アートを通して、人と自然と触れ合う喜び。
大学での学びを活かしてワークショップを提案。

美術科総合美術コース卒業後、自然体験活動を支援する生涯学習施設、オーエンス泉岳自然ふれあい館(以下、ふれあい館)に就職した千葉彩香さん。ふれあい館は仙台市泉ヶ岳の豊かな自然に囲まれた場所にあり、登山客に山の情報や休憩場所を提供するほか宿泊施設も完備。市民キャンプ場の運営、小学校の野外活動やボランティア育成、学びを軸にした体験をサポートしています。現在、千葉さんは事務や経理、軽食所の補助など業務全般に関わりながら、ワークショップの提案も積極的に行っています。「最初、事務職には戸惑いもありましたが、1つずつ誠実に仕事に向き合っていくうちに周囲の方々に認められ、信頼されてきたように感じます。芸工大で学んできたことを活かしていけるのはこれからですね」と微笑む千葉さん。登山客や施設利用者の窓口としてお客様と触れ合う機会も多く、自分の印象がふれあい館の印象になるということを、常に頭に置いて仕事をしているそうです。

快活な話し方と笑顔が印象的な一方、もともとは人見知りの性格だったという千葉さん。総合美術コースで、研究室を通して多くの社会人と交流する機会を得て、社会で必要なコミュニケーション能力を培っていったといいます。「総合美術コースは自由な学びの場であると同時に、自分で動いていかないとあっという間に4年間が過ぎてしまうと思ったので、どんどん大学外に出て様々な制作を行いました」。千葉さんは教職課程も履修し、市民や社会にアートを通して学びを提供する技術と精神を学びました。「とても刺激を受けたのは、松田教授が発案した“だがしや学校”に関わったこと。人と近い距離でアートを共有することに喜びを感じ、その延長線上に今の仕事があります」と、大学時代の学びが現在の自分のポテンシャルを高めたことを語りました。

年の瀬が迫る12月には、千葉さんが提案した、クリスマスとお正月向けのワークショップに向けて、指導する職員のために講習会を開催。泉ヶ岳で採れた、どんぐりやくぬぎ、松ぼっくりに、毛糸やフェルト、モールの装飾を施したをクリスマスオーナメント、ミニ門松、日時計の制作を行いました。主に野外活動支援を担当している職員の方々もわくわくとした様子で取り組み、それぞれにアイデアを出しながら個性的な作品に仕上げていました。「これまでは紙を素材に描いたり作ったりすることが多かったのですが、ここでは自然が生み出した木や葉や木の実を素材にしています。泉ヶ岳には机の上だけではイメージできなかったことやアイデアの種が沢山あるので、もっと植物を勉強して魅力的なクラフト系のイベントも開催したいです」と、語る千葉さん。大自然に囲まれた環境で四季の彩りを感じながら、今後の活動に夢を膨らませています。

 

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