<DCPの利点について>
35ミリフィルムに代わる大型スクリーン上映に適したクオリティで作品を上映することができる。
また国際的な標準規格のため、世界各地の映画祭や日本全国の映画館などで上映することが可能になる。
・映像品質
製作プロセスにおいては、撮影したデジタル・データを活用して、スムーズに編集やポスト・プロダクション作業を行なうことができて、35mmフィルムに近い画質で上映することができる。
上映においては、フィルム上映の場合にあったフィルム磨耗による品質劣化が発生せず、常に鮮明な映像で上映することができる。
・汎用性
国際的な標準規格としてDCIの仕様が定められているため、世界各地の国際映画祭や日本全国の映画館などで上映できる。
・コスト削減
製作費としては、フィルムに比べて撮影費用の削減となる。
現像代フィルム代が削減できるほか、配給経費としてフィルムの発送や保管の費用が削減できる。
<DCPの注意点について>
・物理的に存在するフィルムと違い、DCPは目には見えにくいデータであるため、その作成、運搬、保管に細心の注意が必要になる場合がある。
特に、データ作成としてのDCPパッケージングが完了したうえで、出来上がったDCPをスクリーン試写してチェックすることが必要であり、動作チェックやクォリティ・コントロールが課題となる。
・DCPに限った事ではないが、上映機材にトラブルが起きた場合、その場で対処することはほぼ不可能なシステム構成になっている。
・DCPデータの長期保存については未だどの作品でも検証されておらず、問題が発生することがありえる。