「こわれた大切なものと」

 大学生のとき、私は大学教員のweb日記(まだブログではない)を読むのが日課であった。大学の授業での取り組みや論文の内容、会議の話などはどうでもよく、日々の考えや生活を垣間見ることのほうが面白かったのである。そのなかでも...

「僕らは少しずつ進む あくまでも」

 本屋で三沢陽一の『不機嫌なスピッツの公式』(富士見L文庫)が平台で並んでいるのを見たとき、スピッツは犬だろうか、バンドだろうか、と立ち止まって考えてしまった。本屋の平台で立ち止まるのは、いつものことなので、別に「ラブソ...

文芸ラジオのラジオ 第7回

久しぶりに更新しました。お時間があるときにお聞きください。 東北芸術工科大学芸術学部文芸学科が発行する文芸誌『文芸ラジオ』の編集部がお送りす­るラジオです。編集部の教員(池田雄一、玉井建也、野上勇人)および学生編集長であ...

第1回文芸ラジオ新人賞発表

 文芸ラジオ新人賞は意欲的な小説・評論を全国から募集し、46作品の応募がありました。厳正なる審査の上、下記のように第1回受賞者を発表いたします。 最優秀賞 丸山千耀「星屑のブロンシュ」 優秀賞 該当作なし 最終候補作吉川...

「必殺チョップで今に砕いてみせるわ」

 数年前までは大学で教えている際、「セカイ系ってなんですか?」という質問をよくされた。当意即妙に答えたというよりは、適当な対応をしていたような気がするので、学生にとって疑問はさらなる疑問を生み出していたように思える。とい...

斉藤ゆう『月曜日は2限から』を読む

 ヤンキーという存在は基本的に私自身とは相容れないものであろう。自己認識としてはオタクであり研究者であるという自分自身は、対極に位置しているように思える。いや、いったい、軸がどこにあるのかわからないのに「対極」とは何かと...