下よりご紹介させていただきます。

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福しまピクニック2012を振り返って

本年度最後の福しまピクニックが終わり、いよいよ山形も寒さの厳しい冬を迎えようとしています。汗だくになりながら芝生の上を走り回っていた7月から早くも4ヶ月が経ち、すっかり景色は秋の終わりに移り変わっていました。

今年のピクニックは、ガールズ農場さんの畑で収穫した採れたての季節の野菜を取り入れた「食育」に、floRe:(ふらり)の県産のお花や植物を使った「ものづくり」や、てづくりパンNOUKAさん直伝の「ジャムづくり」、福興会議メンバーによる「コーヒーエイド」や「外遊び」の企画など、豊富なメニューが楽しめる内容でした。

講師の方々はもちろんのこと、事務局スタッフの皆さんや福興会議メンバーも準備に奔走し、毎回始まる直前まで緊張と不安でどきどきしていました。ですが、そんな緊張や不安も子どもたちの元気な笑顔を見るとすぐに吹き飛んでしまいます。しかし子どもたちは笑顔だけでなく、声もかけられない様な真剣な眼差しをしたり、不機嫌になり突然泣き出したりと色んな表情を見せてくれます。

そんな子どもたちと同じ目線に立ってみると、私にとって何の変哲も無かった日常が、本当は驚きと発見に満ち溢れているものなのだと教えてもらった様な気がします。青空の下で食べるご飯は美味しいということ。自然にあるものは何でも遊び道具に変身してしまうということ。何でもない散歩道が大冒険の道になってしまうということ。忘れていた昔の記憶がどんどん蘇ってくる様で、わくわくする気持ちの大切さを身体いっぱいに感じていました。

私にとって幼い頃のピクニックの思い出は「家族の思い出」です。思い出される断片的な記憶の風景には美しい自然があり、お稲荷さんや卵焼きがぎゅうぎゅうに詰まったお弁当があり、そしていつも「家族の姿」がありました。この福しまピクニックもそんな家族の思い出の1つとして参加して下さった皆さんの心の風景に残ることが出来ればと思います。そして子どもたちが大人になり自分の子どもを授かった時、「大きくなったら一緒にピクニックに行きたいな」なんて思ってもらえたら、これ以上嬉しいことはありません。

最後に参加してくださった講師の皆様、事務局の皆さんと福興会議メンバー、そして参加者のご家族の皆様に改めて感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。また来年も、あの青々とした芝生の上で笑顔一杯の福しまピクニックが開催されることを心から願います。

 

千田若菜(福興会議メンバー代表/美術科版画コース4年)

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福しまピクニックとは?

現在も、山形県には1万3千人の福島のご家族が避難されています。『福しま』は、福島の〈福〉、縞模様の〈しま〉を合わせ、「東北の青空の下で、福島と山形のみんなで幸福な時間を一緒に楽しもう」という意味を込めました。昨年にひきつづき、今年も村山市の農村文化伝承館で、「ものづくり&交流ピクニック」を開催します!今年の『福しまピクニック』は、『山形ガールズ農場』さ んコーディネートの収穫体験に加え、草花の新しい魅力を提案する「花育」コミュニティ『floRE:ふらり』のワークショップなども加わり、さらに彩り豊 かにパワーアップ。お父さんもお母さんもこどもたちも、みんなが楽しめるピクニックイベントです。このピクニックが、あたらしい出会いや、ものづくりの喜 びに触れられる機会になれば幸いです。

 

●2012年の実施日

第4回:2012年7月15日[日]

第5回:2012年9月8日[土]

第6回:2012年10月8日[月・祝]

第7回:2012年11月10日[土]

今年度の福しまピクニックは、計4回(7/15、9/8、10/8、11/10)を実施し、約300名(総合参加者数)の方にご参加頂きました。冬期間のピクニックはしばしお休みですが、冬の生活を家族で楽しく飾るためのデザインワークショップ『福しま図案室』を今年も開催いたします。

 

福しま図案室とは?

山形県には、福島県各地から自主避難されているご家族がいらっしゃいます。そのうちの4割が母子だけで転居されている逆単身赴任型です。東北芸術工科大学(企画=福興会議)では、福島のご家族の、山形での新しい生活を応援するピクニックイベント『福しまピクニック』を村山市の農業体験施設で実施しました。『福しま図案室』は、その後継企画として、東京で活躍中の素敵なゲスト講師をお招きし、冬の生活を家族で楽しく飾るためのデザインワークショップを開講いたします。第1回目のゲスト講師は料理創作ユニット『Goma』さんを迎え、クリスマスまでお家に飾れるパンや、デコレーションケーキをみんなでつくります!

※福しま図案室の詳細は近日ブログにて発表させていただきます。

 

役野友美(TRSO事務局)