楽天株式会社に入社3年目、新オフィスで更なる飛躍を目指す杉山さん。迫るビル群は、山並み連なる山形とはまったく違う景観ながら違和感はない。生活フィールドを選ばない柔軟さも杉山さんの強みのひとつなのかもしれない。

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ネットショッピングの雄「楽天市場」で、より魅力的なwebサイトを目指す。

東京の最前線でも自然体。
大学時代に培った感受性をビジネスに生かして。

今後のネットビジネスの可能性をわかりやすく解説してくれる杉山さん。ウェブサイト〈楽天市場〉をより魅力的なものにするために日々奮闘している。山形や芸工大のことに話題が及ぶと表情がいちだんと柔らかさを増した。

インターネットショッピング好きには〈楽天市場〉として、スポーツファンなら〈楽天イーグルス〉として、さまざまなジャンルですっかりおなじみの楽天ブランド。多くのIT企業の中でも果敢な展開を見せている〈楽天株式会社〉。そんなメジャーな企業にもわが芸工大OBの姿がありました。2002年芸術学部卒業の杉山敬太郎さんは、現在、楽天市場事業ビジネスユニットのスタッフとして、〈楽天市場ウェブサイト〉のランキング&レビューページの制作を担当しています。私たちが何気なくアクセスしている有名サイトの制作にOBが携わっていると知り、急にそのサイトが身近なものに感じられたと同時に、日常の中に芸工大パワーがじわじわ浸透しているということを実感したのでした。

杉山敬太郎さんは、仙台市出身。2002年に現在の芸術学部美術史・文化財保存修復学科を卒業。その年に開催された日韓ワールドカップサッカーのスポーツライターとして活躍の後に、山形のタウン誌を発行する編集社に入社。3年間の編集者経験を経て、2005年に〈株式会社楽天〉に入社。楽天市場ウェブサイトの制作を担当している。本校で「キャリアプランニング」の授業を行ったこともある。楽天市場ウェブサイトwww.rakuten.co.jp

その杉山さんを東京に訪ねたのは昨年の12月。楽天のオフィスが六本木から品川へと移転になったばかりの頃。例年以上に慌ただしい年末時期の稀少な休日にもかかわらず快く取材に応じてくれたのです。新オフィスビルの前で待ち合わせをし、山形時代の思い出話や近況などをうかがいました。

仙台出身の杉山さんが芸工大の現 美術史・文化財保存修復学科に進学したのは、大好きな映画や美術鑑賞が学問として認められ、好きなだけそれらに浸れると考えたから。実際、大学4年間でさまざまな作品に触れることができ、それによって感受性が豊かになったと自己分析しています。卒業後は、ちょうどその年が日韓ワールドカップサッカーイヤーだったということもあり、数カ月間はフリーランスのスポーツライターを経験。その後、山形のタウン誌を発行する編集社に就職し、廃刊までの3年間を編集者として多忙な日々を送ったといいます。「トータルに関わることができた編集の仕事、どんなに忙しくても楽しかったし、好きでしたね」と杉山さん。

それでも廃刊となってしまっては仕方がないと、すぐに就職活動を開始し、すんなり〈楽天〉への入社を決めてしまったのです。東京、しかも誰もが知っているビッグネーム企業への就職。かなり気合い十分に乗り込んだに違いないと思いきや、杉山さん本人はいたってクールでした。東京であれ山形であれ、自分にできる仕事、やるべき仕事にそう大きな違いはないと考えるタイプで、フィールドは選ばないのだそうです。

だから、東京のど真ん中で巨大なビルを背にしても杉山さんはいたって自然体。進化の著しいネットビジネスの最前線で、その現状や将来性を鋭く分析しながらも、「やっている仕事は、山形時代とそんなに変わりありませんよ」と余裕すら感じさせる発言。そして「楽しく生きるためには、自分で限界点を作らずどんどん自分を進化させていくことが大切」という後輩のみなさんへのメッセージでインタビューを締めくくってくれました。

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