阿部智里さん、松崎夏未さん、堂場瞬一さん(twitter より。+感想)

●阿部智里さん&松崎夏未さん

▼東北芸術工科大学文芸学科のオープン・キャンパス2日目(8月2日)、「阿部智里×松崎夏未×池上冬樹トークショー」に多数のご来場ありがとうございました! お二人ともプロ中のプロ、全力で仕事に打ち込んでいる話がずしりと響きました。手応えのある示唆に富む話多数で、とても1時間では足りなかったですね。

▼2)本来なら昨日はせんだい文学塾で、お二人が講師を務める予定でしたが、コロナ感染者拡大のために中止。芸工大のトークショーはオンラインということで実現できましたが、いやあ、お二人のお話がすごく面白くて鋭く(ためになりました)、仙台か山形講座にもう一度お招きしなければと思いました。

阿部智里さんは、昨年の12月に「山形小説家・ライター講座」にお招きした(前半のテキスト講評はここ、後半のトークショーはここ)。そのときの司会進行は講座出身の紺野仲右ヱ門(夫婦作家)。紺野夫妻および受講生からは阿部さんの弾丸トークが素晴らしすぎる! という感想をいただいたのだが、まさにその片鱗が今回もうかがえた。松崎さんとは初対面だが、芯の太い堂々たる見方・発言で、阿部智里さんが尊敬の念を抱いているのがよくわかった。次回はぜひ僕が司会進行をして、お二人にあらためて詳しくお聞きしたいと思っている。

 

●堂場瞬一さん

▼今日(8月5日)は芸工大のゼミの前期最終日、堂場瞬一さん(&編集者2人)をお招きして特別講座を開催した。前半は池上ゼミ生3人のテキスト講評、後半はトークショーと小説家講座と同じ構成です。スポーツ小説の書き方、王道とは何か、作家9割が書く方法を選ばずあえて残り1割をとることの挑戦の意味とは・・。

▼2)パターン化する結末を避ける方法とは何か、細かいことは後回しでいい、とりあえず完成させることの重要性、さらに学生に対する助言としては、焦るな、経験をしろ、37歳デビュー説がある、大学卒業後12年間社会生活を送れ、誰よりも詳しい職業(ジャンル)を掴め、といい話を沢山してくれた。

▼3)あえて自分の話を書くなという大胆な言葉もあった。終わってすぐにゼミ生たちに感想を聞いたら、面白いことに印象に残った助言がみな違っている。書いているものと姿勢が異なるんだなあと改めて。今週は前期最後にあたり、ゼミ生以外の参加は無理かと思ったら駆けつけてくれた学生が20人近く。

▼4)他の授業を欠席して、僕のゼミにもぐりこんできれたのはありがたい。いや、ありがたいといえば、薄謝(文字通り薄謝)にもかかわらず、2時間近くも学生の相手をしてくださった堂場瞬一さんと編集者には感謝です。本当にありがとうございました! 勉強になりましたし、何よりも楽しかった。

▼5)言い忘れたが、堂場瞬一さんをお招きしての特別講座はリモートである。大学から交通費が出るとはいえ、わざわざ山形まで来てもらって半日つぶしての薄謝よりも、2時間だけ参加しての薄謝のほうが負担はかからない。作家を大学に招きやすくなったかも。とはいえ薄謝は本当に薄謝で、実に申し訳ない。

堂場瞬一さんは海外ミステリの大ファンであり、評論家以上に海外ミステリの新作を読んでいるかもしれない。その意味で、作家と評論家という立場よりも、海外ミステリファンの同士という印象が強い。話をしていても簡単に通じることが嬉しく、堂場瞬一さんは「山形小説家・ライター講座」「せんだい文学塾」の常連講師になってもらっている。
山形→仙台→山形→仙台と毎年のようにお招きしていたが(たとえばテキスト講評はここ、トークショーはここ)、今年度は難しかった。どこかのタイミングでお招きできないかと考えていたが、コロナによるオンライン授業の普及で、逆に垣根が低くなった。文藝春秋の会議室で、堂場瞬一さんと対談したこともあるが、リモートの一般化で、上京しなくても対談ができるようになるかもしれない。嬉しいことですね。