2012.12.06
荒井良二さん『あさになったので まどをあけますよ』2013年復興応援カレンダーが完成!
東北芸術工科大学×田宮印刷株式会社の「復興応援カレンダー」プロジェクトとして、荒井良二さんの絵本『あさになったので まどをあけますよ』の原画をもとに、被災地にお届けするオリジナルの2013年カレンダーが完成しました。
この企画は、『荒井良二の山形じゃあにぃ』や復興ワークショップ『荒井良二とふらっぐしっぷ』をサポートして下さっている『田宮印刷株式会社』と荒井良二の山形じゃあにぃの会場でお馴染みの「山形まなび館」を運営している『株式会社コロン』のご協力のもと、TRSOプログラムディレクター宮本武典氏(本学准教授)が企画し実現することができました。
[荒井良二の山形じゃあにぃ2012「あさになったので まどをあけますよ」原画展スペース]
カレンダーの原画となった絵本『あさになったので まどをあけますよ』は、2011年12月に偕成社から発行され、〈第59回 産経児童出版文化賞〉大賞を受賞。また平凡社の〈この絵本が好き2012年版〉で国内絵本第1位に選ばれるなど、3.11以降の傑作絵本として高く評価されています。荒井さんは、産経児童出版文化賞の受賞スピーチで「被災した人々へのメッセージとよく言われますが、むしろ被災していない人に、日常のありがたさと、それを忘れてはならないというメッセージを、オブラートに包んで描いた」と語っています。
カレンダーになった「あさになったので まどをあけますよ」では、荒井さんの「一日の始まりのような希望」というメッセージが損なわれないように美しい原画を忠実に再現し、2013年1月から、 震災から丸3年の節目となる2014年3月までの3ヶ月分の紙面を追加しました。また子どもたちが自由に絵や言葉を描き込めるように、日付の余白を大きくとったりと工夫しています。
「印刷会社だから可能な復興支援」として、田宮印刷株式会社にはカレンダー製作費をご負担して頂きました。またカレレンダーのデザインは株式会社コロン デザイナーの村岡優さん、荒木淳一さんに無償でご協力頂きました。この場をお借りして、カレンダープロジェクトに関わるご支援、ご協力に厚く御礼申し上げます。
印刷・製本したカレンダーは、この年末に各地の支援団体を介し、 石巻市と南相馬市のご家庭に寄贈させていただきます。山形市内では12月4日より大型書店と、本学および山形まなび館のショップにてカレンダーの販売を開始していますので、ぜひ手に取ってみてください。カレンダーの収益の一部は、被災地への教育支援事業に寄付させていただきます。
◎『東北芸術工科大学×田宮印刷株式会社〈復興応援カレンダー〉プロジェクト』
著者:荒井良二(原画無償提供)
印刷:田宮印刷株式会社
デザイン:村岡優 荒木淳一(株式会社コロン)
企画:宮本武典(東北芸術工科大学 美術館大学センター准教授)
カレンダー仕様:
サイズ=A4版ヨコ
ページ数=表紙4ページ、本文32ページ 計36ページ
カラー=4色カラー印刷(耐光イン ク)+マットニス
用紙=表紙・本文/テイクGA-FS93.5kg
製本=糸かがり製本、1穴加工
制作中の荒井氏 撮影:金森由紀(山形新聞社広告局)
◎荒井良二(アーティスト)
1956 年山形県生まれ。『ルフランルフラン』で日本絵本賞を、『たいようオルガン』でJBBY 賞を、『あさになったので まどをあけますよ』で産経児童出版 文化賞・大賞を受賞するほか、ボローニャ国際児童図書展特別賞、小学館児童出版文化賞、講談社出版文化賞絵本賞など受賞多数。2005年に日本人として初 めてアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞。主な絵本に『はっぴぃさん』『きょうというひ』『うちゅうたまご』『えほんのこども』『モケモケ』な どがあり、そのほかに作品集『meta めた』、マンガ『ホソミチくん』を刊行、 音楽CD『どこからどこまでいつどうやって』をリリース するなど多方面で活動を展開している。東日本大震災後は宮城県沿岸部で復興の旗をつくるワークショップキャラバン『荒井良二とふらっぐしっぷ』を巡行。 2010年、2012年に山形まなび館にて個展『荒井良二の山形じゃあにぃ』を開催。
TRSO事務局 役野友美