うんどう

東北芸術工科大学の柳川郁生の周りで展開する『うんどう』のブログです。
*
2012-06-04

つぶやきカルテ2012(5月31日)

 木曜日は朝9時からずっと外の授業で、
途中30分ほどの昼食時間をはさんで、
3時限目のサッカーの授業が13時50分に終わるまでとにかく出ずっぱりです。

 そして迎える「うんどうのオフィスアワー」ということで、
今回は少し遅れての登場になってしまいました。

 それでもなんとなくサラッとした感じでデバイスができあがっていました。

 今回はこのサラッと感がとても面白い結果につながったような気がします。

 ということでそんな‘つぶやき’を……

つぶやきカルテ2012(5月31日)

1.どんなことをしていましたか(子)


 こんなデバイスができていました。

 このスタートがお母さんと子どもたちの距離を近づけてくれたようです。

 実は何年か前になんだかこの「オフィスアワー」の時間が「うんどう」の時間ではなく、子どもたちの「遊びの場」になってしまったような時期がありました。

 体育館に来た子どもたちはワーッと開放的に元気に遊んでいます。

 ……で、お母さんたちは……???

 なんだかその存在の意味が分からなくなってしまいました。

 そこである日、今のように荷物を体育館の入り口側に置かず奥のほうへ持ってくるということと、必ず子どもたちと手をつないで中まで入ってくるということをお母さんたちにお願いしました。

 するとまた子どもたちが「うんどう」の世界にもどってきました。

 子どもたちが遊びたいのはとても良いことなので、
ゆみさんのようにゆいこちゃんが外で遊びたいのであればとことん外で遊んでもよいのではないでしょうか。

 そのあとちょこっと顔を出して「あ、ここ(体育館)ってうんどうをするところなんだ」って感じでだんだん理解してくれれば♡

 着替えをしたり、ご飯を食べたり、トイレに行くことだって、子どもたちにとっては遊びと同じ感覚だったりするのですから。

 「食べながら遊ばないの!」なんて怒りますが、実は食べるという行為そのものが遊びなんだよな〜なんて考えると、どう楽しく食べさせてやろうかなんて試したくなってしまいます☆

 また変な方向に話が行ってしまいました。

 スミマセン 

 とにかく手をつなぐっていうことはいいことだってことです。


 そのあとは自分で渡る平均台がありましたね。

 その先はサッと跳び越えます。


 高く積み上げられたマットの上に跳び乗ります。


 よじ登ったっていいんです。


 高いところに登りたいという意識が、“走る”という感覚をしだいに高めていたりします。


 そして「ロールケーキ」のデバイスがあって、こんなふうに子どもたちが転がります。

 このさかさまになった感覚と、その時のどっちが自分のからだのお腹側で、背中側なのか……そしてどっち側に足を下せばクルンと立てるのかなんてことを感覚として習得していきます。


 そして普通に置いてある跳び箱ですが、
実はこの画像の中にいるゆかこさん
こうしくんの跳びあがった感覚と感覚の共鳴が起きていると思いませんか。

 跳んでないお母さんの中で感覚がこうしくんといっしょに跳んでいる
という状態です。

 実はこの感覚のつながりが、
最初の手をつなぐデバイスによって生み出されていたりします。

2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)

 今回のデバイスに、
なおみさんは‘今日はイマイチ…かたちにならずでした^^;’、
あきこさんは‘ちょっと、こじんまりしていた今日のコースだったので、’
なんて言っていましたが、
ゆきこさんにとっては‘素朴な塩むすびを“あ、おいしいね”って分けあって一緒に食べる。”
そんな感じだったそうです。

 面白いですね〜♡〜

 柳川郁生もそう感じたので
「だいち組だけ〜!」なんて言ってちょっとダイナミックなデバイスもつくってみました。

 これはゆったりと‘塩むすび’を食べている子どもたちのジャマをしないよう、
ちょこっとバーベキュー的なものを準備したということです。


だからボクも食べたいといってきたほし組の子にも「ど〜ぞ♡」と食べさせてあげました。

 それからなんといっても鉄棒渡りのデバイスで生まれたお母さんと子どもたちのつながりがヨカッタですね。

 なおりさんゆきこさんが手のそえ方によって変わる子どものうんどうの変化について深〜いまなざしを見せていました。

 かなりディープになってきましたね。

3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか

 今回はうんどうの変化というよりは“くうき”の変化だったような気がします。

 でもいろんな変化がありました。

 また見つけていってください。

 そして“まなざしカルテ”をちょっと読み返してみてください。

 子どもたちの“できないこと”“できること”、どっちのことをたくさん書いてありますか?

 子どもたちが子どもたちでいる間は「できる」「できない」なんて気にすることではないかもしれませんが、
結果ばかりを見ていると客観的に「できない」ことが見えてくるのかもしれません。

 もっと愛情をこめて主観的に“まなざし”をむけていけばもっと「できる」ことが見えてくるのかもしれません。

 
 わが子のかわいさは
「○○ちゃんと比べるとうちの子のほうがかわいい♡」なんて
客観的に判断しているんじゃないですよね。

 世界の誰とも比べることなく愛しいのではないでしょうか。

 
 そんなふうに“うんどう”にまなざしをむけたいと思っているのが、
この“うんどうのオフィスアワー”です。

4.次回のオフィスアワーに向けて

 愛情たっぷりのねがいをこめたデバイスをつくって、
子どもたちのできそうなこと、できること、楽しそうなこと、楽しいこと、そして気持ちよさそうなこと、気持ちよいことを見つけていきましょう。

 

2012-05-27

つぶやきカルテ2012(5月24日)

つぶやきカルテ2012(5月24日)

 “まなざしボックス”ありがとうございました。

 内側までしっかりとつくりこんでいただいて、こんなところに愛♡を感じてしまいますね。

 今までの“まなざしボックス”もありがとうございました。

 ある時にこども芸大のスッタッフが
「つくっておきました」とさりげなく準備してくれていたものでした。

 2006年から『“動く”オフィスアワー』としてスタートし、
2007年に『まなざしカルテ』が始まったので、
おそらく約5年ぐらい活躍していた箱でした。

 柳川郁生の“つぶやき”も、
2007年の総集編として『つぶやきカルテ』を書いたのが始まりでした。

 それまでは実施記録として毎回“ひとりごと”を残していました。

 そして2008年から毎回の『つぶやきカルテ』を公開するようになり、
2010年に『うんどうブログ』でつぶやくようになったことをきっかけにして、
いつのまにか『うんどうのオフィスアワー』になっていました。

 たかが段ボールの箱ですが、代替わりにはちょっと感慨深いものがあったりします。

1.どんなことをしていましたか(子)


 平均台を渡ったり

 ‘支える’感覚をねがいにしたデバイスの
トンネルをくぐったり

 その先のさらに‘支える’感覚を増幅させる坂道を
登ったりしていました。

 ‘支える’感覚をというお母さんたちの“ねがい”が
感じられるデバイスでしたね。


 軽快に走っていって


 そして横に置かれた跳び箱を
こんなふうに跳び越えたり

 縦に置かれた跳び箱から
こんなふうに跳び下りたり

 開脚とびで跳びこしたりしていました。


 あとは本日のメインディッシュは
 これっ!て感じでしたね♡

2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)

 いろいろと“ねがい”を見つけながらデバイスづくりが始まりましたね。

 いろいろと悩むのもいいかと思います。

 ただあまり考えすぎないでください。

 なぜなら正解があるわけではありませんから。

 毎日の食事と同じように、あれもおいしいね♪ これもおいしいね♪
 今日は天気がいいから外でおにぎりを食べたらすごくおいしいだろうな♪
って感じでいいと思います。


 でも‘支える’感覚をねがったトンネルと坂道があって、
こんなふうになおみさんたちのように、
子どもたちの日常の中にあった‘支える’という“うんどう”をみつけて、
それをデバイスとしてつくってくれたりするのも素晴らしいですね☆

 それからゆきこさんのまなざしに「つながりを感じてきている」なんて言葉が出てきます。

 ようこさんのまなざしに「子供のやってみようと思う時の視線の先に……」
なんて言葉が出てきます。

 そしてお母さんたちみんなのまなざしに「さぐってみたい」という言葉が出てき始めました。

 
 お母さんたちのまなざしに少しずつ‘観察’の“志向性”が生まれ、
なにかが見えはじめてきた……

 つまりわが子の“うんどう”が見え始めてきたのだと思います。

 といってもまだまだうすぼんやりであったり、一部分であったりします。

 でもやがてそれが、
生き生きとした子どもの意識と感覚に協応するお母さん自身の感覚となります。


 こんなふうにお母さんたちが
ちかくでまなざしを向け

 いつでも目を合わせられるようにしておくことが
この『うんどうのオフィスアワー』の大切な思いです。


 そしてお母さん自身も感覚を楽しんでくれると

 その感覚がスーッとなにげなく、
子どもたちに伝わっていったりします。

 それからそんな瞬間に
お母さんのまなざしが向けられていると


 こんなふうに気持ちよ〜く♪跳んだ感覚が


 フッと、言葉になって表れた瞬間に出会えます♡
 これ、指をさしてなんて言ってると思いますか?

 自分がピョ〜ンと浮き上がった感覚があまりにも気持ちよかったから、
このすきまになにか世界(物語)が感じられた(見えた)のです。

 そんな瞬間を見つけるのが、
柳川郁生にとっての“うんどう”の世界のヨロコビですね♡

 お母さんたちもそんな瞬間との出会いをのがさないよう、
わが子の“うんどう”にまなざしを向けてください。

 どこかで道具を支えているようなことをしてばっかりいると、
そんな♡幸せ♡な瞬間を見逃してしまいますよ。
3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか


 ‘支える’って感覚の気持ちよさに気づいてきたから、こんなふうに自然とやってくれるのでしょう。

 跳び箱にいちいち手をつくのは面倒なことですが、‘支える’ことによってふわっとおしりが持ち上がる感覚が見つかると、楽しくなってくれるんですね。


 少しずつ少しずつそんな感覚の体験を広げていきましょう。

 そしてこの風船バドミントンのように、
子どもたちの運動感覚を体の外まで広げていってあげましょう。

4.次回のオフィスアワーに向けて


 お母さんたちのデバイスづくりのレベルが上がってきました。

 なんでこんな方向につくるんだろうと思ったら鏡を意識していたり

 これじゃ少し停滞してしまうぞなんて思うとすーっとつながるコースをつくったりと、ずいぶんと考えられていますね。
 でもそんなにいっきに『良いデバイス』を意識しすぎず、
とくにほし組のお母さんは、
子どもたちがゆったりと“うんどう”の世界にいられるよう、
まなざしを向けてあげていてください。

 毎回の『うんどうのオフィスアワー』の時間の最後に、
その日の子どもたちにとって一番楽しいデバイスになっていればいいと思います。

 最初から「はい!食べなさい!」って準備するんではなく、こんなのがあるけど、今日はなにつくって食べる?

 そして最後にみんなで「ごちそうさま」が言えればいいんじゃないかなってぐらい余裕ができてくるといいですね。

 でもそうはいかないのが最初の頃です。

 そんなことを含めて、
柳川郁生が子どもたちの前で平気でしゃべれるようになるのに、
2年以上かかった話をいずれどこかでさせてもらいます……(笑)

 ということで、どんどんいうことがあやしくなってきました。

 でもこれが柳川郁生の“つぶやき”です。

 まじめに読みすぎると慣れないお母さんは???って感じで混乱してしまうので、
あまりいっきに理解しようと頑張りすぎないようご注意ください♪

 頑張らないのが柳川郁生の“うんどう”の世界です。

 だって頑張って楽しむってなんか変ですよネ!

2012-05-19

つぶやきカルテ2012(5月17日)

つぶやきカルテ2012(5月17日)

  次々とできていくデバイスを見ながら……??????

 毎年のことながらたくさんのお母さんと、子どもたちの参加を喜びながら、
さあ、これからどんな展開を……と考え始めるのがこの時期です。

 ようするにこの“うんどうのオフィスアワー”が、

‘運動’の場ではなく“うんどう”の場になるよう

時間をゆっくり進めるのが柳川郁生のやり方です。

 なんだかテキパキとつくられていくデバイスにこめられた
お母さんたちの“ねがい”はなんでしょう?というのが気になります。

 まずはこんなことから少しずつ振り返っていくのが

この“うんどうのオフィスアワー”の時間です。

 そしてこんな学生たちの取り組み(共通演習「芸術と子ども」)も紹介しながら、
お母さんたちの子どもたちの“うんどう”への“ねがい”と、
学生たちのその“ねがい”をつなげていきます。

 あやこさんが「コースの意味、位置づけをじょじょに少しずつ理解して楽しむ。」、
ともこさん
「デバイス作りは、アイデアを出せるように、もう少し予習したりしてみようと思います」
なんてずいぶんプレッシャーをかけてしまっているみたいですが、
きのう見学に来ていた卒業生のまきこさんにとっても懐かしい思いじゃないでしょうか。

 この日のオフィスアワーでもいろいろとしゃべりましたが、
答えを探そうと思うと難しくなるのがこの時間です。

 まず大切なのはわが子の“運動”を見て、そこに“うんどう”を見つけることです。

 
 コースをつくるとか、順番を守らせるとかいった
マネージメント的な部分は最初は気にしなくていいんです。

 まずはわが子と一緒にこの時間を楽しんでください。

 一生懸命ポジションを固定してデバイスの一部になっているお母さんがいますが、
もっとわが子のそばにいてください。

 すると自分の子どものかわいいところ、かっこいいところがもっと見えてきます。

 と、どんどんお説教じみてくるので(これが実はつぶやきの原点ですが(笑))

1.どんなことをしていましたか(子)


 まずは平均台が置かれていましたね。


 つぎは跳び箱でしたね。

 こんなのもあったりしましたね。


 それから山ですね。

 デバイスは置かれていたけれど、ここでなにをするのか、
なにがお母さんたちの“ねがい”なのか
子どもたちに伝わっていたでしょうか。

2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)

 上の写真を見てください。

 わが子のそばにお母さんがいません。


 気がつくとこんなふうに、
まるで授業参観のような状態になっていました。

 子どもから距離を置いて傍観者になったり、腕組みをして監視者になっていたり……


 それからこうやってデバイスの一部となったり


 こんなふうに子どもたちを管理したりして一生懸命です。

 なのでちょっとお節介をやいて

 いろいろしゃべりたくなってしまいました。

 どうしてもこの時間にこめた“ねがい”を理解してほしくて、
我慢できなくなってしまいます。


 ということでまずはお母さんたちに子どもたちと一緒にうんどうをしてもらいました。


 こんなふうにお母さんたちが一緒にやると

 子どもたちはもっと夢中になります。


 気がつくとお母さんたちみんなが同じマットの上にいて
(さっきの「授業参観」状態と比べてください〉

 お母さんたちの存在が子どもたちのもっと○○したい(転がりたい)という気持ちを、
パワーアップさせたりしています。


 まずはわが子と
一緒に過ごすことからスタートして

 こんな笑顔を見つけていってください。

 子どもたちが好きなこと、喜ぶことを見つけていって、
そこにお母さんたちの“ねがい”をこめていくことが、
この『うんどうのオフィスアワー』の“ねがい”です。
 お母さんたちの“ねがい”が子どもたちに伝わって、
子どもたちの育ちがそれに応えてくれるような時間が、
少しずつ少しずつできてきます。
 
 本当に少しずつ、少しずつです。

 だからだいち組になって卒業する時にさびしいんですね。

 でもゆっくり、あせらず、頑張らず、つくっていきましょう♡

 一生懸命すぎるから結果や形がほしくなるんです。

 あい(?)さんのいうとおり、同じことのくり返しでもいいんです。

 体育館を楽しい場所と思ってもらえるよう、よろしくお願いします。

 ね!なおみさん!!

3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか

 本当はここを一番書きたいんです。

 子どもたちのスゴイところをいっぱい見つけて、
お母さんたちと共有したいと思っています。

 まずはしばらく時間がかかるとは思いますが、
たくさん話しかけてもらって、たくさん説明しながら、
今年の『うんどうのオフィスアワー』をつくっていきましょう!

4.次回のオフィスアワーに向けて

 ぜひ『共通演習「芸術と子ども」のワークショップ 』のブログを見てもらって、
学生たちがデバイスにどんな“ねがい”をこめているのか、
読んでみて参考にしてください。

 その“ねがい”がうまく伝わった時に
 学生と子どもたちはほんとうの仲良しになります♡

 だから学生たちはドキドキしながらワークショップを展開し、
子どもたちの笑顔をみてすっごく嬉しくなるんです。

 ぜひぜひお母さんたちと一緒にそんな楽しさを展開したいと思っています。

 
 だからこんなに長々とブログを書いてしまうんですね……(笑)

 ……ところでみなさん、きょうの『(金環)日食』見ました?

 柳川郁生はとりあえず見ることができました『コブログHR』

2012-05-11

つぶやきカルテ2012(5月10日)

つぶやきカルテ2012(5月10日)

 今年度初の開催と、今年度初のつぶやきです。

 たくさんのお母さんと子どもたちに参加してもらい、にぎやかな開催となりました。


 「まなざしカルテ」もたくさん提出していただき、
ちょっと気合が必要かな、といった感じです。

 まずは楽しい時間となるよう、皆さんよろしくお願いします。

1.どんなことをしていましたか(子)


 お母さんたちが準備を進めてくれて、あという間にいつものようなコースができ上がっていきました。


 まずは平均台歩きですね。

 そして跳び箱からのジャンプでしょうか。


 そしてフープでジャンプ!

 そしてマットがつながり……

 走るデバイス。

 ふみきり板を使った連続ジャンプのデバイス。


 そのあとは跳び箱を2台並べておきました。

 これは支える運動をしてもらいたいと思って私が置きました。

 そしてどんなふうになるかなあと試すために

 (長い)踏み台を2台へ移行に並べておきました。

 それからこんな風船を使ったジャンプもしていました。


 あと鉄棒がいつものようにコースから外れてセットされていますが、
これを中にとりこめばもっとみんなが鉄棒を楽しむかもしれませんね。

 こんな感じで、ごく自然に運動の場がつくられていました。

 はじめて体育館に来たほし組のお母さんと子どもたちが、
楽しいと思ってくれたようで、まずは一安心です。

 
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)

 昨年までのお母さんたちがいなくなったことを全く感じさせないスタートでした。

 まあ月曜日のバク転倶楽部なんかで顔を合わせているので、
いなくなった感がないからでしょうか(笑)

 例年なら「あ〜、もう○○さんはいないんだー。」、
「そっか〜、○○ちゃんももういないんだー」って感じだったりするのですが、
なんだかこれまでの流れがそのまま続いている感じでした。

 そんななか新しく加わったお母さんたちがたくさんいます。

よ・う・こ・そ・!
 まだまだ説明が足りず、わかりにくいところもあると思います。

 まどかさん、まずはただ参加して、ただ楽しむでいいんです。

 でもだんだんともっと参加したくなって、もっと楽しくなってきます。

 そのための工夫を、お母さんたちの“まなざし”と私の“つぶやき”でつくっていきます。

 理解したうえでやるのはお勉強ですから、
ここではまず楽しいことを真剣に探してみましょう!
 私は大学院受験の面接で真剣にスポーツは“楽しい♡”っていうことを研究したい
と話しました。

 そして3人の面接官からたっぷり怒られました。

 どうやら楽しくてはいけないみたいです。

 でも真剣に“楽しい♡”って感覚をお母さんたちと探っていくのが、
この時間の楽しさです。
 まずはまどかさんのように

 「すごいね 見てたよ」
これで十分です!

 ちはるさんのように、
「とんでるときの顔よかった」「今のさるみたいだった」「それ(動き)面白い!」
なんて感じで一番近くにいる証言者になってくれるだけでも十分です。

 するとやがてお母さんの“まなざし”が育ち、
子どもの育ちがすご〜く楽しく見えるようになってきます。

3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか

 まずはこの“うんどう”の場にあっという間になじんでいった子どもたちはスゴイですね。

 こうきくんかな?その場の雰囲気を感じとる感覚


 そして風船をフッと見つけ、なんとなく“うんどう”の世界に近づき

 それをあいさん(かな?)がゆっくりと待ってあげられること。

 これがじつはこの「うんどうのオフィスアワー」の一番ぜいたくなスタートかもしれません。

 ねー♡そんなスタートがあっという間に懐かしいものに変わってしまいそうになると、
ちょっとさびしくなったりするもんですよねゆきこさん(笑)

 最初はこうきくんのように違和感を感じ、
ゆきこさんと一緒にただひたすらみんなの運動を見続けていたはづきくん

 それにとことんつきあったゆきこさん

 そのはづきくんが今回は私の運動を見て、
自分の感覚とつなげることができるようになっていました。

 そしてその意識と感覚のつながりをゆきこさんが読み解いています。

 もうこれは研究者の領域ですネ!

 
 ですからいろいろと???となったり、↘↘↘なんて感じになったお母さんはチャンスです!

 これからが楽しみですよ〜♡

4.次回のオフィスアワーに向けて

 という感じで、またまた今年度も怪しい「うんどうのオフィスアワー」が始まりますが、
おつきあいよろしくお願いします。

 そしていつもいつも、毎回毎回が新しい試みです。

 今年は今年の「うんどうのオフィスアワー」を
みんなでつくっていきましょう!
 新しく参加されたお母さんも、古くから参加されているお母さん(失礼)も、
理解不能なことがいっぱいあるかもしれませんが、
気がねなく話しかけてください。

 楽しいことを真剣に探っていきましょう♡

2012-03-26

つぶやきカルテ2011(3月13日)

 すっかり遅くなってしまったつぶやきです。

 でもだいち組の卒業に間に合うようコメントはみなさんの“まなざしカルテ”の方に添えさせていただきましたので、お許しください(ペコリ)。

 それでも一言でもいいから、書くことがなくてもいいから、
継続することが大事ですよとお母さんたちにも伝えているので、
ブログ化してから51回目の“つぶやきカルテ”です。

つぶやきカルテ2011(3月13日)

1.どんなことをしていましたか(子)


 今年度最後のオフィスアワーでしたが、みんなの笑顔にあふれていましたね。
 特別なことをせず、いつも通りの普段通りを心がけていましたが、
なんだか自然といつも以上にお母さんと子どもたちの笑顔がいっぱいだったようですね。


 いつも通りのこんな感じでスタートして

 子どもたちのうんどうが続いていきます。

 こんな跳び箱も恒例ですね。

 ちなみに『こんなサイト』を見てもらえると意味が分からない人に少し理解してもらえるかな。
 ほかにもいろいろ『怖くない!シリーズ』もありますので、
お時間のある人は暇つぶしにどうぞ。

 20年ほど前の柳川郁生です(ハズカシイ)。


 あとは前回ちょっと気になった高いところへ上るうんどうですが……
お母さんたちの中に実はとても大事な気づきがあり、この高く積んだマットと助走のマットにこのすき間が生まれたのです。

 この「すき間」が、形となってあらわれたお母さんたちの“願い”なのです。

 するとほら

子どもたちの運動が

 こんなにカッコよくなりました!
 こういう発見をできるようになったお母さんたち……、
とってもいいですね♡


 そしてこれもいつもの山登り

 さらにはジャンプ!と

 子どもたちのからだが大きくダイナミックに動くようになってきましたね。

2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)


 今年度の後半にかけてわが子のお母さんから、子どもたちのお母さんにみたいな変化がありましたね。


 子どもたちのうんどうを通してお母さんたちが仲良くなり、子どもたちも仲良くなり、柳川郁生もその仲間に入れてもらって仲良くなれば、この場(うんどうのオフィスアワー)はもっともっと楽しい時間になるはずです。

 『芸術と子ども』という学生たちの授業でも、みんなの願いを伝えるためには「子どもたちと仲良くならなきゃいけないよ」と伝えています。

 だから……語りましょう。
 子どもたちの“うんどう”にまなざしを向けながら……
3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか

 ここのところみられる変化は子どもたちの運動面より、
お母さんたちのまなざしではないでしょうか。

 お母さんたちのコメントの中に「顔」「表情」「気持ち」「心」「感じ」「感覚」
といったコトバが登場するようになってきました。

 初めは「顔」すら見えていなかったりします。
「誰かはできて、わが子はできない」「力がない」「スピードがない」
「やる気がない」できないことや、結果ばかりが見えてきます。

 でもだんだんと「どんなことをするときに楽しそうな顔をして」
「どんなことを意識するときりっとした顔に変わって」
「どんなうんどうの世界が子どもの目に見えているのか」
そんなふうにフツウの人には見えないものが少しずつ見えるようになってきているのではないでしょうか。

 それが見えるようになることが、
このアヤシイ『うんどうのオフィスアワー』にはまったということだと思っています(笑)。

4.次回のオフィスアワーに向けて
 次は次年度になりますが、
やはりこの時間がずっとずっとつながっていることを願って次回としましょう。

 次回も子どもたちの意識(志向性)や感覚(動感)にまなざしを向け、
子どもたちの運動と共振する楽しさを体験しましょう。

 失礼……

 よろしくお願いします♡


 そこんとこヨロシク!
 あ!そしてもうひとつ!!


 どこでつぶやこうかと思っていたのですがこのお母さんのサポート……分かります?
 分からない人は次回柳川郁生かかよこさんに聞いてください。

 子どもの意識や感覚のさり気ないサポート♡

 これも
スバラシイ☆
です。

2012-03-06

つぶやきカルテ2011(2月23日)

つぶやきカルテ2011(2月23日)

 すっかりとびとびの開講になってしまいましたが、
「うんどうのオフィスアワー」には特別な日はありません。

 いつも普段どおりがモットーです♡

 
 とはいえ、年度末の残務処理に追われすっかりつぶやきをさぼっていました。

 でもこのさぼる行為も大事なんです。
 柳川郁生は、ついついいつもスケジュールをつめこんでしまうので、
ひま〜な時間が流れるとなんとなく罪悪感を感じてしまいます。

 そればかりじゃあダメですよね×

 せっかくのオフシーズンですから、少しぐらい……

なんて言ってると記憶が薄れてしまうので、そろそろつぶやきます。

1.どんなことをしていましたか(子)

 前回に引き続き、お母さんたちが積極的にデバイスづくりに取り組みます。


 まずはジャンプからスタート!
 お母さんたちもうま〜くジャンプのサポートができるようになったり、子どもたちも少しずつフワッとした衝撃をおさえる弾性をともなった下りかたができるようになってきました。


 次は平均台渡り。
 歩いて渡ることはもちろんですが
 

 こうやって跳びこえていくことも、楽しい感覚があるということに気づけました。
 このフワッとおしりが浮く感覚を感じられるようになったから、この運動をくり返すんですね。


 でもこのデバイスでは、こども芸大ではこっちの運動の方がスタンダードだったりするんですね。
 後ろに回転することって日常には全くない感覚ですから、面白いのかもしれませんね。

 どうですかお母さんたち?

 そして跳び箱。
 なんだかしばらくこればっかり食べに通っていた感じになっていましたが、今回は少し遠慮気味に置かれていました。
 でもみんなコツコツと取り組んでいましたね。


 跳び箱の横にはこの跳び乗りのデバイスが。
 跳び箱で助走から踏み切る感覚、支える感覚など、自然と体験的に身につける運動がここにデバイスとして置かれているのは、とてもスゴイことだと思います。


 だからほら!
 こんなにしっかり支えられるようになってきています。


 そこでほし組や、たいよう組の子どもたちに‘タイミングよく支える感覚’を体験してほしいと願い、こんなデバイスを置いてみました。

 まずはしっかりと指をひろげて、肘を張って、ジャンプのタイミングに合わせて支えることができたらいいなということです。

 そのとなりでは、このデバイス。
 コーンの間にすずらんテープを張っただけの、「さあ!跳んでください!」という分かりやすいデバイス。


 この分かりやすいということが大事で、子どもたちは安心して“うんどう”の世界にとび込んでいけるんですね。

 そして最後はこの山ですね。
 全身を使ったこの感じ、登りきった時に見えるいつもとは違う世界、跳び下りたり転がり落ちたりといったことが、とっても楽しいみたいですね。

 はな子さんのまなざし
『坂を登る弘太朗と私が、まったく同じ顔で登っていると、そばでみている母が教えてくれました。その時は、「あ、そう?あはは〜」と話していましたが、よく考えてみたら、、光太朗は、いつもあの世界を見ていたってことなんですね。あのふわっとした気持ち、あの体の重さ…3年目にして、始めて彼の世界にふれた気がしました。そうか〜、弘太朗は、いつもこんな気持ちだったんですね。』

 うん、うん、いいですね〜♡
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)


 このところのお母さんたちは楽しそうですね。
 子どもたちよりお母さんたちの笑顔の方が印象的です。

 一対一で“運動(課題)”とじっくり向き合うことも成長の一段階ですが、こういった“うんどう”のなかに大事な“動感素材”がたくさんあるんですね。
 だからこんなふうに楽しそうでいいんじゃないでしょうか。

 子どもと一緒に

 楽しんでいると

 子どもたちはどんなことが好きなのか、どんなことが楽しいのか、どんなことが気持ちいいのか、そんなことが発見できるようになります。
 何が苦手で、何ができない、
そんなふうに運動を見るのではなく、
もっと好きにするには、もっと楽しくするには、
もっともっと気持ちよくするには、
そんな想像力を働かせながら“うんどう”を創っていくのが
この『うんどうのオフィスアワー』です。

 まなみさんも、きらりちゃんの運動を見守りながら、表情や気持ち、そして感覚が見えるようになってきて、それがほかの子どもやお母さんたちの感覚ともつながってくると、デバイスづくりの発想が広がってきますよ。
 それはきらりちゃんの楽しいと感じる感覚の世界と一緒にお母さんも理解できてくると思います。

 そうですよね!だいち組の先輩お母さん!


 だからだんだんとお母さんたちは、子どもたちの気持ちや、そして深〜い運動の感覚を聞きだせるようになっているんですね。
 『まなざしカルテ』に書かれていることをずっと3年間振り返ってみるとそんな変化があったりしますよ。
3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか

 このところは子どもたちより、お母さんたちに変化があったって感じですね。
 なんとなく原点にもどったような「オフィスアワー」の展開が、なんとなく忘れていた気持ちの感覚を思い出させてくれた感じですね。

 それでいいんじゃないでしょうか♡♡♡
4.次回のオフィスアワーに向けて

 もう今年度は最後になります。

 でもやっぱりいつも通り展開します。

 なんとなくそんな場所でいたいから。

 そしてここでの取り組みは続きます。

 だから来年にむけて……

 最近お母さんたちが研究熱心になってきました。

 自分自身がいろいろな運動感覚と向き合っていきます。

 “動感志向体験”ということです。
 “運動”に対して、コツやカンを探りながら、あーでもない、
こーでもないと想像力を働かせながら取り組む。
 その取り組みのなかから発見をし、できなかったことができるようになってくる。
 このプロセスを体験することを“動感志向体験”と言います。
 柳川郁生は運動ができなかった(苦手だった)ので、
この体験によって発見した感覚やコツといったものが、
とてもはっきりと記憶されています。

 運動が得意だった人は「やったらできたから、やり方なんて……」ということが多いんです。

 できるようになるためのプロセスのなかで
とくに苦労することなくやり方を見つけてしまったのです。

 うらやましいですね。

 でも、このみんなより遅れて、苦労(工夫)して発見したことがとても役に立っています。
 
 だから来年にむけて、もっともっと研究しましょう。

 なんだったらオフィスアワーの時間前に、事前研究会を開いてもいいかな
と思ったりしています。
 もし自主的に参加したいというお母さんがいれば伝えてください。

 体験を通して得た研究の成果を、子どもたちに伝えてあげましょう。

2012-01-26

つぶやきカルテ2011(1月19日)

つぶやきカルテ2011(1月19日)

 つぶやきたいことはあるけれど時間がない。

 時間がないけれどオフィスアワーに来なかった人にも伝わるようつぶやきたい。

 ということでただいま1月26日午前0時15分……少し手抜きでつぶやきます。

 
1.どんなことをしていましたか(子)


 先週に引き続き「支える」感覚のデバイス


 その先は

 登って降りる「跳ぶ」感覚(?)のデバイス

その先は……?

 そして跳び箱をしたり

 鉄棒をしたり

 側転をしたり
 それぞれお母さんと対になりながら「運動」に取り組んでいました。
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)

 最近の「うんどうのオフィスアワー」の傾向は、お母さんと子どもがひとつの課題を通して強くつながりあっているということです。

 

 そんなことを利用すると
こんなふうに運動に変化や刺激を与えることができたりします。
 まあそんなことを見守っていたら、なんだかデバイスのひとつひとつが孤立してしまいました。

 それでもこの場が成り立っているのは、お母さんや子どもたちの志向性や意識のレベルがとても高くなっているからだと思います。

 でもそれではこれから育ってくるお母さんや子どもたちにとって優しく開かれた場にはならないのかもしれないと、ちょっと心配になりました。

 で、次回は“みんなで楽しめる”をテーマに展開してみましょうと提案させてもらいました。

3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか


 子どもたちの「怖い」には理由があります。

 鉄棒は「支える」感覚がないと上にのった時に不安定で怖かったり、おなかの肉がつぶれて痛かったりします。

 だから「支える」という感覚をどこかで体験するといいのです。

 「肘を伸ばしてしっかり支えなさい!」と教える(指導する)のではなく、
さまざまな「支える」感覚の運動を展開しながら鉄棒の上に子どもたちを連れてきます。

 そうすると鉄棒が怖くなくなったりするんですね。

 だから鉄棒だけを練習したり、跳び箱だけを練習したり、サッカーだけを練習したり、○○だけという取り組みをするのではなく、もっともっと感覚の世界を広げてあげるのがこの時間の展開において大事なことだと思っています。

4.次回のオフィスアワーに向けて

 いろんなことを探りながらこの時間をつくってきました。

 いつまでたっても正解は出てきません。

 それはきっと工夫し続けているからだと思います。

 能力主義の生産性を求めるのであればこの場を「運動教室」にすれば良いでしょう。

 でもそれよりももっともっと深い世界をつくりたいと挑戦しています。

 そのために本気で“愛のまなざし”の可能性を信じています♡

 次回もよろしくお願いします。

 ……深夜1時過ぎのお願いでした。

2012-01-17

つぶやきカルテ2011(1月12日)

つぶやきカルテ2011(1月12日)

 週末の出張でつぶやきができませんでした。
 恒例のレポート指導期間も始まってつぶやく時間がなくなりました。

 ということで隙間の時間を使ってつぶやきを綴ります。

1.どんなことをしていましたか(子)


 なんとなくここのところお母さんたちの積極的なデバイスづくりがなかったのと、
年末に跳び箱の運動に『支える』感覚をつなげる取り組みをしていたことと、
ふみこさんが『私が逆立ちをしたい!』と言ってくれたことがあり、
柳川郁生が最初のデバイスをつくりました。

 支えていって少しずつ自分のオシリを肩の上にのせる感覚を見つけてほしいと願っています。

 果たしてどうなるのかな?と想像しながら試してみました。

 そうなんです、試してみたんです。

 お母さんたちも「跳び箱は……」「鉄棒は……」「側転は……」「かけっこは……」「運動は……」という既成のやり方にとらわれないで、いろんなアプローチを試してみてください。

 そして自分の願いがうまくデバイスづくりと結び付かなかった時は、
遠慮なく相談してください。

 一緒に考えますから

 
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)

 最近だいち組の子どもたちは自分なりの課題に向き合って取り組む姿が目立つようになってきました。

 おそらくそれを見守るお母さんの姿が、ほし組やたいよう組のお母さんにも感じられているのではないかと思います。

 けれどもほし組やたいよう組のお母さんたちに知っておいてほしいのは、
そうなるまでのプロセスがあったということです。

 今のだいち組の子どもたちは、ぐるっとつながったコースにはじめは近づけなかったり、途中でドロップアウトしたりしながら、少しずつコースの中におかれたお母さんたちがつくったデバイスを楽しんでいると、自分の運動に変化が現れることに気づいていったのです。

 それには何カ月、何年という継続がありました。

 そしてその体験の中で自分の課題を見つけたり、その課題に向きあったりする志向性が育っていったのです。

 それがいまのだいち組の子どもたちとお母さんたちです。

 最初のスタートは、びょ〜んと跳び下りる台を置くことであったり、だ〜っと走りぬける直線であったり、くねくねっと駆けぬけるスラロームコースであったり、ひたすら這い這いするトンネルであったり、すごく単純な運動の感覚から始めていきましたね。

 ですからほし組やたいよう組のお母さんたちも、結果としての今のだいち組の取り組みにとらわれず、子どもたちが喜ぶデバイスをいくつもつなげていってぐるっとコースをつくってみることで、子どもたちの運動体験をひろげ、その中でどんなことに子どもたちの発見があるのか探ってみてください。
 まず今の段階ではひとつの課題にじっくり向き合うのではなく、何度も何度も無理なく、楽しくコースを回れるような世界をつくってあげてもいいのではないでしょうか。
 春の説明会の時に話しましたが、こども芸大の『うんどう』では『走る』『跳ぶ』『支える』『回る』(『投げる』)の5つの運動感覚を体験することで、これからの運動に必要な『動感素材』を身につけるとともに、その感覚を感じとれる『感性』を育てていきたいと考えています。

 運動における『感性』というのは運動の感覚を感じとれるということですから、
まずは単純な運動から始めて、その感覚を何度も何度もかみしめるように味わえばいいと思います。

 小さな子どもは同じ運動を何度も何度も繰り返し続けたりします。
 そばでみている大人はそれを見て「今度はこれをやったら?」と次のステップへ誘ったりします。
 でも本当はその運動の感覚をじっくりと味あわせてあげることが重要で、せっかくその味わいが伝わってきそうなところで別な味に変えてしまったりしているのです。
 指導のテクニックとしてはその味を次から次へつないでいくことで新しい味を発見させることもありますが、
このオフィスアワーではお母さんのまなざしという環境につつまれながら、じっくりゆっくりと味わうことをしていってもらいたいと思っています。

 またまたくどい話になってしまいましたが、早くも来年度につなげるためにつぶやいてみました。
 だいぶグチグチ書いてしまったので
 話題を変えて
 新しく参加してくれたゆみさんが、「子どもに何かをさせてみようと思うのではなく、子どもの動きをもっとじっくり観察してみたいと思いました。どんな動きが次のうんどうをつくりだすのか、うんどうとはどういうことなのか、興味をもちました。」とコメントしてくれました。
 すごく嬉しいコメントであり、このオフィスアワーの様子がそう見えていたのかなと思うとちょっと安心しました。

 ぜひぜひまなみさんのように主観的で愛情タップリの親バカ視線で子どもたちといっしょに“うんどう”をしていきましょう。

 そうすると子どもの笑顔が見えて、気持ちが見えて、感覚が伝わってきて、喜びが共有できるようになってきます。

3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか


 こんなだいち組の取り組みを見て

 こんなふうに跳び箱に乗っかります。
 こどもたちはここで展開する運動をしっかりと理解しはじめています。

 ここで起きていることがちゃんと見えています。

 けれどもまだ同じようにはできません。


 だからこんなふうに走ってきて跳び乗るという運動を通して、タイミングよく軽やかに自分の身体の体重を肩にのせて支える感覚を習得していきます。

 這い這いをすること、4つ足でトンネルをくぐること、高い台の上に乗っかること、

鉄棒の上につばめのように乗ることなどを通して『支える』感覚をひろげていきます。

 (前にぐるっと回って「はいできた!」ではなく、「お!しっかりと鉄棒を握って、ギュッと肘をのばして支えているな。」なんてことを見つけてあげてください。)
 するとそれが1年先、2年先につながってひとつの「運動」ができあがったりします。

 ‘だいち組になったら跳び箱ができる(跳べる)ようになる’のではなく、
それまでにどんな運動に触れておいた方がいいのかをみんなで試していきましょう。


 お母さんたちが鏡を使って子どもたちのジャンプに工夫をしようとしていました。


 すると子どもたちは視線を着地点にむけるのではなく、すっと正面にむけてのびのびとしたジャンプを見せてくれました。

 こんなちょっとした変化が楽しいですね。


 それから最後の方で子どもたちに側転を線の上でやってもらいました。


 この線を意識して手の着きをすることで『支える』感覚が増幅しているような感じがありました。

 自分の足のずっと先に手を着こうという意識が生まれて、身体全体がのびやかになった感じもありました。
 あくまでも“感じ”ですが、その“感じ”をつくったり、見つけていくことが重要であり、楽しみでもあるんですね。


 そしてその“感じ”がこの時点で始まっているのかも?なんて発見があるとすごく楽しみになります。

 見てください。

 まずは線のうえでジャンプしただけに見えますが、なつきちゃんの意識の中ではもう側転の感覚がスタートしているかもしれません。

 だから側転の練習をするのではなく、側転に(側転以外にも)必要な運動の感覚を準備しておくことが大切なんですね。

4.次回のオフィスアワーに向けて

 回数は考えず、結果をあせらず、なが〜いなが〜いプロセスの通過点として次回も続けていきましょう。

 そしていろんなことを試していきましょう。

 この『うんどうのオフィスアワー』は試みの世界です。

 

 でもだいち組のみなさんは少しでも満足感をもって卒業できるといいですね。

 応援します!!

 ……つぶやき始めると長くなり、ブログアップ遅くなりました……

2011-12-20

つぶやきカルテ2011(12月15日)

つぶやきカルテ2011(12月15日)

 あっという間に今年のオフィズアワーが終わりました。

 なんとなくみんなの取り組みを形にしたくて、
なんとなくみんなの愛を見えるようにしたくて、
一生懸命伝えていこうと思っていますが、
また時間が過ぎていきます。

 でも少しずつ、少しずつ場は育っていると思います。

 なんとなくなんとなく継続が流れをつくっているような気がします。

 ということで続けてつぶやきますネ。

1.どんなことをしていましたか(子)


 新しいデバイスが登場しました。

 「あれ?」って感じでどんなふうに使うのか想像させられるデバイスが登場すると、子どもたちの興味もそそられますネ。


 上を渡って跳び下りたり


 下をくぐりぬけたり
 自分で選んだ運動に取りくんでいました。


 その先には平均台とくぐりぬける輪があったので、「支える」感覚を前のデバイスの流れからつなげていってほしいというお母さんたちの願いがあった感じです。


 そしてその先のマットでは、さらにこんなふうに「支える」感覚をつなぐ子どもたちが登場し

 どんどんと自分の手のひらや肩の上に、ふわっとからだがのっかる(支える)感覚を増幅していきました。


 そしてこれも背中側から「支える」感覚づくりですネ。


 こんな取り組みが、やがて開脚跳びや逆上がり、後転や倒立などさまざまな運動の動感素材となっていきます。

 そしてそこで生まれる自分の運動感覚との向きあい『動感志向体験』というものが、すべてのうんどうの取り組みに生かされてきます。

 字が読めるようになると本が読めるようになります。

 本が読めるようになるといろんなことを知ることができます。

 いろんなことを知ると自分の世界が広がります。

 自分の世界が広がると生きていることが楽しくなります。

 そんなふうに“うんどう”も考えていってください。

 字が読めた ⇒ 頭が良くなった  ⇒ 小学校に行っても大丈夫
ではないですよね。
 
 ひとつひとつの運動の感覚を動感素材とすることで、いろんな運動と出会うことができるようになり、運動の世界が広がります。

 もちろん上手にできた方がいいのですが、そのためにはいろんな運動の感覚を感じられる感性が備わっていることが重要です。

 その“運動の感性”をさまざまなデバイスを通してお母さんたちといっしょに育んでいくのがこの「うんどうのオフィズアワー」です。

                   ……あいかわらずしつこいかな*
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)

 なおみさん、まなざしを向けていればその先に何か見えるようになります。
 そのための“まなざしカルテ”です。

 実はみんなそうなんですが、まなざしを向けてカルテを書き続けているお母さんの子どもとそうでない子どもには
“うんどう”に対する向き合い方の差が出てきています。

 たぶん気づかないでいるお母さんが多いとは思いますが、
はっきり言うと同じ運動の場にいても損をしている子どもと得をしている子どもがいます。

 その損に気づかないのが“まなざしカルテ”を書いていないお母さんです。

 いろんなことに気づけずに自己嫌悪というのは、
気づいていないことに気づいた大事な段階です。

 運動学においては、
違和感も運動感覚による最初の気づきととらえていたりもします。

 自分の不足に気づくことはとてもいいことで、
そこからわが子にまなざしを向けて共にうんどうの世界で過ごしていくと
まさに“何かが見えて”きます。

 そんな瞬間を共に過ごすことで、
子どもたちは運動感覚の発見に夢中になる心地よさを実感していきます。

 でもそこにお母さんのまなざしがないと……たんなる運動教室と同じに、
与えられた運動の結果だけしかお母さんには見えなくなったりします。

 「上手にできたね♡」って言うのはとってもいい言葉ですが、
「楽しかったね♡」と言うのと違いますよね!

                    ……分かります?

 
 でもほし組やたいよう組のお母さんたちのまなざしにも、
しっかりと子どもたちの笑顔や、好きなこと(運動)が見え始めています。

 どんな運動が好きで、どんな時キラキラした目になって、
どんなふうに夢中になって、どんな時にやる気をなくすのか、
そうやって日常のまなざしと同じように
お母さんたちは運動をしているわが子の気持ちがちゃんと見えています。

 はじめのころのまなざしとちょっと比べてみてください。

 きっと何かが見えていないと思っていても、
実は見えない何か(気持ちや意識)が見えてきているのではないでしょうか。
3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか

  こつこつと運動に取り組むしのちゃんなぎくんじょうたろうくんと跳び箱の開脚跳びに取り組みました。

 ちょっと順を追って運動をしていたら跳べるようになりました。

 それは子どもたちの中にある開脚跳びに必要な動感素材を確認しながら取り組んでいっただけの事です。

 つまり子どもたちはこども芸大や日常の運動の中で、走ったり、跳んだり、支えたり、
そして自分の身体の感覚を感じとったりすることがあらかじめ準備できていたということです。

 
 そうなんです。

 この『うんどうのオフィスアワー』は、そんな運動感覚の準備をする時間と思ってください。

 這い這いをしたり、高いところへ腕の支持を使って登ったり、さかさまになってみたり、ひっくり返ったり、
さまざまな運動感覚を何度も楽しむことによってたくさんの動感素材が備わってきます。

 そう考えてまたデバイスづくりをしていきましょう。

4.次回のオフィスアワーに向けて

 新しい年になりますが、またおつきあいよろしくお願いします。

 
 わが子の考えていることを一番わかっているのはお母さんですよね。

 そのまなざしはどんなにすごい運動の専門家だってかないません。

 でもそこまで見抜いてやろうというのが、柳川郁生の挑戦です。

 だからお母さんたちから話を聞いて、
子どもたちのことをもっと知ろうと思っているのです。

2011-12-12

つぶやきカルテ2011(12月 8日)

つぶやきカルテ2011(12月 8日)

 たくさんの“まなざし”ありがとうございました。

 これでやっとこの『うんどうのオフィスアワー』の意味を考えていけそうです。

 子どもだけを考えて‘運動’をするのであればこの時間でなくてもいいと思います。

 しっかりとした目標と課題をもった「運動教室」があります。
 できない運動をできるようにする。努力する気持ちを育てる。体力をつけて丈夫な体にする。仲間と運動を楽しむ。スポーツ選手にする。

 とっても分かりやすい運動のあり方です。

 私も実際にそんな体操クラブも主宰しています。

 12月11日に大会があったのですが
 ほら、けっこう山形ではそこそこ不思議と強いクラブなんですョ。
 でもこの『うんどうのオフィスアワー』は、強い体操選手をつくる場ではありません。
 ‘運動’によってなにか得をするのではなく、“うんどう”を通して楽しい運動感覚との出会いをひろげていく場にしたいと思っています。

 だれかと競うこともいいと思います。
 できない運動にチャレンジすることも大事だと思います。
 でも、“うんどう”そのものにまなざしを向けること、意識を向けることができないと、
客観的な比較や、評価のなかでしか運動ができなくなったりします。
 

 そうならない“優しいまなざし”をお母さんたちに持ち続けてほしい、
というのがこの時間の原点です。

 わが子がニコッと笑うことを覚えたとき、❍❍ちゃんよりカワイイ♡と喜びましたか。
 わが子がコロンと寝返りをうったとき、❍❍くんよりハヤイ!と喜びましたか。

 わが子に“愛のまなざし”を向けていたころは、
わが子のそれしか見えていなかったのではないでしょうか。

 そんな理想的なことをまじめに追求しようとしているのが、
この『うんどうのオフィスアワー』のスゴイところなんです。

1.どんなことをしていましたか(子)
 &
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)


 こんな「支える?」感覚のデバイスができていました。
 ここから……?


 そのあとのマットではこんな光景が見られました。

 そこから……?


 同じ場所でこんなこと(側転)をしている子もいます。
 そして……?


 跳び箱が置いてあったりしました。
 だから……?

 意味が見つけられなくてたいこさんが悩んでいました。

 最近なんだかこんなデバイスが目立つかもしれません。

 少しずつデバイスをつくりはじめるお母さんたちが増えてきました。

 でもよく分からないのでつくりっ放しになります。

 他のデバイスとの関連性もありません。

 でもこれがスタートです!
 まずはいろいろ試してみて、
うまくいかないことがあったらやりながら修正していけばいいんです。

 よくこう言うんですが「やりっ放しの公共事業」のようではいけないということです。
 つくるだけつくって利用者がいなかったらそれでいいではなくて、
つくったからにはみんなに喜ばれるよういろいろ手直しをしていくことも必要なんです。

 指導力のない指導者はそんなことを丸投げにして、
私が準備したもので運動しない子どもたちは集中力が足りないなんて、
子どもに責任を押しつけたりします。

 そこで私たちは少しずつ少しずつ子どもたちに見えていることを探り、
子どもたちが好きなこと(感覚)を見抜き、
子どもたちに必要なことを見つけていけるよう、
“まなざし”を向けていきます。
 そしてそれを書いていくうちにいろんなことが見えるようになってきます。

 『言葉によるスケッチ』(@片桐?)の効果です。

 
 ということで
 ちょっと我慢できなくなったので

 こんなふうに取りくむ姿を見て

 のびやかにからだを伸ばして「跳ぶ」感覚

 くぐりぬけながら

「支える」感覚

 さらには逆さになって「支える」感覚と、
さかさまになっても自分のからだの前後や上下を感じとる感覚

 そんな感覚を集めてバク転でつなげてしまう。

 みたいなデバイスをちょっとつくってみました。

 まるでリレー形式で物語を綴っていくようなデバイスづくりができるようになったら素敵ですネ。
 というより凄すぎますネ。

 でもまた数年かけてそんな世界をつくれたら嬉しいですネ。

 なんてまた勝手につぶやいていますが、かなり本気です(笑)

 それぐらい目指さないと、運動教室の方が便利でわかりやすくて、
お得感いっぱいですから。

3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか
 &
4.次回のオフィスアワーに向けて

 かよこさんなつきちゃんが育ってるんですネ。

 うちもりょうまくんが育っているので大変です。

 日常には時間制限があったりしますが、この時間にはノルマはありません。
 必要なケンカもしながら、見のがしましょう。

 じゅんこさん、筋力や体力がつきはじめるピークは15歳からです。

 子どもの脈拍は常に100〜110拍ぐらいで、常に運動状態の疲れ知らずです。
 
 ゆかさん、「(何かをつかみつつあるのか?)←親の願望でしょうか。」ということ。
そうです。
親に願いができてくると見えてくることがあります。
それでいいんだと思いますヨ。

 いづみさんあづさちゃんの「一本体の真ん中に筋(軸)が通った感覚が発見できました。」ということ。
 そしてみちこさん、「「肩がはいる」感覚がつかめるともう少しのようです。
「見てなにかをつかむ」ことも前より感じているようにも見えます。」ということ。

 スゴイです。

 専門家の“まなざし”です。

 いや、“まなざしのスペシャリスト”かな。

 そしてさらにはなこさん、「気負わずに……、それを受けとめられる母でありたい……」、
これはもう“愛のまなざし”ですネ♡

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