MOGAMIGAWA
富樫祐介 Yusuke Togashi
[グラフィックデザイン学科]
(2010年度 グラフィックデザイン学科最優秀賞作品)
富樫祐介 Yusuke Togashi
[グラフィックデザイン学科]
(2010年度 グラフィックデザイン学科最優秀賞作品)
榧本高幸 Takayuki Kayamoto
[情報計画コース]
(2010年度 情報計画コース最優秀賞作品)
赤羽根綾一 Ryoichi Akabane
[ゲームデザインコース]
(2010年度 ゲームデザインコース最優秀賞作品)
近藤亜樹 Aki Kondo
[洋画コース]
マエキタミヤコ 評
作品を説明してもらい、馬を撃つと言われた時にはすごくびっくりしましたが、ドロドロしているとか暗さを乗り越えたエネルギッシュなたくましさを感じま す。自分を信じているなと感じられて、見ている方もエネルギーをもらうような作品だと思いました。人間としての存在感も大事だなと思います。近藤さんの人 間としての存在感は光っていますね。自分の人生を設計するという意味でも、大事なことだと思います。
酒井忠康 評
この作品の前に立った時に、描いた近藤さんがそばにいたので、作品を見たというよりも、むしろ彼女がこの絵の中からひょっこり出て来たような感じを受けま した。面というのは、強引に作ることも必要でしょうが、行き詰った時にそういうことを抜きにして、初心に戻り素直にキャンバスの中へスッと溶け込んでし まっているというようなことも大事だと思いました。改めて思い返してみても、実に近藤さんは想像力があると思いますね。
(2009年度 卒展プライズ受賞作品)
髙橋幸子 Sachiko Takahashi
[工芸コース]
酒井忠康 評
空中に吊るしたイスがちょっと中途半端な感じがありました。だけど足を機械的な同じものにしないで、極端に細かったり太かったりしているあたりに、作者の 迷いというか、モノを作っていく上での楽しみ方をようやく覚えたような感じを受けました。この作品の面白さというのは、素材に対する愛着から自然に展開し ているところです。モノを作っていく上でいくつかの道があるのですが、ひとつはまず形を考えながら、その形にどういう素材が合うか――素材の方が、むしろ その形を支えるという考え方ですね。もうひとつは、素材と対話して、馴染んで、いかにも毎日使っている箸のように自分で自由に使えるようになってきた時 に、素材が形を導いていく――素材からむしろ形を発掘していくという考え方。海外の作家は前者の傾向が強く、日本の作家は後者の立場が多いですね。ただ、 作品は両方のことを考えなくてはならないので、たくさんデッサンをしたりして、いろいろな事に挑戦していかなくてはならいないと思います。
(2009年度 卒展プライズ受賞作品)
佐藤香織 Kaori Sato /矢口麻智 Machi Yaguchi
[建築・環境デザイン学科]
宮島達男 評
タイトルが非常にショッキングだったので、僕は作者にどういうことか聞いてみました。「終わりを受け入れる」というのは、都市計画で破壊した自然を、ゆっ くりと元の自然状態に戻していくことを目指す計画だそうです。過疎化した都市や開発して捨てられた万博跡地 など、廃墟化していく場所に人が住みながら、自然に帰していく。これは、マエキタミヤコ賞の作品ともリンクするのですが、建築というのは「クラッシュ・ア ンド・ビルド」で、とにかく新しいものを造っては壊し、そしてまた造るということを繰り返してきました。ある意味で、建築は環境的に負荷の高い仕事です。 今の建築・環境デザイン学科は、持続可能な建築を目指そうとしています。その中にあってこのテーマは非常に先鋭的で、最終的には建築を否定するような発想 を展開していることにとても驚きました。でも、実は、それこそが今の時代にとって、とても重要な視点なのではないかと思いました。
(2009年度 卒展プライズ受賞作品)
小谷拓矢 Takuya Kotani
[グラフィックデザインコース]
マエキタミヤコ 評
突き詰めて、しつこく追いかけていくことが本当に大事だと思います。細かい跳ねとか、筆文字に似るようにとか、見ているといろいろなことを思ってしまうく らい人の想像力をそそります。しかもみんなを巻き込んでやっている楽しさとか、しつこさや根性などが相まっていて良いですね。
酒井忠康 評
人の輪というのかな、それぞれ違った考え方や感じ方をした人たちが、何かひとつの共通の話題の中で溶け合って一緒になるということは、とても大事だと思い ます。いわゆるデザインというのは、自分の持っている問題意識を社会化することだから、素朴な形だけれども見事にそれをしている。アートは、どちらかとい うとどこかで抵抗しようという意識が働く。アートとデザインの実に緊張した瞬間が、この作品を見た時に感じられました。
(2009年度 卒展プライズ受賞作品)