ネットショッピングの雄「楽天市場」で、より魅力的なwebサイトを目指す。
インターネットショッピング好きには〈楽天市場〉として、スポーツファンなら〈楽天イーグルス〉として、さまざまなジャンルですっかりおなじみの楽天ブランド。多くのIT企業の中でも果敢な展開を見せている〈楽天株式会社〉。そんなメジャーな企業にもわが芸工大OBの姿がありました。2002年芸術学部卒業の杉山敬太郎さんは、現在、楽天市場事業ビジネスユニットのスタッフとして、〈楽天市場ウェブサイト〉のランキング&レビューページの制作を担当しています。私たちが何気なくアクセスしている有名サイトの制作にOBが携わっていると知り、急にそのサイトが身近なものに感じられたと同時に、日常の中に芸工大パワーがじわじわ浸透しているということを実感したのでした。
その杉山さんを東京に訪ねたのは昨年の12月。楽天のオフィスが六本木から品川へと移転になったばかりの頃。例年以上に慌ただしい年末時期の稀少な休日にもかかわらず快く取材に応じてくれたのです。新オフィスビルの前で待ち合わせをし、山形時代の思い出話や近況などをうかがいました。
仙台出身の杉山さんが芸工大の現 美術史・文化財保存修復学科に進学したのは、大好きな映画や美術鑑賞が学問として認められ、好きなだけそれらに浸れると考えたから。実際、大学4年間でさまざまな作品に触れることができ、それによって感受性が豊かになったと自己分析しています。卒業後は、ちょうどその年が日韓ワールドカップサッカーイヤーだったということもあり、数カ月間はフリーランスのスポーツライターを経験。その後、山形のタウン誌を発行する編集社に就職し、廃刊までの3年間を編集者として多忙な日々を送ったといいます。「トータルに関わることができた編集の仕事、どんなに忙しくても楽しかったし、好きでしたね」と杉山さん。
それでも廃刊となってしまっては仕方がないと、すぐに就職活動を開始し、すんなり〈楽天〉への入社を決めてしまったのです。東京、しかも誰もが知っているビッグネーム企業への就職。かなり気合い十分に乗り込んだに違いないと思いきや、杉山さん本人はいたってクールでした。東京であれ山形であれ、自分にできる仕事、やるべき仕事にそう大きな違いはないと考えるタイプで、フィールドは選ばないのだそうです。
だから、東京のど真ん中で巨大なビルを背にしても杉山さんはいたって自然体。進化の著しいネットビジネスの最前線で、その現状や将来性を鋭く分析しながらも、「やっている仕事は、山形時代とそんなに変わりありませんよ」と余裕すら感じさせる発言。そして「楽しく生きるためには、自分で限界点を作らずどんどん自分を進化させていくことが大切」という後輩のみなさんへのメッセージでインタビューを締めくくってくれました。