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影絵芝居「ヘビワヘビワ」|2016年公演を行いました(1)

2015年の夏に誕生した影絵芝居「ヘビワヘビワ~南相馬市小高区大悲山の大蛇伝より」。
5年目を迎えたキッズアートキャンプで、影絵師・川村亘平斎さんと南相馬市ご家族の皆さんとで南相馬市に伝わる大蛇伝をテーマに作り上げた影絵芝居です。
キャンプ最終日の発表会、そして福島市で実現した上演会では、大きな反響とともに再上演を望むたくさんのお声をいただきました。

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(2015年公演フライヤー)

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(キッズアートキャンプ2015)

そして、2016年の秋、再び多くの皆さまのご協力を得て、東北芸術工科大学が開催するアートの祭「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2016」(9/3~25)の公演プログラムとして、3度目となるヘビワヘビワの公演が実現しました。

公演前日9月3日(土)、川村亘平斎さんとスタッフが待つ会場に、南相馬市から3組のご家族が、また、助っ人メンバーとして開催地山形からダンススクール「DANCE SPACE」の皆さんが駆けつけてくれました。
南相馬市の小澤家、佐藤家、星家の皆さんとは、2015年の福島公演以来の再会です。
DANCE SPACEの皆さんは今回が初公演。この公演のために7月から練習を重ねてきました。

1つ1つのシーンを思い起こしながら台詞あわせや、動きの確認を行っていきます。
新しいメンバーを迎えた新生影絵チーム。さてどんな影絵芝居公演になるのでしょうか。
(2)に続きます。

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「大悲山大蛇物語」
その昔、南北朝時代のころ、琵琶の名手で玉都という目の不自由なお坊様がいました。
玉都は、目がよくなりますようにと毎晩大悲山薬師堂で願をかけておりました。
いよいよ満願という日の夜、近くの沼の主だという大蛇が若侍にばけてあらわれ玉都の美しい琵琶の音を聴かせてもらったお礼にと、ひとつの話をしました。
それは、大蛇の夫婦は沼がせまくなったので明日から七日七晩大雨を降らし、小高郷一帯を大沼にしてしまうと、そして大蛇から竜に化身すると言いました。
そのあかつきには玉都を小高郷の殿様にし、目も見えるようにしてやろう、だが他人にこのことを言えば命はないと告げられました。
その話の一部始終をきいていた薬師堂の観音様は、へびの体を腐らせ、その魔力を失わせる「鉄の釘」をたくさんつくり、大蛇の住む沼の岩に打ちつけるようにと玉都をさとしました。
玉都は念願の目が見え、小高郷の殿様になれることに一時は心を奪われましたが、仏に仕える身であることを思い起こし、観音様の教えを小高城の殿様に知らせたのですが、その帰り道小高川の橋のところで化身した竜に命を奪われてしまったのです。
その後殿様は家来たちに「鉄の釘」をたくさんつくらせ、大悲山の蛇巻山周辺の沼の岩に釘をうち、竜を退治したのであります。
これは玉都の捨て身の進言によって、大雨の洪水からまぬがれ、たくさんの人々の命と小高郷が救われました。という物語です。
※「大悲山大蛇公園」(南相馬市)の案内板より引用

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開催概要
影絵芝居「ヘビワヘビワ~福島県南相馬市小高区大悲山の大蛇伝より」
(みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2016公式プログラム「BAM BOO NEST」第一夜)
日時:2016年9月4日(日)19:00~
会場:東北芸術工科大学7階特設舞台
出演:川村亘平斎、南相馬市ご家族
音楽:GO ARAI、五十嵐香乃
協力:伊藤忠青山アートスクエア