昨年の夏になるけれど、文芸評論家の北上次郎さんから本をいただいた。『書評家稼業四十年』(本の雑誌社)である。
本の帯には「エンタメ書評界の回想録」とあるけれど、単なる回想にとどまらず、四十年間の小説の流行を詳しく検証しているし(とくに真ん中に置かれた「書評家になるまで」「中間小説の時代」の章が圧巻)、書評を書く上での苦労と愉悦をエピソード満載で生き生きと楽しく書いているし、作家や編集者や書評家たちとの交流も多彩で(僕もところどころに顔をだします)、実に面白い。エンターテインメントや書評や編集などに興味がある方なら、ぜひ読まれるといいだろう。
この本の巻末に、北上次郎文庫解説リストがついている。これが壮観。1978年から2018年までの40年間のリストである。北上さんは文庫解説を選んでいるはずだが(好きな作品しかとりあげない主義だと思う。単独の推薦文も断り、雑誌に掲載されたものを帯に使ってくれと頼んでいる。こんなに厳格な文芸評論家はまずいないと思う)、それでもやはり40年間におよぶと数は多い。
リストを見て、僕も解説リストを提示したくなった。それで以下に、文庫解説リストをはりつけるけれど、わかっているだけで、2冊ほど、北上さんが断ったために僕のところに解説依頼がきたものがある。編集者にきけばもっとあるのかもしれないが、そういうことはあまり教えてくれない。まあ、二番手だろうと何だろうと解説できるのは嬉しい。名誉に思えるからね。では、解説リストをはりつけます。単独の推薦文リストもついでに。
■池上冬樹/年代順別文庫解説リスト(ハ=ハヤカワ文庫、創=創元推理文庫、扶=扶桑社ミステリー)▼=単独の推薦文(解説ではありません)
●1988年
・ロバート・B・パーカー『レイチェル・ウォレスを捜せ』(ハヤカワ文庫、3月)
・ジェイムズ・クラムリー『さらば甘き口づけ』(ハヤカワ文庫、9月)
・ディック・フランシス『名門』(ハヤカワ文庫、10月)
●1990年
・ウイリアム・G・タプリー『ウィーラーからの電話』(扶桑社ミステリー、1月)
・ジャック・アーリー『9本指の死体』(扶桑社ミステリー、3月)
・東理夫『暁の翼の男』(光文社文庫、5月)
・ローレンス・ブロック『暗闇にひと突き』(ハヤカワ文庫、9月)
●1991年
・キース・ピータースン『幻の終わり』(創元推理文庫、6月)
・マイクル・Z・リューイン『A型の女』(ハヤカワ文庫、7月)
・早川書房編集部編『ミステリ・ハンドブック』(同。鼎談・評論2本、9月)
●1992年
・サンドラ・スコペトーネ『狂気の愛』(扶桑社ミステリー、9月)
・マックス・アラン・コリンズ『想い出は奪えない』(創元推理文庫、11月)
●1993年
・法月綸太郎『頼子のために』(講談社文庫、5月)
・花村萬月『重金属青年団』(角川文庫、6月)
・斎藤純『海へ、そして土曜日』(講談社文庫、7月)
・志水辰夫『帰りなん、いざ』(講談社文庫、7月)
・デイヴィッド・ハンドラー『猫と針金』(講談社文庫、10月)
●1994年
・エド・マクベイン『長靴をはいた猫』(ハヤカワ文庫、2月)
・花村萬月『渋谷ルシファー』(集英社文庫、3月)
・大沢在昌『感傷の街角』(角川文庫、9月)
・アンドリュー・ヴァクス『フラッド』(ハヤカワ文庫、9月)
・北方謙三『不良の木』(光文社文庫、10月)
●1995年
・スー・グラフトン『殺人のH』(ハヤカワ文庫、5月)
・エド・マクベイン『魔術』(ハヤカワ文庫、6月)
・北方謙三『錆びた浮標』(講談社文庫、7月)
・宮部みゆき『本所深川ふしぎ草紙』(新潮文庫、9月)
・ローレンス・ブロック『墓場への切符』(二見文庫、11月)
●1996年
・打海文三『されど修羅ゆく君は』(徳間書店、5月)
▼ジョン・カルヴィン・バチュラー『二人の大統領』(祥伝社。※賛辞。6月)
・デイヴィッド・グターソン『殺人容疑』(講談社文庫、9月)
●1997年
・佐藤正午『人参倶楽部』(集英社文庫、1月)
・宮部みゆき『スナーク狩り』(光文社文庫、6月)
・ダシール・ハメット『コンティネンタル・オプ』(集英社文庫、7月)
・北方謙三『日付変更線』(幻冬舎文庫、8月)
・椎名誠『トロッコ海岸』(文春文庫、9月)
▼神崎京介『ピュア』(幻冬舎ノベルス。※賛辞。12月)
●1998年
▼古川日出男『13』(幻冬舎。※賛辞。1998年3月)
・バーバラ・ヴァイン『長い夜の果てに』(扶桑社ミステリー、3月)
・小池真理子『怪しい隣人』(集英社文庫、4月)
・花村萬月『ぢん・ぢん・ぢん』(祥伝社。※単行本。7月)
・アメリカ探偵作家クラブ編『ミステリー書き方』(講談社文庫、7月)
・北方謙三『遠い港』(角川文庫、7月)
・野沢尚『恋愛時代』(幻冬舎文庫、8月)
・シャスティン・エークマン『白い沈黙』(講談社文庫、8月)
・ジョー・ゴアズ『ハメット』(角川文庫、9月)
・重松清『ビフォア・ラン』(幻冬舎文庫、10月)
・小鷹信光『探偵物語』(幻冬舎文庫、10月)
・エディ・リトル『アナザー・デイ・イン・パラダイス』(ソニーマガジン、10月)
・大沢在昌『天使の牙』(角川文庫、11月)
・テレパル編集部『ミステリー作家90人のマイ・ベストミステリー映画』 (小学館文庫
・A・デュマ 村松友視訳『モンテ・クリスト伯』(講談社、12月)
●1999年
▼吉田直樹『緋の楔』(祥伝社。カヴァーの賛辞。1999年4月)
・ロバート・ゴダード『鉄の絆』(創元推理文庫、4月)
・小林信彦『〈超〉読書法』(文春文庫、5月)
・スチュアート・カミンスキー『愚者たちの街』(扶桑社ミステリー、6月)
・乃南アサ『結婚詐欺師』(幻冬舎文庫、8月)
・本間香一郎『置き去りの街』( カッパ・ノベルス、8月)
・連城三紀彦『恋』(幻冬舎文庫、11月)
・逢坂剛『よみがえる百舌』(集英社文庫、11月)
・ロバート・B・パーカー『沈黙』(早川書房、12月)
・スー・グラフトン編『アメリカミステリ傑作選 2000』(DHC、12月)
●2000年
・デイヴィッド・グターソン『死よ光よ』(講談社文庫、2000年2月)
・山田智彦『重役室25時』(徳間文庫、4月)
・小池真理子『欲望』(新潮文庫、4月)
・ローレン・D・エスルマン『欺き』(講談社文庫、4月)
・小林信彦『読書中毒 ブックレシピ61』(文春文庫、5月)
・吉川英明『水よりも濃く』(講談社文庫、7月)
・佐々木譲『総督と呼ばれた男』(集英社文庫、8月)
・ロバート・クラーク『記憶なき殺人』(講談社文庫、9月)
・『ジャンル別文庫本ベスト1000』(安原顕編、学研M文庫、9月)
・椎名誠『黄金時代』(文春文庫、12月)
●2001年
・花村萬月『ぢん・ぢん・ぢん』(祥伝社文庫、2001年3月)※40に追記
・野沢尚『リミット』(講談社文庫、6月)
・エド・マクベイン編『アメリカミステリ傑作選2001』(DHC、6月)
・石田衣良『池袋ウエストゲートパーク』(文春文庫、7月)
・デイヴィッド・ピース『1974 ジョーカー』(ハヤカワ文庫、7月)
・矢作俊彦『マイク・ハマーへ伝言』(角川文庫、7月)
・ドナルド・ジェイムズ『凶運を語る女 ムルマンスク、2017年』(扶、7月)
・ボストン・テラン『神は銃弾』(文春文庫、9月)
・酒見賢一『童貞』(集英社文庫、9月)
・大沢在昌『B・D・T 掟の街』(角川文庫、9月)
・荻原浩『オロロ畑でつかまえて』(集英社文庫、10月)
・斎藤純『凍樹』(講談社文庫、11月)
・佐藤正午『恋を数えて』(角川文庫、11月)
・高橋克彦『完四郎広目手控』(集英社文庫、12月)
●2002年
・ジョン・モーガン・ウィルスン『夜の片隅で』(ハ、2002年2月)
・逢坂剛『カディスの赤い星』(双葉文庫、2月)
・デイヴィッド・K・ハーフォード『ヴェナトム戦場の殺人』(扶、3月)
・佐藤賢一『王妃の離婚』(集英社文庫、5月)
・村山由佳『翼』(集英社文庫、6月)
・アンドリュー・クラヴァン『愛しのクレメンタイン』(創元推理文庫、6月)
・ドナルド・ E・ウェストレイク編『アメリカミステリ傑作選2002』(DHC 、6月)
▼『まるごと宮部みゆき』所収「ミステリ論」(朝日新聞社、7月)
・高見広春『バトル・ロワイアル』(幻冬舍文庫、8月)
・勝目梓『報復のバラード』(光文社文庫、8月)
・ラウル・ホイットフィールド『グリーン・アイス』(小学館、8月)
・奥田英朗『最悪』(講談社文庫、9月)
・スティーヴ・マルティニ『弁護人』(講談社文庫)、11月)
・馳星周『M』(文春文庫、12月)
・ジェフリー・ディーヴァー『ヘルズ・キッチン』(ハ、12月)※解説は共著
●2003年
・大藪春彦『雇われ探偵』(光文社文庫、2003年1月)
・ジェフリー・ディーヴァー『ブラッディ・リヴァー・ブルース』(ハ、1月)※共著
・エリック・ガルシア『鉤爪プレイバック』(ヴィレッジブックス、1月)
・ジェフリー・ディーヴァー『シャロウ・グレイブズ』(ハ、2月)※共著
▼103 伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』(ノン・ノベル)※賛辞
・ジョー・R・ランズデール『ダークライン』(早川書房、3月)
・ローレンス・ブロック編『アメリカミステリ傑作選2003』(DHC、6月)
・古川日出男『沈黙/アビシニアン』(角川文庫、7月)
・マックス・アラン・コリンズ『黒衣のダリア』(文春文庫、9月)
・麻生幾『ZERO』(幻冬舎文庫、9月)
・若竹七海『古書アゼリアの死体』(光文社文庫、9月)
・ハリー・ホイッティントン『殺人の代償』(扶、10月)
・新野剛志『罰』(幻冬舎文庫、10月)
・T・ジェファーソン・パーカー『コールド・ロード』(早川書房、10月)
・大藪春彦『人狩り』(光文社文庫、10月)
・デニス・ルヘイン『シャッター・アイランド』(早川書房、12月)
●2004年
・ジェイムズ・エルロイ『わが暗黒の母』(文春文庫、2004年 1月)
・アガサ・クリスティー『未完の肖像』(ハヤカワ文庫、1月)
・椎名誠『春画』(集英社文庫、2月)
・マーヴィン・H・アルバート『セメントの女』(HPB、4月)
・逢坂剛『配達される女』(集英社文庫、4月)
・北方謙三『冬の眠り』(文春文庫、5月)
・ジョイス・キャロル・オーツ編『アメリカ新進作家傑作選2003』(DHC、5月)
・柴田よしき『ふたたびの虹』(祥伝社文庫、6月)
・宮部みゆき『理由』(新潮文庫、6月)
▼ジョイス・キャロル・オーツ『生ける屍』(扶桑社ミステリー、7月)※賛辞
・ルブラン原作/逢坂剛訳『奇岩巌』(講談社文庫、8月)
・吉村昭『秋の街』(中公文庫、8月)
・キース・アブロウ『抑えがたい欲望』(文春文庫、9月)
・佐伯一麦『遠き山に日は落ちて』(集英社文庫、10月)
・森村誠一『棟居刑事の殺人の衣裳』(中公文庫、10月)
・北方謙三『擬態』(文春文庫、11月)
・熊谷達也『山背郷』(集英社文庫、12月)
・森村誠一『窓』(光文社文庫、12月)
●2005年
・志水辰夫『背いて故郷』(新潮文庫、2005年1月)
・ロバート・ゴダード『悠久の窓』(講談社文庫、3月)
・盛田隆二『ラスト・ワルツ』(角川文庫、3月)
・仁木悦子『探偵三影潤全集②青の巻』(出版芸術社、4月)
・森村誠一『深海の迷路』(講談社文庫、4月)
・伊坂幸太郎『ラッシュライフ』(新潮文庫、4月)
・アラフェア・バーク『消えた境界線』(文春文庫、5月)
・矢作俊彦『リンゴォ・キッドの休日』(角川文庫、5月)
・森村誠一『地果て海尽きるまで』(ハルキ文庫、6月)
▼『ジム・トンプスン最強読本』(扶桑社、6月)※『ゲッタウェイ論』所収
・北方謙三『鎖』(文春文庫、7月)
・打海文三『そこに薔薇があった』(中公文庫、7月)
・ジョン・ケイシー編『アメリカ新進作家傑作選2004』(DHC、7月)
・ロバート・マキャモン『少年時代』(ヴィレッジブックス、7月)
・ニーナ・ルヴォワル『ある日系人の肖像』(扶桑社ミステリー、8月)
・唯川恵『ベターハーフ』(集英社文庫、9月)
・森村誠一『黒い戦闘機』(集英社文庫、9月)
・C・J・ボックス『凍れる森』(講談社文庫、10月)
・レイ・ブラッドベリ『死ぬときはひとりぼっち』(文藝春秋、10月)
・篠田節子『マエストロ』(角川文庫、11月)
・クライヴ・バーカー『アバラット』(ヴィレッジブックス、11月)
・蓮見圭一『水曜日の朝、午前三時』(新潮文庫、12月)
・W・L・リプリー『夢なき街の狩人』(創元推理文庫、12月)
●2006年
・北方謙三『白日』(文春文庫、2006年1月)
・トレヴェニアン『シブミ』(ハヤカワ文庫、2月)
・石坂洋次郎『陽のあたる坂道』(角川文庫、2月)
・横山秀夫『第三の時効』(集英社文庫、3月)
・ミステリー文学資料館篇『わが名はタフガイ』(光文社文庫、5月)
・ジョン・ル・カレ『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』(ハ、5月)
・北方謙三『煤煙』(講談社文庫、7月)
・フランシン・プローズ編『アメリカ新進作家傑作選2005』(DHC 、7月)
・森村誠一『闇の処刑人 刺客請負人』(中公文庫、7月)
・恩田陸『夜のピクニック』(新潮文庫、9月)
・北上次郎『感情の法則』(幻冬舎文庫、10月)
・村山由佳『永遠。』(講談社文庫、10月)
・樋口有介『枯葉色グッドバイ』(文春文庫、11月)
・グレアム・グリーン『ヒューマン・ファクター』(ハヤカワ文庫、11月)
・170 『X橋付近 高城高ハードボイルド傑作選』(荒蝦夷、12月)
・ケヴィン・ギルフォイル『我らが影歩みし所』(扶桑社ミステリー、12月)
●2007年
・北方謙三『水滸伝四 道蛇の章』(集英社文庫、2007年1月)
・馳星周『クラッシュ』(徳間文庫、2月)
・逢坂剛『猿曳遁兵衛 重蔵始末(三)』(講談社文庫、3月)
・野沢尚『ひたひたと』(講談社文庫、5月)
・河崎愛美『あなたへ』(小学館文庫、5月)
・佐藤賢一『剣闘士スパルタクス』(中公文庫、5月)
・角田光代『太陽と毒ぐも』(文春文庫、6月)
・深町秋生『果てしなき渇き』(宝島社文庫、6月)
・南条範夫『大名廃絶録』(文春文庫、7月)
▼ロバート・シェイ&ロバート・A・ウィルスン
『イルミナティⅢ リヴァイアサン襲来』(集英社文庫、7月。※賛辞)
▼アンヌ・ランバック『東京カオス』(阪急コミニュケーションズ、8月。※賛辞)
▼川上健一『渾身』(集英社、8月)※帯に「青春と読書」の書評引用
・ジェーン・スマイリー編『アメリカ新進作家傑作選2006』(DHC、8月)
・トマス・H・クック『石のささやき』(文春文庫、9月)
・杉山隆男『汐留川』(文春文庫、10月)
・香納諒一『あの夏、風の街に消えた』(角川文庫、10月)
・佐藤正午『彼女について知ることのすべて』(光文社文庫、11月)
▼清野かおり『スパイラル』(ポプラ社、12月)※帯に「asta」の書評
・宮本輝『草原の椅子』(新潮文庫、12月)
●2008年
・北重人『夏の椿』(文春文庫、2008年1月)
・打海文三『ドリーミング・オブ・ホーム&マザー』(光文社、2月)
・藤堂絆『アシタ』(ピュアフル文庫、3月)
・ローリー・リン・ドラモンドの『あなたに不利な証拠として』(ハ、3月)
▼ジョージ・P・ペレケーノス『変わらぬ哀しみは』(ハ、3月)※賛辞
・南木佳士『こぶしの上のダルマ』(文春文庫、4月)
・瀬尾まいこ『優しい音楽』(双葉文庫、4月)
・佐々木譲『夜にその名を呼べば』(ハヤカワ文庫、5月)
・鬼塚忠『Little DJ 小さな恋の物語』(ポプラ社文庫、6月)
・北上次郎『冒険小説論 近代ヒーロー像100年の変遷』(双葉文庫、6月)
▼三田完『当マイクロフォン』(角川書店、6月)※雑誌掲載の引用(賛辞)
▼デニス・ルヘイン『運命の日』(早川書房、7月)※賛辞
・貫井徳郎『追憶のかけら』(文春文庫、7月)
・吉岡暁『サンマイ崩れ』( 角川ホラー文庫、7 月)
・佐々木譲『ネプチューンの迷宮』( 扶桑社文庫、9月)
・早川書房編集部編『ロバート・B・パーカー読本』(早川書房、9月)
・打海文三『一九七二年のレイニー・ラウ』(小学館文庫、10月)
・飴村行『粘膜人間』(角川ホラー文庫、10月)
・打海文三『覇者と覇者』(角川書店、10月)
・高城高『高城高全集第四巻 星の岬』(創元推理文庫、11月)
・佐々木譲『飛ぶ想い』(扶桑社文庫、11月)
・スー・ミラー編『アメリカ新進作家傑作選2007』(DHC、11月)
▼スティーグ・ラーソン『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』
(早川書房、12月)※賛辞
●2009年
・乃南アサ『風の墓碑銘(エピタフ)』(新潮文庫、2009年1月)
・永瀬隼介『誓いの夏から』(光文社文庫、2月)
・誉田哲也『ジウⅢ 新世界秩序』(中公文庫、2月)
・佐々木譲『ラストラン』(ポプラ社文庫、4月)
・片岡義男『花模様が怖い 謎と銃弾の短篇』(池上冬樹編・ハヤカワ文庫、4月)
・ロス・マクドナルド『兇悪の浜』(創元推理文庫、4月)
・森村誠一『棟居刑事の純白の証明』(中公文庫、4月)
・川上弘美『夜の公園』(中公文庫、4月)
・新庄節美『夏休みだけ探偵団 二丁目の犬小屋盗難事件』(日本標準、4月)
・川端裕人『今ここにいるぼくらは』(集英社文庫、5月)
・管野ひろし『秒奪 交通システムに侵入せよ』(ポプラ社、7月)
・スティーグ・ラーソン『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』(早、7月)
・真保裕一『栄光なき凱旋』(文春文庫、7月)※上中下の下巻に
・北方謙三『旅のいろ』(講談社文庫、9月)
・藤原伊織『ひまわりの祝祭』(角川文庫、9月)
・志水辰夫『青に候』(新潮文庫、10月)
・熊谷達也『新任教師』(徳間文庫、10月)
・藤原審爾『新宿警察Ⅱ 慈悲の報酬』(双葉文庫、10月)※小説推理転載
・勝目梓『小説家』(講談社文庫、10月)
・北方謙三『棒の哀しみ』(集英社文庫、10月)
・佐伯一麦『石の肺 僕のアスベスト履歴書』(新潮文庫、10月)
・佐々木譲『夜を急ぐ者よ』(ポプラ文庫、11月)
・リチャード・ボーシュ編『アメリカ新進作家傑作選2008』(DHC、11月)
・平安寿子『あなたにもできる悪いこと』(講談社文庫、12月)
・北重人『火の闇 飴売り三左事件帖』(徳間書店、12月)※問題小説転載
・北重人『夜明けの橋』(新潮社、12月)※小説新潮転載
▼桜木紫乃『恋肌』(角川書店、12月)※帯の推薦文
●2010年
・北重人『白疾風』(文春文庫、2010年1月)
・打海文三『ドリーミング・オブ・ホーム&マザー』(光文社文庫、1月)
▼ジェラルディン・ブルックス『古書の来歴』(ランダムハウス講談社、1月)※帯
・北原亞以子『まんがら茂平次』(徳間文庫、2月)
・北方謙三『冬こそ獣は走る』(光文社文庫、2月)
・森村誠一『白の十字架』(中公文庫、3月)
・白川道『最も遠い銀河』(幻冬舎文庫、4月)
・ジョン・ハート『ラスト・チャイルド』(ハヤカワ文庫&HPB、4月)
・S・J・ローザン『夜の試写会 リディア&ビル短編集』(創、4月)
・佐々木譲『鉄騎兵、跳んだ』(文春文庫、5月)
・佐藤賢一『黒い悪魔』(文春文庫、8月)
・北方謙三『夜が傷つけた』(講談社文庫、8月)
・サラ・パレツキー『サマータイム・ブルース』(ハヤカワ文庫、8月)
・森村誠一『青春の守護者』(角川文庫、9月)
▼深町秋生『ダブル』(幻冬舎、9月)※ウェブの書評が帯に引用される
▼三咲光郎『死の犬』(角川書店、9月)※帯の推薦文
・高橋克彦『風の陣 風雲篇』(PHP文庫、10月)
▼高城高『ウラジオストクから来た女』(東京創元社、10月)※帯の推薦文
・J・ディーヴァー編『ベスト・アメリカン・短編ミステリ』(DHC、11月)
・深町秋生『果てしなき渇き』(宝島社文庫、11月)※新装版。加筆版
・花村萬月『錏娥哢□(アガルタ)』(集英社文庫、12月)
●2011年
・ディック・フランシス&フェリックス・フランシス『矜持』(早川書房、1月)
・森村誠一『碧(あお)の十字架』(中公文庫、1月)
・熊谷達也『群青に沈め』(角川文庫、2月)
・佐々木譲『ネプチューンの迷宮』(ポプラ社文庫、2月)※扶桑社文庫の移籍
・トレヴェニアン『シブミ』(ハヤカワ文庫、3月)※新装版。解説に加筆。
・穂高明『月のうた』(ポプラ文庫、4月)
・森村誠一『悪しき星座』(集英社文庫、4月)
・カミラ・レックバリ『悪童 エリカ&パトリック事件簿』(集英社文庫、4月)
・太田忠司『刑事失格』(創元推理文庫、4月)
・堂場瞬一『断絶』(中公文庫、7月)
・ゾラン・ドヴェンカー『謝罪代行社』(ハヤカワ文庫、8月)
▼申京淑『母をお願い』(集英社文庫、9月)※帯の推薦文
▼月村了衛『機龍警察 自爆条項』(早川書房、9月)※帯の推薦文
・森村誠一『青春の条件』(ハルキ文庫、10月)
・クレイグ・マクドナルド『パンチョ・ビリャの罠』(集英社文庫、10月)
・ジェフリー・ディーヴァー『スリーピング・ドール』(文春文庫、11月)
・佐藤正午『身の上話』(光文社文庫、11月)
・伊集院静『三年坂』(講談社文庫、11月)
・木村二郎『ヴェニスを見て死ね』(創元推理文庫、11月)
・スティーグ・ラーセン『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』
(ハヤカワ文庫、12月)※「224」の文庫化
・矢野隆『蛇衆』(集英社文庫、12月)
・佐竹幸子『星ふる村落からこんばんわ』(書肆犀、12月)
●2012年
・安達千夏『かれん』(角川文庫、2012年1月)
・高橋義夫『御隠居忍法 魔物』(中公文庫、1月)
・柴田哲孝『GEQ 大地震』(角川文庫、2月)
・伊集院静『お父やんとオジさん』(講談社文庫、3月)
・ジョン・ル・カレ『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』
(ハヤカワ文庫、3月)※2006年刊行の新装版
・海野碧『アンダードッグ』(実業之日本社文庫、4月)
・佐藤賢一『戦争の足音 小説フランス革命9』(集英社文庫、5月)
・北重人『夜明けの橋』(新潮文庫、5月)※単行本の解説に加筆
・逢坂剛『兇弾 禿鷹Ⅴ』(文春文庫、7月)
・沼田まほかる『痺れる』(光文社文庫、8月)
・森村誠一『夜明けのコーヒーを君と一緒に』(中公文庫、9月)
・森村誠一『新・野性の証明』(角川文庫、9月)
・堂場瞬一『逸脱 捜査一課・澤村慶司』(角川文庫、9月)
▼太田愛『犯罪者 クリミナル』(角川書店、9月)※推薦文
・ユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q 檻の中の女』(ハヤカワ文庫、10月)
・『ベストアメリカン短篇ミステリ2012』(ハーラン・コーベン&オットー・ ペンズラー編。DHC、11月)
●2013年
・中路啓太『豊国神宝』(新潮文庫、2013年1月)※『謎斬り右近』改題
・有川浩『植物図鑑』(幻冬舎文庫、1月)
・リー・チャイルド『アウトロー』(講談社文庫、1月)
▼織田啓一郎『谷中ゲリラアーチスト』(徳間書店、2月)※推薦文
▼新野剛志『美しい家』(講談社、2月)※推薦文
・馳星周『美ら海、血の海』(集英社文庫、3月)
・熊谷達也『稲穂の海』(文春文庫、4月)
・伊東潤『虚けの舞』(講談社文庫、4月)
・安東能明『伏流捜査』(集英社文庫、4月)
・カミラ・レックバリ『踊る骸 エリカ&パトリック事件簿5』(集英社文庫 4月)
▼小杉英了『先導者』(角川書店)※推薦文 昨年10月に出た本の帯改定版
・佐藤賢一『新徴組』(新潮文庫、5月)
・阿部和重『シンセミア』(講談社文庫、5月)
・吉村龍一『旅のおわりは』(集英社文庫、5月)
▼吉村龍一『光る牙』(講談社)※推薦文 2月に出た本の3刷帯改定
▼中路啓太『恥も外聞もなく売名す』(新潮社)※「波」の書評の引用
・柴田哲孝『異聞太平洋戦記』(講談社文庫、7月)
・麻生幾『奪還』(講談社文庫、7月)
▼レン・カーバボル&アネット・フリス『スーツケースの中の少年』
(講談社文庫、7月)※「イン・ポケット」書評の引用
・連城三紀彦『隠れ菊』(集英社文庫、7月)
・ジョナサン・ホルト『カルニヴィア1 禁忌』(ハヤカワ・ミステリ、9月)
・北方謙三『抱影』(講談社文庫、9月)
▼柚木麻子『伊藤くんA to E』(幻冬舎、9月)※推薦文
・北方謙三『史記 武帝紀(四)』(ハルキ文庫、10月)
・花村萬月『ウエストサイドソウル西方之魂』(講談社文庫、10月)
・トム・フランクリン『ねじれた文字、ねじれた路』(ハヤカワ文庫、11月)
・森村誠一『悪道 西国謀反』(講談社文庫、11月)
・日本推理作家協会編『BORDER 善と悪の境界』(講談社文庫、11月)
・佐藤正午『ダンスホール』(光文社文庫、11月)
●2014年
・福永武彦『幼年 その他』(講談社文芸文庫、2014年1月)
・森村誠一『棟居刑事 代行人(ジ・エージェント)』(中公文庫、2月)
▼森村誠一『祈りの証明 3・11の奇跡』(角川書店)※推薦文
・テリー・ホワイト『真夜中の相棒』(文春文庫、4月)
・野沢尚『野沢尚のミステリードラマは眠らない』(実業之日本社文庫、4月)
・森村誠一『社奴』(集英社文庫、4月)
・伊集院静『星月夜』(文春文庫、5月)
・司城志朗『スパム・リコール』(小学館文庫、5月)
・吉村喜彦『ウィスキー・ボーイ』(PHP文芸文庫、5月)
・桜木紫乃『硝子の葦』(新潮文庫、6月)
・堂場瞬一『ヒート』(実業之日本社文庫、6月)
・森村誠一『ミッドウェイ』(講談社文庫、7月)
・草凪優『堕落男(だらくもの)』(実業之日本社文庫、10月)
・小杉英了『先導者』(角川ホラー文庫、10月)
・北重人『花晒し』(文春文庫、11月)
・東山彰良『ファミリーレストラン』(実業之日本社文庫、12月)
●2015年
・葉室麟『千鳥舞う』(徳間文庫、2015年1月)
・ローラ・リップマン篇『ベスト・アメリカン短篇ミステリ2014』(DHC、1月
・薬丸岳『ハードラック』(講談社文庫、2月)
▼中村理聖『砂漠の青がとける夜』(集英社、2月)※推薦文
・大沢在昌『冬芽の人』(新潮文庫、3月)
・宮本輝『焚火の終わり』(文春文庫、3月)
・森村誠一『勇者の証明』(集英社文庫、4月)
・花村萬月『よろづ情ノ字薬種控』(光文社文庫、4月)
・高樹のぶ子『マルセル』(文春文庫、5月)
・『冒険の森へ・傑作小説大全 第11巻/復活する男』(集英社、5月)
・森村誠一『棟居刑事 荒野の証明』(中公文庫、6月)
・ジョー・ネスボ『ネメシス 復讐の女神』(集英社文庫、7月)
・森沢明夫『大事なことほど小声でささやく』(幻冬舎文庫、7月)
・唯川恵『霧町ロマンティカ』(新潮文庫、8月)
▼草凪優『黒闇』(実業之日本社、9月)※推薦文
・北上次郎『勝手に! 文庫解説』(集英社文庫、9月)解説座談会
・草凪優『悪い女』(実業之日本社文庫、10月)
▼ピエール・ルメートル『天国でまた会おう』(早川書房、10月)※推薦文
▼石川智健『60 tとf の境界線』(講談社、10月)※推薦文
・ウイリアム・アイリッシュ『幻の女』(ハヤカワ文庫、11月)
・畠中恵『たぶんねこ』(新潮文庫、12月)
・柴田哲孝『国境の雪』(角川文庫、12月)
●2016年
・奥田英朗『沈黙の町で』(朝日文庫、2016年1月)
・伊集院静『ガッツン!』(双葉文庫、2月)
・東山彰良『さよなら的レボリューション 再見阿良』(徳間文庫、3月)
・鈴木光司『タイド』(角川ホラー文庫、3月)
・森村誠一『復讐の花期 君に白い羽根を返せ』(集英社文庫、4月)
・彩坂美月『ひぐらしふる』(幻冬舎文庫、4月)
・『冒険の森へ・傑作小説大全 第15巻/波浪の咆哮』(集英社、4月)
▼山本巧次『大江戸科学捜査八丁堀のおゆう 両国橋のご落胤』
(宝島社文庫、5月)※推薦文
・ベン・H・ウィンター『地上最後の刑事』(ハヤカワ文庫、6月)
・『冒険の森へ・傑作小説大全 第10巻/危険な旅路』(集英社、6月)
・辻原登『寂しい丘で狩りをする』(講談社文庫、6月)
・藤田宜永『探偵竹花・潜入調査』(光文社文庫、6月)
・松井今朝子『壺中の回廊』(集英社文庫、6月)
・山田宗樹『ギフテッド』(幻冬舎文庫、8月)
・西澤保彦『下戸は勘定に入れません』(中公文庫、8月)
・花房観音『まつりのあと』(光文社文庫、8月)
・『冒険の森へ・傑作小説大全 第3巻/背徳の仔ら』(集英社、9月)
・桜井鈴茂『どうしてこんなところに』(双葉文庫、9月)
・ピエール・ルメートル『傷だらけのカミーユ』(文春文庫、10月)
・佐伯泰英『流鶯 吉原裏同心(二十五)』(光文社文庫、10月)
・ジョン・ル・カレ『われらが背きし者』(岩波現代文庫、10月)
・森村誠一『深海の人魚』(幻冬舎文庫、10月)
・中路啓太『三日月の花』(中公文庫、10月)『恥も外聞もなく売名す』改題
・宇江佐真理『昨日みた夢 口入れ屋おふく』(角川文庫、10月)
・白川道『神様が降りてくる』(新潮文庫、11月)
・松岡圭祐『水鏡推理Ⅴ ニュークリアフュージョン』(講談社文庫、12月)
・森村誠一『棟居刑事の殺人の隙間』(中公文庫、12月)
・北方謙三『岳飛伝二 飛流の章』(集英社文庫、12月)
●2017年
・太田愛『犯罪者』(角川文庫、2017年1月)
・大沢在昌『ライアー』(新潮文庫、2月)
・深水黎一郎『少年時代』(ハルキ文庫、3月)
・森村誠一『凍土の狩人』(集英社文庫、3月)
・柴田哲孝『下山事件 暗殺者たちの夏』(祥伝社文庫、6月)
・中島京子『かたづの!』(集英社文庫、6月)
・ユッシ・エーズラ・オールスン『アルファベット・ハウス』(ハヤカワ文庫、6月)
・乾ルカ『青い花は未来で眠る』(角川文庫、8月)
・森村誠一『棟居刑事の黙示録』(中公文庫、10月)
・集英社文庫編集部編『短編伝説 愛を語れば』(集英社文庫、10月)
・今村翔吾『九紋龍 羽州ぼろ鳶組3』(祥伝社文庫、11月)
・逢坂剛『十字路に立つ女』(角川文庫、11月)
・法月綸太郎『新装版 頼子のために』(講談社文庫、12月)
●2018年
・渡辺優『ラメルノエリキサ』(集英社文庫、2018年2月)
・石川智健『60』(講談社文庫、3月)
・佐々木譲『屈折率』(光文社文庫、3月)
・名取佐和子『シェアハウスかざみどり』(幻冬舎文庫、4月)
・沢村鐵『雨の鎮魂歌』(中公文庫、10月)
・柴田哲孝『Mの暗号』(祥伝社文庫、11月)
・開高健『青い月曜日』(集英社文庫、11月)
・吉川英梨『聖母の共犯者 警視庁53教場』(角川文庫、11月)
・デニス・ルヘイン『過ぎ去りし世界』(ハヤカワ文庫、12月)
●2019年
・井上荒野『ママがやった』(文春文庫、2019年1月)
・本城雅人『英雄の条件』(新潮文庫、2月)
・伊兼源太郎『密告はうたう 警視庁監察ファイル』(実業之日本社文庫、4月)
・森村誠一『社賊』(集英社文庫、4月)
・秋吉理香子『自殺予定日』(創元推理文庫、5月)
・芦沢央『許されようとは思いません』(新潮文庫、6月)
・佐々木譲『真夏の雷管』(ハルキ文庫、7月)
・佐伯一麦『ア・ルース・ボーイ』(小学館電子文庫、 8月)
・黒川博行『海の稜線』(角川文庫、10月)
・ラグナル・ヨナソン『闇という名の娘』(小学館文庫、12月)
・バリー・ランセット『ジャパン・タウン』(集英社、12月)